ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

日和田での岩トレ―――T口さんが一日で10本のルートをリードし、4級+もリード成功させました!

2016年12月09日 | 岩登りトレーニング

2016/12/6  T口さんと二人で平日の日和田へ岩トレへ出かけて来ました。
平日ですから、岩場は空っぽかもと期待に胸を膨らませていたのですが、けっこうたくさん人がいました。元気な中高年(まあ、僕もそうですけれど)がいっぱいです。

T口さん自身はどのような練習メニューを考えていたのかは聞きませんでしたが、僕の方から一方的に決めさせていただきました。それは出来るだけ数多くリードをしてもらう、というメニューです。

岩トレで達成すべき最低限の目標は「4級+のオンサイト能力獲得」だと僕は考えています。ザイルワークはその能力と経験に応じて自然と身に付くものと思います。

さあ~て、と言うわけで今日の目標は「最低8本、出来れば10本のルートをリード」というもの。

【1本目】3級


▲まずは男岩南面の右側を登りました。9:44ころ。

3級などというグレードは一般的な評価に準じますが、記されていないルートもありますし、明らかに間違っている(評価が甘すぎる、つまり、高グレード評価になっている)場合もけっこうあります。そんな場合は僕自身の評価をしています。


▲そのまま上へ抜けるのかと思っていたら、右へと回り込んで抜けるT口さん。9:48ころ。

今日は数多くT口さんにリードしてもらいたいと思っていますから、懸垂下降では降りません。アンザイレン(ザイルを結び合ったまま)した状態で、横の山道を歩いて下ります。

【2本目】4級


▲男岩のさらに右に付随するようにある岩場があります。通常は上のオレンジ色の線の右側を3本の木の場所まで登るのですが、そうではなくへっこんだ場所からスタートします。3本の木の手前から左の凹角を登るのです。10:19ころ。


▲へっこんだ場所から上へ戻るあたりが、このルートの核心部。10:21ころ。


▲3本の木の手前から左へ凹角を登ります。この写真の直後からT口さんの姿は凹角へ入りこみ見えなくなります。10:24ころ。

【3本目】4級


▲3本目は男岩南面の左端。最初のフェースがちょっと難しい。10:46ころ。


▲本当はもっと中間部分でも左端を登って欲しかったですね。最上部を登るT口さん。10:54ころ。

【4本目】4級+


▲4本目は男岩南面右の三段フェースルート。僕の個人的かもしれない限定を加えています。それは右のカンテをホールドとして使わないこと。そんなルールのもとではひょっとしたら5級-である可能性もあります。11:17ころ。


▲一段目のフェース乗っ越しがこのルート最大の核心部。11:20ころ。

一段目はかなり手こずったり、三段目ではいったん理由があって右のカンテの場所に移ってからフェースに移ったので、核心のホールドが楽に捉えることが出来ました。まあ、訳ありですけれどもリード出来たことには相違ありません。凄いです!

【5本目】4級


▲僕もこのルートは登ったことがありませんでした。写真でちょうどT口さんがいる辺りが細かいホールド、スタンスしかないフェースなのです。ここも4級はあるように感じました。11:56ころ。


▲最後は幅広のクラックを抜けます。ここも4級のムーブなのですが、もう数え切れないほど登っていますから、僕はもう3級くらいにしか感じなくなっています。12:00ころ。

ここでお昼休憩。午前中に5本登ることが出来ました。いいペースです。

【6本目】4級


▲4本目で登った三段フェースルートの際、掴んではいけないと限定したカンテ、そのカンテを存分に使ってカンテ沿いに登るルート。思いのほかバランスが嫌らしい。カンテ登りによくあることですが、体がドアスイングするんですよね。でも、T口さん、そんなこともなく簡単そうに登ってしまいました。13:01ころ。


▲カンテ最上部は簡単です。青空が綺麗ですね。13:04ころ。

今日は天気予報通り、11時ころから冷たい西風が吹き始め、急に寒くなりました。でも、このころは風が止みましたから、わりと暖かです。

【7本目】4級+


▲男岩西面の左側にあるクラックルートです。以前、T口さんは一回だけフォロウしたことがあります。その時は思いのほか楽にフォロウしていました。でも、今日はリードです。まだ今日のリードは無理かなぁ、と思っていましたが、とにかくチャレンジが大切です。
下部も4級+の核心部です。ちょっと苦労はしましたが、抜けました。写真はその際のもの。13:30ころ。


▲上部の核心部直前です。T口さんの左にある横に倒れたV字のクラックに入って抜けるのが、このルート。ここも4級+のムーブです。普通はクラックの奥にあるホールドを右手を捻るようにして突っ込んで、レイバックで登るのですが、T口さんは頭上のホールドを掴んで登りましたね。
初リードで登ってしまいましたから立派なものです。ちなみにK藤さんもリードしています。13:38ころ。


▲毎回、僕がフォロウしているのですが、T口さんが確保している場所をそのまま通過して、僕は安全な場所まで来ます。そこで撮ったT口さんの姿。だんだんカッコよく見えて来ます。13:51ころ。

【8本目】4級+


▲男岩西面の右端の、ほんの少し前傾しているフェースを次のターゲットに。いまT口さんが登っているルートより1mほど左なら4級くらいだと思うのですが、彼が登ったルートは少し嫌らしいですね。14:01ころ。


▲この写真の上の端あたりにテラス(松の木テラスとも呼ぶようです)があります。彼にはそこでピッチを切ってもらいました。その先はフォロウした僕が続けてリードして行きます。つまり、マルチピッチクライミングを経験してもらったということですね。14:06ころ。


▲2ピッチ目をフォロウしてくるT口さん。ここはもう岩場の上ですから歩いています。14:26ころ。

【9本目】4級

女岩西面の左端にあるチムニールートを登りました。
写真は撮り忘れました。

【10本目】4級~4級+


▲女岩南面のコーナークラックルート5級の左のフェースを登ってみました。細かいホールドです。14:55ころ。

【11本目】5級+、5.7


▲最後に男岩西面のアンダークーリングルートに挑戦しました。登れなくて当り前のルートです。チャレンジする気持ちがすごいですね。案の定、何度も何度も墜落します。まあ、墜落しても1本目のプロテクションより上へは登っていませんから、ぶら下がるような感じで止まります。15:14ころ。


▲何とか核心のアンダーホールドを掴むまでは行きました。でも、ここから足を上へ運ぶことが出来ません。ここでも何度も何度も墜落して、ついには断念。15:20ころ。

この後、僕がリードを代わりました。僕も左腕が相当に疲労していたようで、アンダーホールドを掴んでも耐えられずに、2度3度、墜落しました。左腕の疲労も原因のひとつですが、右足のスタンスが決まっていないのも理由でしたから、そのスタンスを探して、見つけました! 小さなスタンスですが、決まります。そのスタンスを使って、さらに上へ足を運ぶことができ、リード成功。ひと安心です。

僕が上で確保態勢に入り、T口さんのフォロウを待ちますが、結局、フォロウ出来ずにT口さんは断念。まあ、今日のトレーニングで腕がパンプしていたのでしょうね。
このルートですが、ガイドブック等には日本のRCCⅡでは5級+、アメリカのデシマルでは5.7となっています。でも、僕には5級、5.6くらいに感じますね。
最後に僕が懸垂下降して降りて、今日のトレーニングは終了です。16時少し前だったでしょうか。

T口さんは今日の目標通り、MAX10本をリードしました。大したものだと思います。これからはさらに上を目指してください。とりあえずは4級+のオンサイト能力を確実なものにすることですね。


▲高麗川にはたくさんのカルガモが浮かんでいました。16:23ころ。

いつもの『しょうへい』は17時からしか開きませんから、飯能へ行くことにしました。いつもの大衆的な居酒屋さん『鳥千』(千鳥なのかなぁとも思いますが)へ。でも、閉まっていました。結局、駅ビル内のチェーンの居酒屋さんへ。
岩トレのこと、雪山のこと、今後のYYDのこと、ネパールのことなど、いろいろと話題も尽きず楽しいひと時を過ごしました。


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