人生いろは坂

人生は山あり谷あり、そんなしんどい人生だから面白い。あの坂を登りきったら新しい景色が見えてくる。

安倍首相退陣

2007-09-13 16:44:57 | Weblog
 個人的には気の毒だと思えなくもないが、一国の総理である。その
総理が敵前逃亡そのままに退陣をしたとなると、「気の毒」だでは
済まされない。

 これが生死をかけた戦場だったらどうだろう。多くの将校や兵士は
どうなるのだろうか。敵の前に烏合の衆として置き去りにされたと
同じことではないだろうか。

 この際、感情に流されることなく冷静に考えてみたい。また、安倍
さんを、ここまで追いつめた自民党や自民党議員に何の責任もないと
言えるのだろうか。
 首相就任時は人気の高かった安倍さんだが、月日を追う毎に支持率
は低下した。その原因の一つは要職に就いた大臣達の不祥事であった。
そして、更に追い打ちをかけたのが年金問題であった。
 これら全ては驕りきった自民党の長期政権の弊害によるものであった。
「驕る平氏や久しからず」とは平家物語の中に出てくる言葉であるが、
権力を握ったものが同じ場に居続けると、ろくな事はない。

 先日、ある若い女性と話していると、その女性の両親は保守的な人で
「今の自民党なら、まず間違いはないだろう」と自民党議員に一票を
投じ続けてきたそうである。「寄らば大樹の陰」という考えだった
のではないだろうか。
 恐らく、この女性の両親に限らず、多くの日本人がこのような考えに
近く、この考えが自民党に長期政権を与えてきた最大の理由ではない
だろうか。そう考えると、今日の状況を作りだしたのは自民党ではなく、
私達有権者だったと言うことになる。

 話は変わるが、国政調査権というのがあるそうだ。今までの野党には、
この調査権がなかなか行使できなかったようだ。それだけ官僚の壁は
厚いと言う他はない。
 今日の経済問題や社会問題に関する様々な問題を作りだしてきたのは、
改革を嫌う官僚達(国、地方を問わず公務員)であった。官僚という
ものは、この日本に限らず他国に於いても多くの問題を生じている。
 あたかも政治の責任の全ては政治家にあるというような顔をして、
その実は後から糸を引いていたと言うことも少なくない。
 そのためか国会議員が質問状を作るための資料提供を依頼しても
野党議員には容易に応じてこなかった。

 自衛隊はテロ対策特措法に基づいてインド洋上に於いてアメリカ艦船
に給油活動を続けている。このテロ対策特措法の継続か否かが今国会の
争点の一つになっている。
 問題なのは、アフガニスタンなどのテロ対策と称して、実はイラク
戦争の艦船に給油されているらしいのだ。国民の税金がテロ対策と
称してアメリカの軍事支援に使われているとしたら大きな問題である。
 実は、そう言った事実関係を確認することすら政府自民党は拒んで
きた。野党に対して資料提出に応じて来なかったのだ。参議院選で
民主党が多数を占めたからこそ、堂々と提出要求が出来るようになった
のである。

 さて、今国会はテロ対策特措法だけではない。安倍首相が掲げてきた
「美しい国」の前に正すべき問題が山積している事である。多くの人が
過激な小泉改革によって勝ち組と負け組に分断されてしまった。
 多くの社会的弱者が格差社会に泣いている。金持ちは益々金持ちに
なり、貧乏人は益々貧乏人になっていく。これで「美しい国」と言える
のだろうか。
 日本の将来を担って立つ若者達の就職一つにしても、きちんとした
指導が出来ないような政府に何が出来るというのだろうか。理想だけ
では飯は食えない。理想と現実が、しっかりスクラムを組むように
するのが政治の力である。
 理想を語る前に今は、妙にねじれてしまった、この現実を少しでも
まともな姿に修正すべき時ではないだろうか。

 今や自民党に任せておけば安心だという神話が崩れつつある。徳川
幕府は安泰だと思われていたが、幕末には外観はともかく中は完全に
腐りきっていた。今の自民党がそうであろう。神話が崩れたときこそ、
新しい風を吹き込むべき時である。
 小泉チルドレンなる人達も「一時のあだ花」にならぬよう、自分の
将来ではなく、一人の政治家として、これからの日本をどうしていく
のか真剣に考えるべき時ではないだろうか。そうしなければ、あなた
達の将来はないかも知れない。
 ともかく、小泉劇場から始まった自民党の独り舞台は終わったように
思われる。毎回、同じ顔ぶれの芝居では面白くない。
コメント
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