ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

久し振りの後山川片倉谷はひどく長く感じてしまいました

2014年10月01日 | 沢登り/多摩川・丹波川本流

丹波川支流の後山川片倉谷は初級の沢としては手頃な沢ですから、これまでにも数回は入渓しています。2010年にはU田君とI泉さんと、2004年にはS子と二人で来ています。
今回はこのブログを通じて知り合ったY山さんと初めての沢登り。かなりの登山経験と実力のある方のようですから、あまり易し過ぎても失礼ですし、かと言って、実際の実力は一緒に歩いてみないことには分かりませんから、沢の選択は難しいところ。
片倉谷はまあまあ妥当なところでしょうね。

2014/9/13  電車の中でY根君と合流。彼が参加してくれ、本当に助かります。
Y山さんとは奥多摩駅前で初顔合わせ。お互いすぐに分かりました。

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▲鴨沢西行きのバスに乗り、終点下車。9:10ころ。

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▲お祭バス停まで車道を歩きます。写真は後山川林道の入り口。9:27ころ。

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▲片倉谷出合付近には車がたくさん停まっていました。この先に車止めのゲートがあるので、路幅の広いこの辺りに停めているのでしょう。9:56ころ。

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▲沢装備を身につけたり、朝食を食べたりしてからスタートです。先頭はY根君、次にY山さん。僕はラストでのんびりです。10:21ころ。

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▲ワサビ田跡や堰堤なども現われます。如何にも典型的な奥多摩の沢。森の中を流れる沢床にも光が入って来ています。10:45ころ。

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▲作業服を着た方々が沢沿いの山道を降りて来られました。何やら僕たちに伝えたいことがあるようです。近づいて聞くと、「400mほど先が危ないから・・・・」と、具体的にはよく分かりませんが、あまり奥には入って欲しくないような雰囲気です。「気を付けて行きますから」と、一応、敬意を払い、せっかくの山道ですし、沢沿いもこの辺りは平凡な沢歩きでしたから、この道に上がって歩くことに。10:49ころ。

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▲ちょっと先に行くと、工事現場っぽい材木が置かれていました。10:54ころ。

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▲僕の考えではここで沢を横切る木の橋を架けるのだと思います。10:56ころ。
でも、ここは注意するほどの場所ではありませんね。

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▲ゴヘイクボ出合でしょうか。11:01ころ。

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▲F1の10mです。今日は平水よりは水が多いようです。あまり水に濡れる気分でもなかったので、右の壁を巻き気味に登ることにします。11:08ころ。

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▲8ミリ×30mザイルを使って、Y根君がリード。途中、灌木でプロテクションをとりますが、上部の核心部ではピンがないようです。岩角を利用して、プロテクションを作ろうとしているようですが、すぐに外れてしまいます。結局、ノーピンで核心の回り込みをこなし、木の根っこで確保。
二番手でY山さんが簡単に越えて行き、三番手の僕は中間部まで付いて上がって待っています。11:21ころ。
左下へ降りるのも嫌らしい箇所ですから、Y山さんは確保された状態で降ります。
続いて僕ですが、回り込む箇所が確かに嫌らしい! 体重をかけ過ぎたせいでしょう。ボロボロの岩が取れそうでした。

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▲中央の出っ張った岩の基部を右から左へ回り込むところが核心部です。回り込んですぐのあたりの岩がボロボロ。左上の木の根がビレイ点です。11:27ころ。

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▲右下の木でトップを確保し、左上の根でトップが確保。11:29ころ。

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▲こんな小滝が続くのが僕は大好きですね。11:31ころ。

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▲左岸高く見えていた山道が、沢に近づいて来て、この木橋で右岸に渡りました。11:36ころ。

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▲水と岩、光と影が次々と沢の景色を形作っていきます。
Y根君はほぼ全ての小滝を直登し続け、Y山さんは巻きを選択。僕はと言えば、気分次第。でも、基本楽そうな方を選びます。12:03ころ。

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▲今年の奥多摩の沢はどこへ行っても倒木だらけ。Y山さんは「今年の大雪のせい」と言います。確かにそうですね。12:06ころ。

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▲この小滝をどうやって越えて行こうかと、考え、探り、決断する、この一瞬一瞬が楽しいのです。12:14ころ。

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▲水量が少ないと、この写真で水が流れているところをトコトコと歩いて行けるのでしょうけれど、左上からバシャバシャと水が降りかかりますから、全身びしょ濡れは免れません。
右の岩をへつって、今Y根君がいる場所へ降ります。僕もそうしましたが、Y山さんはさらにその上を巻きました。12:22ころ。

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▲僕が参考にしたルート図は『奥多摩・大菩薩・高尾の谷123ルート』ですが、けっこうザックリとした作図で滝の特徴の表現がありませんから、ルート図と照らし合わせての位置確認がほとんど出来ませんでした。
写真の場所も「そろそろここが二俣かなぁ?」と希望的観測だったのでしたが、水量は右が圧倒的に多いのです。後から考えると、ここは1:3の支流だったのでしょう。そこだとしても、出合にかける滝の表現がありませんから、ルート図が分かりにくいのです。12:51ころ。

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▲出合の滝を登ります。初心者がいると、ザイルを出す滝ですね。13:02ころ。

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▲また倒木帯です。沢の側壁も崩れています。13:16ころ。

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▲先ほどの分岐が二俣だろうと思っていましたから、なかなか大滝が出現しないので、そろそろ間違いに気付き始めています。13:22ころ。

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▲大滝は現われませんが、なかなかの滝が連続して綺麗です。13:28ころ。

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▲沢のすぐ横の斜面に嫌なものが見えました。いろいろ悪い想像をしてしまいます。13:32ころ。

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▲グラナイトギアのシルコンプレッサーSです。中身までは確認しませんでしたけれど、シュラフでも入っているのではと思います。

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▲右からサーマレストのエアマット、真ん中もエアマット、左にチェーンアイゼンが見えます。

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▲ノースフェースとモンベルのレインウェアですね。

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▲ザックのようです。

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▲サーマレストのエアマット。13:36ころ。

周辺だけは探してみましたが、ヤバいものは見つかりませんでした。ホッ・・・・
でも、これだけのものがここにある理由があるはずです。
身元を証明するようなものがないか探してみましたが、それもありません。そのことも不思議ではありますね。

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▲写真の右には太い根っこ、中央下には細い根がたくさん伸びています。水は吸い放題! 13:38ころ。

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▲すでに上流部ですが、気持ちのよい小滝が続きました。このナメ滝もなかなかです。14:18ころ。

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▲F2大滝20mです。直登困難。14:25ころ。

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▲大滝を右岸から高巻きました。14:31ころ。

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▲けっこう高くまで高巻きます。大滝の落ち口の高さはとっくに超えています。14:38ころ。
普通なら、落ち口方向を目指して高巻くものですが、僕はこの斜面の上に立派な山道が通っていることを知っていますから、真上に登って行きました。参考にしたガイド本には「慎重に落ち口に回り込む」となっています。

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▲山道に到着すると、その山道を辿って片倉谷を横切る木橋まではすぐです。14:42ころ。

いつもそうなのですが、時間があればさらに上流まで遡上したいと思っているのです。しかし、18:38のバスで帰るのでは遅すぎますから、どうしてもそのひとつ前の16:48のバスに乗ることになってしまいます。鴨沢までは1時間30分~2時間かかりますから、ここで遡行は打ち切り。

木橋を渡り、右へ続く山道を山腹をトラバースするように進めば、登山道に合流するのです。

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▲登山道へ出て来ました。右の立札に「通行止 登山道では有りません」と書いてありますが、そこから上がって来たわけです。15:01ころ。

僕の下山は基本的にはゆっくりのんびりです。膝を痛めているせいもあり、登りより数段膝に負担がかかる下りには注意を払っているのです。
Y山さんが「自分は遅いから」と、数分先に出発しました。
すぐに追い付くのだろうと思って、普通に下り始めましたが、影も形も捉えることができません。ちょっと本気になって、スピードをアップ。それでもなかなか後ろ姿が見えて来ません。Y根君と「Y山さんすごく速いね」と言い合いながら、休まず下ります。林道手前の廃屋が見え始めるあたりで、やっと後ろ姿を見ることができました。安定したピッチ歩行で、速い! 速い! 
追いつくと、僕たちに対して「やっぱり速いですね」と言うのですが、違います。Y山さんが速いのです。(断言)
バスの時間まではまだまだずいぶん余裕がありましたから、「もうゆっくり行っても大丈夫ですね」と言っていたのに、やっぱり、速いのです。
途中で今年初めて見たヤマジノホトトギスを写真に撮ろうと思ったその直後に、僕の足はY山さんを追いかけてヤマジノホトトギスの可憐な花の横を猛スピードで通り過ぎてしまいました。

結局、バス停までは1時間15分くらいで到着しました。30分くらい待たなければなりません。

・・・・・・・・そんな未練があったからなのでしょう。6日後にS子と行った山では花の写真ばかり撮っていましたね。

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▲今年の7月にオープンしたという丹波山村の「東部ふれあい館」。定食や飲料、村産のキュウリや刺し身こんにゃくを食べられるそうです。近いうちに立ち寄ってみたいですね。16:19ころ。

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▲中央にバス停とその待合室、白っぽい建物はトイレです。16:20ころ。

奥多摩駅前の天益では久し振りの座敷でした。もっと久し振りだったのはマーフィーと遊べたこと。

今回の沢登りは初対面のY山さんと初山行だったことが何よりの収穫&事件でした。沢の中でもしっかり歩き、しっかり登り、しっかりとルートファインディングする、立派な沢屋さんでした。
今後も僕程度の力量の人間と同行していただけるのでしたら、ご一緒してもらいたいものと思っています。


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1 コメント

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お世話になりました。 (Y山)
2014-10-03 10:15:13
お世話になりました。
登りはバテバテでした、下りはバスに間に合う様に飛ばしたんです(笑)
又宜しくお願いします。

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