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森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

小丸太の格子

2006-06-14 12:14:05 | 木製品・建築

吉野まるごとプロジェクトの会合で、橿原に行った際に、今井町を歩いた。

昔の環濠集落で、江戸時代からの住居が今も並び、重要伝統的建造物群保存地域に指定されている町だ。米や綿などの集積地として、かつて大和の富は今井に集まるとまで言われた。信長に逆らったこともあるが、降伏後も繁栄した。

 

一応観光地になっているのだが、歩く人は少なく、路地のような細い道に板塀が連なるのは、目に心地よい。格子戸の家も多い。

と、目に留まったのが、丸材の格子だ。通常、格子は製材された角材だろう。しかし、中に直径3~4センチの小丸太をそのまま使っている格子があったのだ。家の前面に丸い格子が連なる。

 

これは、なかなか風情がある。間伐材とも言えないような、小丸太が活かされた街角の景観が目に入ると不思議な効果をもたらす。ちょっと古びた、庶民的な感覚。

角材の格子が悪いわけではないが、ある種画一性があり、お固い雰囲気のある京都の街角と変わらない。しかし、丸みを帯びた材は、ちょっとした目のアクセントに感じた。

 

もともと利休の「茶の湯」で生まれた数寄屋づくりは、それまで利用されなかったスギや細い広葉樹材を活かした建築様式である。ありのままの木を使うことを旨とし、樹皮付きの丸材も使われた。節もあれば、曲がったところも活かした。

ところが、時代が進むにつれ、数寄屋づくりといいながら無節、直材を尊び出す。利休の精神とは離れた建築様式となってしまった。

 

あらためて木材の価値を造り直せないか。山に捨てられている徐伐された細い木や梢近くの細い材を活かせば、新たな景観が作れるのではないか。それもコストをかけた加工はしないで行えたら……。こちらは流通マーケティングの役割だろうか。

 


割り箸番組(クローズアップ現代)

2006-06-06 23:51:39 | 木製品・建築

昨日は、大阪に出たので「道具屋横丁」を覗いた。食堂・厨房機材を扱う街だが、ここでは割り箸も売っている。

 

ところが、驚いたことに国産割り箸がほとんどない。かつては苦労せずに見つけたはずだが、今や専門店でも姿を消しているのか。

天削、利休といった高級割り箸も、素材はエゾマツなどで、どう見ても中国製。竹も多い。これは由々しき事態である。

 

そして今晩、NHKの「クローズアップ現代」で、ついに割り箸を取り上げた。
なかなかコンパクトに、割り箸問題を映し出している。日本の割り箸業界の現状と中国の生産現場。そして国産割り箸の産地として吉野も取り上げているが、すでに量産できなくなっている事情も紹介していた。

 

ミニストップの試みも紹介していたが、あまり国産割り箸(5円)は、売れていないそうだ。ある店では1週間で17膳…。苦しいなあ。
居酒屋チェーン「マルシェ」のプラスチック箸も取り上げたが、これは広がらないだろうと感じた。洗浄と消毒に想像以上の手間がかかる。

 

結局、抜け出す道は見当たらない。やはり割り箸有料化を全面的にやるしかないか。いよいよ袋小路に入ってしまったような気分。


国産割り箸を支える層

2006-06-04 10:54:39 | 木製品・建築

昨日、ある店を訪れた際に雑談の中で割り箸の話になった。

 

その店(カフェ)では、食事も出しているが、塗り箸を使っているという。そして店主は、マイ箸を持ち歩いているのだそうだ。しかし、話しているうちに、一般的な輸入割り箸と国産割り箸の違いを理解していることがわかった。

そして、可能なら国産割り箸を使いたいそうだ。
価格の点でも、輸入割り箸が1膳2円、国産が5円としても、価格的にたいした問題ではなさそうだ。大規模なチェーン店ならともかく、個人営業の店なら、ほとんど影響はない。また仮に一杯800円の蕎麦を805円に値上げしても、客は理由がわかれば許容範囲だろう。

 

決して国産割り箸の潜在的ユーザーは少なくないぞ。
「もったいない、という言葉は、今のお年寄りたちが使っていたはずなのに、割り箸などの問題に敏感なのは、若い層」という言葉も出た。

ターゲット・ユーザーさえ誤らなければ、国産割り箸の普及は可能だ。むしろ問題は、生産量だろう。

 


つみきハウス

2006-06-02 23:18:03 | 木製品・建築

箸については、少し一服して、今回はつみきハウス。

 

朝日新聞6月1日のコラム「窓論説委員室から」で、宮崎県高千穂町のつみきハウスが紹介されていた。同名の会社が開発した、間伐材によるブロックである。これを組み合わせて家を建てる工法だ。素人でもできる家づくりなのである。

 

『田舎で起業!』で紹介したのは2年前、雑誌に載せたのはさらに前だが、今頃新聞に紹介されるなんて。「静かな人気を集めている」のだそうだ。
ただし、勘違いしないでほしい。私が、この工法が注目したのは、間伐材を使うことや素人でも建てられること、シックハウスに無縁なこと……だけではなく、建築基準法の壁を破るためにとてつもない苦労をしたことだ。

 

せっかく新たな木材の利用法を開発しても、それを普及させるための法律の壁は、とてつもなく大きい。それが木材利用の拡大を拒むこともある。本当は、こんなところに行政の助成がほしいのだが……。

ともあれ、朝日の記事をきっかけに、つみきハウスがもっと知られてほしい。そして間伐材の新たな出口を広げてほしい。

つみきハウスhttp://www.coara.or.jp/~tumiki/


国産割り箸を発見!

2006-06-01 16:46:14 | 木製品・建築

たまたま訪れたマックスバリュー(イオングループのスーパーマーケット)で、なんと国産割り箸を発見!

 

「杉箸」とあり、吉野杉を使用しています、と書いてある。形は、「天削」である。 あわてて携帯で写真を撮ったが、小さすぎてわからないかなあ。

とにかく、杉製だから、間違いなく国産割り箸である。ただし、製造地は中国ではないかと思う。袋入りの箸が10膳で、価格は258円。1膳あたり約26円となると、少し高い。

やはりお客さん用なのだろう。一緒に並んでいたアスペン、シラカバ製は、「元禄」「利休」などだが、造りは粗雑。袋にも入っていないし、価格も一桁違う。なかには松の割り箸もあったが(20膳で198円)、松といっても中国松だと思われる。

 

とりあえずスーパーでも手に入ることがわかっただけでも朗報?だが、扱いは困るね。マイ割り箸として使い捨てするにはちょっと高い。26円では、5回くらいは使わなきゃ(^o^)。


素の箸

2006-05-31 12:04:48 | 木製品・建築

素の木箸についても考えてみた。

 

実は、私の手元には、クヌギの箸がある。ある工芸家を取材した時にいただいたものだが、その工芸家は、雑木で器や家具を作る運動を行っていた。とくにクヌギは、木炭の原木や椎茸のほだ木としては重要だが、木材としては軽んじられている。しかし、ちゃんと加工すれば、立派な素材であることを示していた。

 

実際、クヌギは凄いのだ。箸を見ても美しい文様があり、惚れ惚れする。ケヤキやブナ材より私は、好きだな。

 

……ということで、素の箸。本来箸は、古事記の時代から木を削ったまま使うものだった。2本1組の箸である。それが江戸時代に入って塗り箸が生まれたが、庶民はずっと素の木箸だったはずだ。明治になって割り箸が商業化された(割り箸の誕生に関しては諸説あるが、300年以上前に誕生しているのは間違いなさそうだ)。

もちろん素の木のままでは、長持ちしない。ほとんど使い捨てだった。我が家では、国産割り箸を、割ってからも一度では捨てず1~2週間は使うが、それによく似た使い方をしていたのではなかろうか。
そこでオイルフィニッシュという選択肢も生まれる。塗料ではなく、オイルを塗り込むことで木の材質感を残しつつ、長持ちさせる。もっともオイルの安全性とかは考慮せねばなるまい。浸透性のポリプレマーという手もあるだろう。

 

ただ、こうした箸が、割り箸に取って代わるかと言えば、あまり可能性はないように思う。営業用に使うのなら、塗り箸と変わらない弱点があるからだ。それに洗って箸立てに入れると、常に同じ2本をセットにできない。客は抜き取るのに抵抗感をもつのではないか、と想像する。

 


塗り箸の真実

2006-05-30 11:33:57 | 木製品・建築

割り箸の本を書く、なんてコメントしてしまったから、ちょっとチェンソーアート大会に関する記事は延期(^o^)。

 

何度も生まれては消えていく割り箸批判(最初は、戦時中だったとか)だが、日本人は箸で食事する。となると、必要な箸はどうするか。安直なのはプラスチック製の箸である。私は悪くないと思うが、環境問題を唱える人には抵抗があるだろう。
そこで塗り箸ということになる。木製の箸に、漆などの塗料を塗ったものだ。ただし安物は、人工的な樹脂塗料だろう。
割り箸を論じる前に、塗り箸について考えてみた。では、マイ箸も含めて塗り箸とはどのようなものか。


まず素材は何だろうか。浮かぶのは黒檀、紫檀、クワ、カエデ、カリン、アオダモ、ヒバ、イイギリ、ナンテン、ホウ、ブナ、サクラ、ウメ…など。ほぼ広葉樹材だ。なお竹も多い。そして面白いのは、それらは外材が多いことである。竹もそうだ。産地は、東南アジア、中国、そしてカナダなど。
日本産なら、ブナやサクラ、ナンテンなどがあるが、いずれも人工林のものではなさそうだ。つまり天然林から材を得ている。クワは、かつて養蚕で植えたものかもしれないが。

 

次に耐久性。塗り箸も、永久に使えるものではない。自宅のものなら何年も使う場合はあるが、食堂などで使う場合は、良心的にすると約1カ月という。塗りが剥げたり傷が目立つようになるからだ。汚れた塗り箸を出したら、客が逃げてしまうことを心配しなくてはならない。

 

そして洗浄に水、洗剤、動力(エネルギー)を使う。何より手間が大幅に増える。
コストアップは間違いない。環境負荷もそれなりにあるだろう。ちなみに生産コスト・エネルギー・環境負荷も、割り箸より大きいはずだ。

 

さて、こうした塗り箸と割り箸を、どのように環境負荷も含めて比較するかが難しい。
単純に食堂で塗り箸を1日2回使うとすると、1カ月で60回使える。本数は割り箸の60分の1になる。木の消費量も60分の1か。
価格は、1本2~5円の割り箸の60倍なら300円までなら釣り合う。でも、この値段なら人工樹脂塗りだろうな。漆塗りの箸なら数千円、万を行く逸品もあるが。

 

数年前、輪島の塗り箸と吉野の割り箸の両メーカー同士の論争があった。その結論は、どちらも守り育てなくてはならない、だったと思う。


木造住宅の建設現場

2006-05-23 10:43:53 | 木製品・建築

我が家のすぐ側で、現在3軒の住宅の建築が進んでいる。それも並びだ。おかげで工事車両などが行き交い、狭い道が大変(加えて下水道工事も進んでいる)なのだが、それでも住宅の建築過程が見学できる。

 

施工は、みなハウスメーカー。それにしても、早い。基礎が終わったら、ほとんど1日で外観が立ち上がった家もある。パネル工法だから、パネルを張り合わせると壁が全部完成するのだ。
一方で、軸組工法で太い梁を入れているのも見かける。もちろん外材だが。接合部はみんなボルト。ほぞ穴や本さねなどなく、運び込まれる木材はみんなプレカット済だ。

 

一応断っておくが、私はパネルとかボルトがダメと思っているわけではない。実はほぞ穴を開けるよりボルトの方が、木材を貫通する穴が小さくて済み、強度が保てるという論もある。パネルも、強度は軸組より強いという声もあった。壁全体で支えるからだ。それに早いというのは、建築費の削減に大きく寄与するだろう。
強度も計算し尽くされ(手抜きなどがない場合)安心できる。

 

しかし、この「早い」というのが曲者で、そのために乾燥材が求められ、プレカットが進み、大工の技量が落ち…という連鎖が起きる。現場の条件に合わせた工夫も求められない。アベレージ高得点の家はできるが、味わい深さとか最高級の家にはならないわけだ。

 

では、どちらを求めるか。庶民としては、味わいより価格かなあ。

 


つまようじ

2006-05-12 00:31:24 | 木製品・建築

割り箸で盛り上がっているので、ほかに子供でも手にできる「身近な木材製品」について考えてみた。

 

まず思いついたのが、つまようじ(笑)。割り箸よりさらに量的には小さいが、これもほとんどが中国製だろう。つまり、割り箸と同じ構図がある。もしかしたら、輸出禁止になって、日本の業界が困るかもしれない。…ちょっと間抜けな感じがするけど。

 

耳掻きは、竹製が多い。これも、中国産が大半を占めると思う。ただし我が町生駒は、茶道の茶筅づくりを行っているので、耳掻きもある。これは日本製の竹を使っている。ま、これはオマケのようなもの。

 

マッチ棒。以前、熱帯に植えられたメルクシマツなどからマッチ棒が作られていたが、それが廃れて、割り箸に切り替えた。すると「割り箸は熱帯林を破壊する」とお馬鹿なことを言い出す団体が現れた。もっとも、今は全滅である。運動の成果ではなく、中国製に駆逐されたから。

 

あとは…鉛筆。これも国産は少ないな。素材はインセンスシダーなど針葉樹材だろうけど、これを国産の木に置き換えることはできないか。もっとも、鉛筆自体の需要が減っている。

 

ちなみに私のパソコンのマウスパッドは木製である。桐の材が使われている。これは福島県三島産。国産でよかった

 

 

結局、身近な木製品となると、小さなものになる。そして子供でも手に入れられるように安く木製品を作ろうとすれば外国産に頼らざるを得なくなる。国産木材につなげることができない。この矛盾。
外材と国産材の差別化は、難しい。


マイ割り箸

2006-05-10 00:58:27 | 木製品・建築

さすがに川上村ネタはちょっと一服。でも、まだまだあるからね(~_~;)。

気になったのは、以下の毎日新聞配信ニュース。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060509-00000019-maip-soci

ようするに、中国の割り箸値上げ、そして輸出禁止予告に対して割り箸を扱う業界が動きだしている状況を紹介している。すでに、このブログでも取り上げたことである。

 

なんとか国産割り箸を増産してほしいと思う。とりあえず考えられるのは、値上げである。国産も値上げして、生産者を潤えば増産につながるからだ。しかし下手すると、ロシア製やベトナム製がシェアを広げるだけになるかもしれない。

そこで国産割り箸を広めるには、どうすればよいか。
実はミクシの某コミュで提案したところ反応がよかったのが、「国産マイ割り箸」を普及させられないか、と思いついた。

外食する際も割り箸を拒否して、マイ箸(塗り箸)を持ち歩く人がいる。しかし、現実問題としてマイ箸は衛生的に問題があるし、塗り箸を洗ったり消毒することの環境負荷だってある。何より面倒である。

 

そこで国産のマイ割り箸を持ち歩こう! と考えた。店で出される割り箸は、ほぼ輸入品である。それを拒否して、自ら用意した国産割り箸を使うのである。
これなら衛生問題などをクリアできる。使った後は、持ち帰っても店に残してもよい。そして輸入割り箸には、森林破壊や防腐剤問題を抱えるが、国産割り箸はむしろ森林を守る側に作用する。そして店側にも、国産品をアピールできる。

 

ただ経済的負担はある。でも、1膳3~4円程度だ。上記記事にあるが、「弁当や外食なども、いずれ消費者がお金を払って割りばしを買う時代がくるのでは」という予測もある。それを先んじるのも悪くないと思うが、いかが。


割り箸輸出禁止!

2006-04-16 00:40:00 | 木製品・建築

写真は、生駒の書店で初めて見かけた拙著なんですが…。
全然関係ない、割り箸の話。オイオイ

 

 コメント欄で少し触れたが、割り箸の輸入が止まりそうだ。ようやく若干詳しい情報を得た。

日経新聞によると、中国政府は、2008年に割り箸の対日輸出を停止する方針を決めたらしい。今後、段階的に輸出を減らしていく。
日本で使われる割り箸の9割以上が中国製。しかし森林の伐採制限で2001年より値上げが続いていたが、そこにロシア材を輸入して作った割り箸が登場して、また安くなった。しかし今度はロシア材も森林資源の枯渇で価格が急騰し、割り箸も値上げが始まった。 そしていよいよ、全面禁輸である。想像以上に動きは早かった。

 

この一連の動き、木炭の輸出禁止の過程とそっくり。
残念ながら、国内の製炭業者は、禁輸になるまで何もせず、結果的に木炭供給に対応できずに自滅した。伸びたのは、おが炭と中国以外の国の木炭。


割り箸輸入業者、そして需要家は、ロシアやベトナム、インドネシアで割り箸を作らせて輸入しようとしている。すでにプラント輸出も始まっているようだ。

 

しかし、国産割り箸業者も同じ動きはしてほしくない。まだ2年ある。やりようによってはビジネスチャンスだ!

ちなみにコメント欄に登場していただいている東京植林こと小柴さんは、間伐材による国産割り箸生産作戦に打って出るそう。楽しみにしています(^o^)。


輸入割り箸の行方

2006-04-07 18:41:43 | 木製品・建築

コメントでも触れたが、中国が割り箸の輸出を禁止する可能性が出てきた。

 

日本の割り箸の90%以上が中国からの輸入品だ。すでに大幅値上げを行って、日本の外食・中食業界は結構困っているようだが、中国国内で、割り箸問題が結構盛り上がっているらしい。

 

考えてみれば、中国の森林率は一割くらいしかなく、相次ぐ災害から天然林の伐採禁止をし、今や世界最大の木材輸入国となっている。それなのに、日本へ木材製品を輸出しているのはヘンと言えばヘン。
もちろん割り箸の材料となるのは、白樺や中国ポプラ、それになどで、そのまま建材になる樹種ではないが、森林資源を減少させる点では同じだろう。そこでロシアからの輸入材を使い出しているそうだ。

 

中国政府は、2年前に森林資源保護を理由に、木炭の輸出禁止を宣言したばかり。日本は大打撃を受けたが、同じことが起きる可能性はある。

ただ木炭の場合と違うのは、木炭はなければないで済ませられる。ガスでも電気でも使えるからだ。しかし、割り箸はそうはいかないだろう。

 

今更外食産業が塗り箸に変える可能性は低い。だいたい塗り箸にしたら、洗浄などに手間とコストとエネルギーがかかるし、塗り箸だって商売用としては1カ月くらいしかもたない。客も嫌がるだろう。
となると、中国以外の国から輸入するか、国産にシフトするしかない。

割り箸は、高級品を除いて、装置産業である。素材があって機械を導入したら、すぐ作れる。ここに国産品が割り込む力があるか?

要注目である。

 


紀州檜のシロフォン

2006-03-25 23:45:47 | 木製品・建築

表題を読んで、すぐに意味がわかった人はすごい。

今日は、泉佐野のりんくうタウンにあるイオンショッピングセンターに行ってきた。
ここで紀州の農林物関係の展示会が開かれており、チェンソーアーティストの城所さんらに会ってきたのだが、その会場にあったのがコレ。(写真)
その名の通り、紀州檜で作られており、シロフォンというものだ。

構造はいたって簡単、八角形の台座に薄いヒノキの板を張り合わせたもの。小物入れにしたりインテリアにもなるということだが、本来は楽器なのだ。
よく見れば、中に木の玉が入っている。これを転がすと、なんとも不思議な音が響く。それこそアニメ「もののけ姫」に出てきた木霊の声のようなカランコロン。転がし方で音も変わる。

心地よい音に聞きほれて、購入してしまった。
完成品は1500円、キットが1000円なのに対して、現場でシロフォンづくりをすると、なんと300円! 手作り体験させるための値段設定か。
もちろん、その場で作ることにした。接着剤も提供されるし、作る手間は5分とかからない。持ち帰りの紙袋までもらった。

キット部品は木っ端から作れるものだが、手作りのためか、値段としては少々お高いが、魅力ある商品だと思う。観光客の来る店なら、いいお土産になるだろう。

なんでも女性建築士の提案で作られたものだという。こうした商品開発を、もっと進めてほしい。


郡山市のグリーン調達

2006-03-13 17:13:38 | 木製品・建築

3月3日の本欄で、「政府のグリーン調達」について紹介した。
住友林業のSGEC取得の目的を探る中で、政府の調達物資から違法伐採された木材を追放する動きにつなげたのだが、その続報ともいうべき動き。

福島県郡山市が、使用する紙や木材を適切なものにしていくことで、森林を守る取組みを始めたのだ。
具体的には、平成18年3月に策定した「平成18年度郡山市環境物品等の調達方針」の中に、紙や文具、機器など木材を原料とする製品の購入に際して“原料となる原木は合法性・持続可能性が確認されたものであること” を調達基準に盛り込んだのである。ここで確認する方法としては、森林認証制度を頭に描いているのは、ほぼ間違いないと思う。

基本的には政府調達と同じ。早くも追随する自治体が現れたわけで、今後は民間企業にも広がりるだろう。これまで森林認証制度に対して懐疑的な目もなくはなかったが、こうなると木材の売買の前段階、パスポートみたいもものになる。とりあえず森林認証取っていなかったら、売れないやん、みたいになる。

山主、流通加工業者も、心して準備した方がよいと思うよ。

 


木材のグリーン調達

2006-03-03 16:06:55 | 木製品・建築

これまで幾度となく触れてきたが、この4月より政府調達の木材関連品は、みんな違法伐採でないことが証明されたものに限られる。いわゆるグリーン調達だ。

これは世界的な流れになっていて、森林の違法伐採の取り締まりが強化されつつある。そして各国政府も自ら範を示す意味もあって、公共事業に怪しげな木材は使えなくある。これは紙も含む。
たしかに、いくら森林危機を訴えて伐採禁止措置を強化しても、ロシアや熱帯地域などの違法伐採は減少する気配すら感じられなかった。それを消費者の方から締めつけようというのは結構な展開だ。今後は大手ハウスメーカーなどにも広がるかもしれない。

これで北洋材・南洋材の輸入量が減って、国産材の需要が高まればと期待する向きも日本にはある。たしかに日本の場合、仮に伐採後の再造林もせずに放置する場合でも、違法とは言えない。だから、このグリーン調達に排除される心配はほとんどないはずだ。
しかし、もう少し考えていただきたい。国産材は安閑とはしていられない。下手すると、国産材が壊滅するターニングポイントにさえなりかねない。

なぜなら、「違法伐採でない木材」とは、それを何らかの手段で証明する必要がある。国産材ならみんな合法的ですよ、と口で言えば済むのではないのだ。産地やその後の流通などを明示しなくてはならない。

どうして証明するのだ?
国産材で、そんな証明のできる手段はあるのか?
証明できない木材は、違法伐採の可能性もある木材、である。
つまり違法木材と同じ扱いで、政府は使うことができない。追随する民間会社も同じ判断をしたら、国産材は使わないと宣言するようなものだ。
幸い、外材には産地証明・合法証明できる木材はいくらでもある(本物かどうかは別にして)。

日本国内で産地認証する制度は各地にいくつかあるが、ある程度の規模で行えるのはFSCやSGECの森林認証制度だろう。

ここで住友林業の選択とつながるのではないか、というのが私の推測なのである。

もちろん、ほかにも環境に優しい企業というイメージを打ち出すのにも都合がいいし、複合的な判断だろうが、ほかの林業関係団体もぼやぼやしていると知らないよ。