12月24日:
クリスマス前夜だからと云って特別なコトは何もないが、忘れない日である。
2011年12月24日:
命の明かりが尽きることを予感したのだろうか
スプーンも持つことさえ出来なくなった右の手に、サインペンを握り「手を添えろ」と言う。
「ひ・ろ・し・・・・た・ん・じょ・う・び ・お・め・で・と・う」と息子の誕生日(12/25)を祝う平仮名の手紙を書いた。
娘二人にも姉妹仲良くするようにと書き加え「あ・り・が・と・う」と結んだ。
体の自由が利かなくなって以来、旅行もしリンゴ狩りにも行き、お世話になった3人の方に
「うれしかった・たのしかった」 と感謝を伝える手紙を残した。
一人だけの弟には「両親のところに行きます」と別れを告げ、楽しみにしていた正月の餅つきに
参加出来なかった思いを「お も ち た べ た か っ た」と記した。
最後に「あなたへ」と題して「あ・り・が・と・う」を残してくれた。
2011年12月25日:
入院先の女医さんがクリスマスカードを持参して枕元に置いて行った。
女医のISさんには、20年間ず~とお世話になり、医師と患者を越える慈愛を感じさせて頂いていた。
2014年12月25日:
朝早く近くの「本宮山」に登ってきた。
この時期に登るこの山には特別な感慨がある。 介護の度合いが厳しい方向に向いた時
「死ぬな!死ぬなヨ」って声に出して歩いた山だから・・・・・。
戻りは登山者の居ない「ふるさと自然のみち」を駆けて下った・・・3年前と同じ道だ。
頂上には誰もいなくて、遥かな三河湾が眩しかった。