昨日、初めて岩に触れた時と同じ「立岩」に行って、三度目の岩登りを経験をしてきた。
“会のスター”を育成したいベテランのHTさんSさんが組んだ
「Fさんトレーニングの日」だったが、それにちゃっかり割り込んで面倒見て貰ったってワケ。
なぜなら岩登り初心者の場合、命綱を持ってくれる“相方”が居ないと、一人じゃ
どうにもならないからなんです。
例によってFさんは無駄のない動きで高難度ラインを次々にクリヤーして行く。
見守る先輩二人も、只々「スゴイね」「スゴイよ 」・・・と、その言葉しかない。
技術的なことは分らない素人の自分も、「綺麗に登るなぁ スゴイなぁ」と見惚れる。
Fさんの今日の練習課題は「二段ハング登攀」だとか
垂直に近い岩壁からせり出した岩面のことをハングと称し、これが二か所あるから二段ハング。
下でロープを確保する先輩が「もう少し右 もう少し上の・・・」と手掛かりの場所を伝えるが
Fさんは反対の左側を探って「こっちの方が登り易い」とアッサリ登ってしまうから、もう驚き
よどみなく登りきったゴールで「テンショ~ン」と下降の態勢を伝えると宙に跳んだ・・・・見事だ
Fさんが体に結んだロープを外して一休みした処で 「一段目で降ろすから、やってみる 」と声がかかった。
「難しかったら途中でいいから」と気遣ってもらい、10年早いルートに触れさせてもらった。
訳も分からず懸命によじ登って一段目のハングは登ってしまった。
下から「行ける所まで行ってイイよぉ~」との許可で、なんと頂上(ゴール)を目指すことになった。
二段目は全く掴むところが無い。つま先を掛ける凹みもない。
手掛かりを探って基本ルートから大きく逸れてしまう・・・・「落ちた時、振られるから気をつけろ」
「ハイ」と答えて懸命に修正しながら下を覗くと、その高さに足が震えた。
ここまで来たんだから「何とか登りたい」 その一念だけで怖さが消えて
ジャンプするようにして届かなかった岩角を左手の指が掴んだ。
一瞬片手でぶら下った格好になっが、反射的に右の掌が岩肌を押さえつけたので
墜落せずにハングを這い上がることが出来た。
なんとも無様な格好だったと思うが、とにかく登った・・・そう思えて嬉しかった。
遥かに広がる眼下の街並みを眺めて「テンショ~ン 」
後ろ向きで空間に身を投げ出し、岩壁を弾むように蹴って下降する気分は最高だった。
「頑張ったね」「自信がついたでしょう」とFさん。
“よいしょ”と持ち上げてくれたが、とにかく登れた満足感で一杯だった。
Fさんに「エ**ちゃん今頃、天国で笑ってるヨ」と言われ
「登ったよ」と報告した。