人生いろは坂

人生は山あり谷あり、そんなしんどい人生だから面白い。あの坂を登りきったら新しい景色が見えてくる。

帆船時代の再来を夢見た感傷旅

2019-09-13 05:08:54 | Weblog
 私は今年の夏、家内と一緒に8月4日~8月23日まで船旅をしていました。
今回の船旅は15年前の地球一周の船旅と異なり日本一周の旅でした。私たち夫婦に
とって15年前の旅が実に思い出深い旅だったので、いつかはもう一度実現したいと
考えていました。旅行会社に申し込んで2年越しに実現した船旅でした。

 2019年8月4日に大阪港を出発し、8月23日に神戸港へ帰って来るという
約20日間の旅でした。

 私にとって今回の船旅は多少思い入れのあるものでした。それは北前船の寄港地を
海から訪ねてみることでした。そして下津井の回船問屋「高松屋」が自ら船を建造し、
カムチャッカ半島まで鮭など海産物を買い付けに行った軌跡を、ほんの少しでも
たどることが出来ればという思いがありました。

 立ち寄った港は日本国内の幾つかの港の他、外国の港としては韓国の釜山とロシアの
ウラジオストックでした。

 釜山訪問では日韓の政治的な問題から不測の事態でも起こりはしまいかと気になって
いましたが、街を歩いていても何ら違和感はなく懸念するようなことはありませんでした。

 一方、ロシアのウラジオストックは近代的な建物と古めかしい建物が混在する街でした。
そしてヨーロッパを思わせるような異国情緒が漂い、旅情をかき立てられるような街でした。

 ロシアにとって極東開発の拠点となる街として、大きな変貌を遂げつつあるように
見えました。

 通りに面してはレトロな建物が建ち並び、一方では巨大で近代的な建物が次々に
建設されていました。

 釜山にせよ、ウラジオストックにせよ急ピッチで近代化が進み、その経済力も
決して侮ることは出来ないと感じました。やはりこれからは、これら近隣諸国と
仲良くしていくことが、結局、日本の利益に繋がるのではないかと強く感じました。

 北海道に戻り最初に立ち寄ったのが小樽でした。小樽は今までにも何度か来た
こともある街でしたが、海から入ってくると言う経験は初めてでした。

 北前船が盛んに出入りした頃は、今とは比べるべくもない古い時代のことですから
今とは景観も大きく異なっていたとは思いますが、北前船もこうして海から港に
入ってきたのかと思うと感慨無量なものがありました。

 ともあれ往時を偲ぶ私のささやかな感傷の旅は終わりました。海はそのものは
今も昔も変わりません。そして船は大量輸送には適した運搬方法です。道路を作る
必要もありませんし、道路や橋のようにメンテナンスも必要ありません。

 こんなに素晴らしい輸送手段を過去のものにしてしまうのは、とてももったいない
ような気がしました。

 かつての北前船のように海を滑るように走行する帆船は、実に理にかなった省エネ型の
輸送手段だと思います。これからは近代的な装備を持った帆船が行き来する日を
夢見つつ私の旅は終わりました。

 写真はウラジオストックで撮影したものです。港での歓迎式典その他の写真です。

コメント
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