また、意味ありげなタイトルをつけてしまった(^^;)。シリーズ化するか。
出雲に行ってきた。飛行機である。伊丹-出雲間は、JALグループの日本エアコミューター(JAC)しか就航していない。機体は、SAAB340。乗員36人のプロペラ小型機である。乗り込むのも、滑走エプロンを歩いて機体に近づき、簡単な階段を昇る。
「小型機だから、常に満席。JALが経営危機でも、路線撤退はないだろう」とは、島根で聞いた話。
そうだよな、日航の経営危機は深刻で、ほとんど倒産状態だから赤字路線からの撤退を次々と決めている。しかし、大阪-島根の空路がなくなると困る。島根は岩見空港も抱えているが……。
もっとも私は、あまりJALに好感を持っていなかった。どちらかというとANAを選ぶことが多い。事故が多いとか備品がどうだという問題ではなく、会社の体質にイマイチ違和感を持っていたからだ。
さて、この路線の小型機に乗務するキャビンアテンダント(CA)は、一人である。
復路は、非常口のあるもっとも先頭の座席となった。おかげでCAが目の前で見られる(^o^)。
機体の扉の開け閉めも、CAの仕事だった。それも電動ではなく、まず彼女の座席を横にスライドさせ、地上に立てかけてある階段を力任せにグイっと持ち上げて機内に収納する。それを扉横にスライドさせ、これまた手動で扉を閉める。そしてハンドルを回してロックする。
そうした一連の動作を華奢なCAさんがするのをつぶさに観察できた。狭い機内のどこに何が収納されているかを観ることができたよ。
さらに機内放送をしつつ、安全確認。恒例のライフジャケットの扱い方や、取扱説明書を紹介し、それが終わるといったん席について離陸。上空で安定すると、機内を巡回しつつ、新聞や雑誌を勧めたり、毛布の提供、そしてキャンディの配布……。
大型機のCAとは、かなり仕事内容も違う。子会社のローカル路線ゆえか。
途中、気流が乱れて、彼女も着席するが、向きか客と対面する形になる。顔を向け方も気を遣うだろうな。そして、肩から腰にかけての頑丈なシートベルト。ハーネスみたいだ。
CAの接客サービスは平時の仕事だが、本来彼女らは安全要員である。その点を忘れて、サービスの内容ばかりに文句を付ける客が多いが、それだけで彼女らを判断していはいけない。
それでも、1時間後には無事伊丹空港に到着した。
最後の機内放送。一連の連絡事項と御礼。そして、「ただいま、JALグループが経営に関してご心配、ご迷惑かけてます。社員一堂、一層努力して再建に邁進しますので、どうかよろしくお願いします……」
おお、あえて経営問題に触れたか。彼女の独断とは思えないが、あえて触れさせた社の判断は正しい。思わず拍手しそうになったぞ。JALに乗る客のほとんどが知っていて、そして気にしているであろう問題だ。乗員に知らぬふりされても、拭えるものではない。
最後の一言で、JALに好感を持ったのであった。