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ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

雪山歩きのトレーニングを奥多摩で・・・・ 鋸尾根から御前山へ

2013年03月01日 | 雪山/奥多摩

2013/2/24  僕とS子は大菩薩南部も歩いて来たので、ほぼ雪山歩きのトレーニングは出来たかな、と感じています。でも、K嶋さんは少し歩き足りていません。ということもありますし、時にはごく普通の一般登山道を歩くこともいいものですから、普通のコースを計画しました。

久し振りに奥多摩駅8:28着のいつもの電車。交番の前を通りかかると、Kさんがいます。軽く会釈し挨拶すると、「今日はどこへ行くの?」と聞かれます。「鋸尾根から御前山です」と答えます。すると、この会話だけで僕の心の中には安心感が広がって来るのです。
僕は山行届けを所属山岳会と親族に前もって知らせておきますけれど、地元警察には提出していません。本当は提出した方がいいわけですから、今朝のように聞いて下さると、提出したのと同じことになって安心感が増すという訳です。

東京に大雪が降ったのが1月14日。1月20日に雪の奥多摩を歩いていますが、さすがに一ヶ月以上経過していますから、雪もほとんどは消えてしまっていると思います。ただ、標高は1000mを越えていますし、北面を登り、北面を下降するのですから、まだ残っている雪も多いはずとは、期待しているのですが・・・・

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▲鋸尾根登山口を8:40ころにスタートし、この階段へ来ました。鋸尾根は下ることが多かったのですが、この階段へたどりつく頃は足も疲労していて、転がり落ちそうな急傾斜にいつも嫌な印象を抱いていました。
まあ、登る場合も嫌なことは同じですね。8:55ころ。

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▲愛宕神社の下の広場には五重塔や慰霊でしょうか、石碑や鐘がありました。9:05ころ。

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▲愛宕神社です。祀られているのは火防の神様などなのだそうです。9:08ころ。

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▲徐々に雪が残っている箇所も現れ始めました。鋸尾根はポピュラーな登山道ですから、たくさんの登山者に踏み固められ、雪は氷になってしまっています。9:34ころ。

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▲鋸尾根は小さなアップダウンが続く、まさに鋸の歯のような尾根です。左右も急傾斜で落ち込んでいる部分が多く、ナイフの刃渡りのような箇所も多い尾根。鎖場や階段も多くなります。9:57ころ。

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▲天狗です。烏天狗だとばかり思っていましたが、よく見ると嘴がありません。右のには大天狗と記されています。天狗様も諸説紛々で詳細の理解は困難のようですね。
後方の山はこれから向かう御前山だと思います。9:58ころ。

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▲鎖場も時折出現します。鎖場自体は何ともないのですが、足元の岩にはツルツルの氷が付着しています。それを避けながらの登りでした。10:03ころ。
後続の男性2人パーティーも続いています。

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▲鋸尾根の核心部、大きな岩場の鎖場です。2級+くらいのグレードでしょうか。K嶋さんは迂回路を行きました。10:12ころ。

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▲東方向に天地山(981m)が見えています。天地山を登路にすることも考えたのですが、天地山からの岩場の急な下降が心配だったので断念しました。残雪の状態が不明ですからね。10:50ころ。

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▲一見なんでもなさそうな登山道ですが、所々凍っていてとても神経を遣います。怖い! とすら感じることもあります。10:56ころ。

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▲もうすぐ鋸山山頂、という手前で大ダワへの巻き道が分岐しています。躊躇なく全員一致でそちらへ。11:24ころ。
鋸尾根上部で不思議なことに気付きました。鋸山は1109mの標高点でしかないのですが、鋸尾根途中の、小ピークでも何でもない場所に三角点があったのです。二万五千図を見ると、1046.7m三角点となっています。何故なんでしょうね?

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▲大ダワへの巻き道は北面の山腹のトラバース道です。残雪が凍って嫌らしい斜面になっていました。女性陣2人にはアイゼンを装着してもらい、僕はピッケルを出しました。11:40ころ。
ピッケルだけの僕はへっぴり腰のおっかなびっくり。「僕もアイゼン出せば良かったなぁ」と思っても遅すぎます。とにかく、大ダワまで。

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▲大ダワの鋸山林道が峠を越える場所へ降りて来ました。立派なトイレがありましたが、もちろん冬季使用不可。11:54ころ。

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▲大ダワから御前山を目指す登山道に入ると、やっと雪山っぽくなってきました。とはいえ、せいぜい5センチぐらいでしょうか? 12:02ころ。

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▲ここも人気コースですから、雪は踏み固められてしまっています。凍っている箇所も多く、僕もとうとうアイゼンを付けることにしました。4本歯です。今日くらいの状態ならこれで充分です。でも、これで鋸尾根を下るとなると、ちょっと心配ですね。土踏まずにしか歯が無いので、つま先部分だけで踏み出すと滑る恐れが大です。12:02ころ。

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▲鞘口山は12:40に通過。九竜山方面への登山者足跡がありました。雪山っぽさも増して来ています。写真は13:20ころ。直後のクロノ尾山は13:23ころ通過。

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▲雪山っぽくなってきたとは言っても、登山道が南側山腹へ回ると、とたんにこんな感じ! 13:32ころ。

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▲本日初めての富士山お目見えです。13:33ころ。

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▲再び南斜面の登山道へ。ここは本当にポカポカと暖かい道でした。13:57ころ。

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▲御前山へ近づいて来ると、このような柵が続くようになります。カタクリ名所ですから、登山者の踏み荒らしから守る柵です。14:17ころ。

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▲御前山(1405.0m)山頂に到着しました。北西方向には中央に雲取山、右に鷹ノ巣山、左に飛竜山が見えます(多分)。14:23ころ。

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▲丹沢だと思います。丹沢の山座同定は僕には無理ですね。14:34ころ。

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▲御前山山頂の様子です。S子とK嶋さんの姿も見えます。14:35ころ。

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▲大菩薩の山並みが望めました。先々週泊まった湯ノ沢峠避難小屋はどこら辺なのでしょうかね? 14:44ころ。

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▲富士山が再びよく見える場所がありました。富士山に陽が当たっている斜面がテカテカに光っています。蒼氷になっているのでしょうね。14:46ころ。

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▲体験の森へと下る分岐から14:56ころ下降し始めました。途端に積雪量が増えました。20センチくらいになりました。しかも、あまり登山者も通らないので、まだふかふか雪です。15:01ころ。

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▲この登山道の下降はトレースが無ければ分かりにくいと感じました。先行者がいなければ、ここから下山しない方が積雪期には無難でしょうね。林道へは16:10ころ着きましたから、1時間以上かかります。
林道へ出て、僕はアイゼンを外しました。雪はまだ残っていますし、凍っている箇所もあります。後の2人はアイゼンそのまま。16:21ころ。

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▲僕はみんなに林道を走らせるリーダーだと悪評高いようです。
ずいぶん昔にも、S子が怪我をする以前のまだバリバリだったころ、奥多摩の酉谷山からの下山でS子と二人で走ったことがありました。登山道ですでに速足になっていましたし、林道では走るような歩き方、最後の日原鍾乳洞あたりからは僕が完全に走って最終バスを止める作戦に打って出ました。ギリギリ間に合って振り返ると、すぐそこにS子が来ていたのには驚きましたね。
ここのところそんなこともなく平穏だったのですが、今日は少し急いでもらいました。少し早足程度です。30分間ほどの早足でしたが、余裕でバスに間に合いました。それを逃すと1時間後になってしまうのです。
写真は前方に青い境橋が見えて来ているので心にも余裕が出ているころです。目指すバスの時刻は17:14。この時、17:06ころでした。

奥多摩駅前の『天益』に顔を見せるとすでに店は満席! 座敷も満席なのだそうです。雲取山荘のK岡さんの顔も久し振りに見ることが出来ました。仕方ありませんね。ご主人は都合が悪いのか今日はお休み。代わりに女将さんのお姉さんが手伝いに来られていました。

『天益』は諦めて電車に乗り、拝島まで来ました。先週まだ時間前だったせいで入れなかった『九州料理 かさ』へ。スタッフの顔ぶれが変わっていましたが、黒糖焼酎『長雲』お湯割りを飲みながら、美味しい食事を頂きました。


奥多摩が雪山になっていました!

2013年01月26日 | 雪山/奥多摩

2013/1/20  10月14日にS崎君と水無川本谷を遡行して以来、高尾山や山行μなどのハイキング以外は岩トレばかりの日々でした。そろそろ雪山へも入れる体を取り戻しておかなければと、ハイキングに少しプラスαした山行を計画。メンバーは僕の他、S子とK嶋さん。S子もそうですが、K嶋さんは昨年10月以降、まったく歩いていないとのこと。このメンバー3人の足慣らし山行です。

奥多摩湖を出発し、小河内峠へ向かいます。登路は峠から北北西へ延びている尾根の清八新道。さらに、惣岳山~御前山と足を延ばし、栃寄へ下山するつもりです。僕に比べるとずっと遠い所から出て来るK嶋さんにとっては久し振りの登山の日の朝はきつかろうと、出発は通常よりも1時間遅めに設定しました。

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▲奥多摩湖バス停で下車し、小河内ダムを渡ります。穏やかな奥多摩湖と快晴の冬の空の透き通った青色に挟まれて、山並の凹凸が美しいなぁと感じられる季節です。
中央の凹部は水根沢谷、左上に上がって行っている尾根は昨年の4月29日に今日と同じメンバーで登った大麦尾根。10:04ころ。

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▲ダム湖畔の慰霊塔の左横にゲートがあり、そのゲートは奥多摩湖南岸の奥多摩湖いこいの路のスタート地点です。すぐに写真のような雪道になりました。こんなに早く雪の世界になるとは思っていませんでした。10:16ころ。

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▲林道の上に枝を張っている木の枝に動くものを発見しました。すぐにニホンザルだとわかります。10頭以上の群れです。逆光で暖かそうなふっくらした毛が銀色に輝いていました。10:20ころ。

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▲僕たちが静かにゆっくり接近すると、左の山の方へ移動する個体もいます。子供を抱えている母ザルなのかもしれません。でも多くの猿は僕たちのことを気にする様子はありませんでした。どちらにせよ、林道は真下を通っているので、彼らの真下を歩くわけです。10:21ころ。

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▲真下の林道を通過し、振り返って写真を撮りました。こちらを見てはいますが、さほど警戒はしていないようです。10:23ころ。

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▲林道から山道へと入り、水窪沢にかかる橋を渡ります。ここへ来る直前の山道ではちょっと緊張しました。山道の雪に上から落ちて来たばかりの小石が散乱していたからです。見上げると、山道はまだ日陰で寒かったのですが、上の斜面には陽が当たっています。そこの雪がゆるんで落石が発生しているのです。10:52ころ。020
▲さきほどの橋のところからも尾根筋に上がる道は続いています。でも、尾根に出るまでは急斜面が続きますから、雪の状態が心配です。僕たちは尾根の末端近くまで進んでから、尾根に取り付くことにしました。今は冬季閉鎖中ですが、この道が「奥多摩湖いこいの路」です。10:58ころ。

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▲いこいの路は小河内ダム横のゲートからスタートしているのだと思いますが、そこから2.9キロ地点です。ほぼ尾根の末端のここから尾根に取り付きます。11:09ころ。

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▲2.9キロ地点の分岐を登り始めたところです。11:16ころ。

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▲分岐から別れた登路が山腹を水平に進むばかりで、なかなか高度を上げないのに嫌気をさして、僕はちょっとした踏み跡をすぐ上に見えている尾根目がけて直登することにしました。踏み跡はすぐに消え、足場の悪い斜面を登って行きます。足慣らしとか言っておきながら、結局いつものパターン。11:19ころ。

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▲やっと尾根へ飛び出しました。11:31ころ。

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▲標高664mの標高点付近だと思います。11:45ころ。

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▲尾根へ直登せずに素直に山腹の道を来たら、おそらくここに出たのだと思います。11:57ころ。

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▲後ろを振り返ると、葉の落ちた林の間から奥多摩湖の湖面が見えます。中央の山は六ッ石山でしょうか。12:11ころ。

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▲水窪沢にかかる橋から直接尾根へ上がると、この標識に出て来るのだと思います。12:27ころ。

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▲人にとって歩き易い場所は山の動物にとっても同じです。左の足跡はウサギ、右のはよく分からないのですが、キツネかなと思っています。12:30ころ。

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▲シカの足跡は縦横に付いています。12:35ころ。
シカはともかく、この時期の奥多摩の熊は冬眠中なのでしょうか? よく知りませんし、雪に付いた熊の足形を奥多摩では何度も見たことがありますから、 僕は起きているのではと思っています。何となく、ひょっとしたら熊のものかなぁといった足形もあったので、S子の熊鈴を出すことにしました。それにしても今日の熊鈴はよく鳴ります。

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▲こんな標識が並んで立っていました。ここは清八新道と水源林巡視路が交差する十字路です。水源林巡視路もいつか歩いてみたいと思っています。12:37ころ。

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▲清八新道は上部で急登になります。傾斜の緩い巻き道もあるのですが、最初のうちは尾根を直登していました。12:55ころ。

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▲小河内峠も近づいて来ました。13:13ころ。

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▲雪も深くなってきました。13:32ころ。

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▲K嶋さんが撮影した写真です。S子の前に僕も写っています。

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▲小河内峠に到着です! 13:45ころ。

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▲清八新道がこんな理由で通行止になっていたとは知りませんでした。まあ、知っていたとしても来ているでしょうが。13:46ころ。

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▲ウサギの足跡です。雪に潜らないよう、目いっぱい指を広げているようです。14:05ころ。

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▲小河内峠から石尾根を眺めました。右のピークは鷹ノ巣山だと思います。14:06ころ。

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▲小河内峠です。北からの風が強いからでしょうか、雪が吹き飛ばされて積もっていませんでした。14:08ころ。

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▲当然と言えば当然ですが、峠到着がこんなに遅くなったので、惣岳山、御前山へ行くのは諦めて、このまま同じ道を下山することにしました。予想していたよりも雪の量が多かったので、時間がかかりました。こんなこともあろうかと、清八新道ピストンも可能性としては考えていましたが、まさかそうなるとは! 14:21ころ。

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▲急な尾根に出て来ました。雪道の下降は楽ですが、K嶋さんは急な下降が苦手、S子はよく尻餅をつきます。さっそくS子が尻餅。14:42ころ。

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▲雪の下降ではジグザグに登るのとは違って、まっすぐに下って行きます。登って来た時の足跡を無視して、林の中へだってまっすぐに下ります。15:14ころ。

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▲あの標識のところへ出て来ました。下りで変ないやらしい所を下らせるのは可哀想ですから、正しいコースを行きたいと思います。15:18ころ。

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▲正しいコースは何の問題もなくここの分岐までつながっていました。それでも僕は尾根へ直接登った変なルートの方が好きですね。15:38ころ。
この分岐から峠まで約2時間30分(休憩込み)で登ったコースを1時間20分で降りて来ました。

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▲水窪沢の橋まで戻って来ました。橋の右に尾根へ向かう山道が見えています。15:57ころ。

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▲僕は下山して夕暮れの景色の中を歩くのが大好きです。普通は里山や山里の中を歩いてバス停などに急ぐのでしょうが、今日のように湖畔を歩けるのは最高です。写真を撮る技術がありませんから、橙色や紅色の色味を帯びた大気の様を見せてあげられないのが残念です。下の写真の浮かんでいる島は僕は勝手にひょっこりひょうたん島と呼んでいます。この島がひょうたんの形の時は奥多摩湖の貯水量が少ない時です。16:34ころ。

17時すぐのバスに乗って、奥多摩駅は天益へ直行します。実に4ヶ月振りの天益。途中で電話を入れておいたので、座敷に席を取って下さっていました。有難うございます。
天益ではW島さんと合流。仲間と飲む酒は旨いものですね。

今日は久し振りの足慣らしとしては上出来だったと思います。S子は脚が攣ることなく歩き通しましたし、3ヶ月振りに歩くK嶋さんも何の問題もなく歩けました。徐々に完全な雪山モードにしていきたいと思っています。