ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

久し振りの単独山行! ヨモギ尾根から七ツ石山 2/2 ――― 雌鹿と小熊

2015年07月10日 | ハイキング/奥多摩

2015/6/25  少し休憩すると、ほとんど15時になりました。16:31のバスには絶対に間に合いませんが、18:38のバスにはのんびりと歩いても余裕で間に合います。気分的には実に楽な感じで下山開始です。


▲ヘリポートがありました。14:58ころ。


▲黒雲が空を覆っていますけれど、雨を降らせるような雲ではなさそうです。薄っすらと青空が見える空間もあります。写真の左の山が七ツ石山1757.3m。これから登ります。15:01ころ。


▲マルバダケブキの群落が広がっていました。昔の石尾根は幾種類もの花が咲く、花の尾根でしたが、今ではほとんど花が咲いていません。咲いている花の種類も限られています。そのひとつがこのマルバダケブキ。綺麗な花が咲きますが、こればかりというのは問題ですよね。マルバダケブキには毒があり、シカが食べません。それで、増えてきたという訳です。15:11ころ。


▲途中、ヤマツツジが咲いていました。これを見て、誘惑にかられました。七ツ石山の先にある千本ツツジまで行ってみたいと思ったのです。なかなか、千本ツツジでのツツジの盛りを見ることが出来ていませんから。
千本ツツジを回っても、多分バスの時間には間に合うでしょうけれど、登山としては遅い時間であることには違いありません。無理をせずに予定通り歩くことにしました。15:17ころ。

ブナ坂に着くと、びっくり! シカと目が合ったのです! 互いにいる位置の関係で、直前までお互いの姿に気づくことなく、10mくらい接近した位置で突然目が合ってしまったのです。
メスのシカです。緊張した表情でくりくりした大きな黒目を僕に向けて瞬きもせずに凝視しています。僕も目をそらさずにじっとしていました。そして、そおっとカメラを取り出そうとゆっくりと手を動かしました。すると、僕の手の動きを追って、シカの目がわずかに動くや、体をシカの右方向へ動かし、山の下方へ降りて行ってしまいました。僕もすぐにシカの後ろを追いましたが、すでにシカの姿は消えていました。


▲七ツ石山山頂です。今日は山頂からの眺めは霞んでいますから、すぐに下山開始です。15:34ころ。


▲七ツ石神社です。15:42ころ。

七ツ石神社にはいろいろな謂れがあるみたいです。まずは宮内敏雄著『奥多摩』からの引用です。
「山名由来は絶巓より僅か東に降った斜面に、恰度将棋の駒のように順々に併立した古生層の七箇ほどの巨岩に拠るもので、その基部に七ツ石明神が祭られてあるが、元は石そのものが御神体だったのに相違あるまい。七ツ石明神は俚伝平親王将門を祀ると謂い、七ツ石は将門の七人武者に関する面白い話もある」
上記の七人武者が岩に化した話やここで賭博が行われていたなどの興味深い話もあります。漫画家の とよた時 さんのよくまとめられた文章と面白い絵とがありますからそちらを参考にしてください。 http://toki.moo.jp/gaten/401-450/gate446/gate446.html


▲七ツ石小屋の水場が出て来ました。とっても冷たくて美味しい水でした。個人的にはさっきの奥多摩小屋の水場の水よりも美味しく感じましたね。15:53ころ。


▲七ツ石小屋です。この小屋は素泊まりだけのようですね。素泊まりで4000円です。いつか泊まってみたい小屋ですね。15:57ころ。


▲登り尾根沿いの登山道に入っています。ここは片倉谷遡行後上がってくる山道の出口にあたります。看板が立っていて、「通行止め 登山道では有りません」と書いてあります。16:36ころ。


▲堂所(どうどこ)だと思います。16:45ころ。
これも宮内敏雄氏の本から引用しましょう。
「中間の尾根筋の平に堂所の小名がある。昔はお籠の小屋でもあったのかと惟われるが、七ツ石様の祭日のときは此処で丁半があったなぞの譚もある」


▲山を下るにつれ植林が増えて来ました。ここの杉ですが、何か奇妙ですよね? そう、枝払いをしていないんです。間伐はしているようですから、意図的に枝打ちしていないのかもしれません。ただ放置しているだけかもしれませんが。16:46ころ。

登山道を歩いていると、道の脇で若者二人が休憩しているようでした。僕の前を歩く単独の登山者に何やら話しかけています。バスの時間でも聞いているのかな? と思いながら、僕も通りかかります。すると、
「さっき200mほど下の登山道で小熊を見たんですよ。怖いんで、僕たちここで待ってるんです」
と言います。でも、僕の前の登山者はそのまま進んでしまっています。
「他に行っちゃった人はいるの?」と聞くと、もう少し前に二人の登山者も下山して行ったそうです。小熊を発見してから時間もそれなりに経っているようですし、先行者も大丈夫だったようです。
「そうですか。じゃあ僕は注意しながら進みますね」と言って、左右の山の斜面に注意を払いながら、口笛を鳴らしたり、歌を歌ったりしながら歩きました。

小熊のそばには必ず母熊がいるはずです。母熊は小熊に危害が加えられないか、ピリピリと神経を昂らせていますから、危険な存在です。山野井氏がクマに襲われたのも、山道をジョギング中に偶然、小熊と母熊の間に位置してしまったからです。


▲その後すぐに、あの若者二人も下山を始めました。写真に写っているのがその二人。16:52ころ。


▲標高1150mのちょっと平らになった場所に、このような掲示がありました。以前はなかったものです。鴨沢バス停までは1時間5分となっていますから、まだまだ余裕ですね。さらにゆっくり歩くことにします。17:04ころ。


▲フタリシズカの群生。このあたりは他にもたくさん群生していました。17:18ころ。


▲登山道沿いに廃屋が現われ始めます。誰が何のためにお賽銭を置いて行くんでしょうね? 17:44ころ。


▲隣りには「大山祇神(おおやまつみ)」が祀られていました。伊弉諾尊(いざなぎ)と伊弉冉尊(いざなみ)との子で、山屋にとっては山の神様ですよね? ほとんど気にしていなくて、神様には申し訳ないのですが。お賽銭の中には100円玉も多く、ますますどういう気持ちで置いて行くんだろうと、考えてしまいます。17:44ころ。


▲昔の畑の跡です。17:49ころ。


▲人が住んでいたころは立派な屋敷だったんだろうなぁと、感じさせる廃屋でした。17:50ころ。


▲ヤマゴボウです。実が大きくなっていてもその房は垂れて来ません。17:55ころ。


▲暗くて写真はぶれていますが、僕の好きな花のひとつ。トリアシショウマだと思います。17:57ころ。


▲林道に飛び出ました。18:04ころ。

超ゆっくり下山してきましたけれど、堂所からのコースタイムとちょうど同じ時間でした。


▲鴨沢の集落と奥多摩湖が近づいてきました。18:26ころ。


▲鴨沢バス停です。バスの時間の10分前くらいの到着です。18:29ころ。

今日は天益には寄りませんでした。最初から夕食は家で食べることにしていましたから。でも、これほど遅くなるとは思っていませんでしたから、ずいぶん遅い時間の夕食になってしまいました。

それにしても、登山の脚力、とりわけ登りでの脚力が衰えていると分かりショックです。もっと自分のペースで長い時間歩く必要性を強く感じた今日の山行でした。

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