森林ジャーナリストの裏ブログ

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木材のグリーン調達

2006-03-03 16:06:55 | 木製品・建築

これまで幾度となく触れてきたが、この4月より政府調達の木材関連品は、みんな違法伐採でないことが証明されたものに限られる。いわゆるグリーン調達だ。

これは世界的な流れになっていて、森林の違法伐採の取り締まりが強化されつつある。そして各国政府も自ら範を示す意味もあって、公共事業に怪しげな木材は使えなくある。これは紙も含む。
たしかに、いくら森林危機を訴えて伐採禁止措置を強化しても、ロシアや熱帯地域などの違法伐採は減少する気配すら感じられなかった。それを消費者の方から締めつけようというのは結構な展開だ。今後は大手ハウスメーカーなどにも広がるかもしれない。

これで北洋材・南洋材の輸入量が減って、国産材の需要が高まればと期待する向きも日本にはある。たしかに日本の場合、仮に伐採後の再造林もせずに放置する場合でも、違法とは言えない。だから、このグリーン調達に排除される心配はほとんどないはずだ。
しかし、もう少し考えていただきたい。国産材は安閑とはしていられない。下手すると、国産材が壊滅するターニングポイントにさえなりかねない。

なぜなら、「違法伐採でない木材」とは、それを何らかの手段で証明する必要がある。国産材ならみんな合法的ですよ、と口で言えば済むのではないのだ。産地やその後の流通などを明示しなくてはならない。

どうして証明するのだ?
国産材で、そんな証明のできる手段はあるのか?
証明できない木材は、違法伐採の可能性もある木材、である。
つまり違法木材と同じ扱いで、政府は使うことができない。追随する民間会社も同じ判断をしたら、国産材は使わないと宣言するようなものだ。
幸い、外材には産地証明・合法証明できる木材はいくらでもある(本物かどうかは別にして)。

日本国内で産地認証する制度は各地にいくつかあるが、ある程度の規模で行えるのはFSCやSGECの森林認証制度だろう。

ここで住友林業の選択とつながるのではないか、というのが私の推測なのである。

もちろん、ほかにも環境に優しい企業というイメージを打ち出すのにも都合がいいし、複合的な判断だろうが、ほかの林業関係団体もぼやぼやしていると知らないよ。

 


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