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575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

手と手を合わせた幸せ句会   麗

2014年04月17日 | Weblog
一気に初夏を思わせる陽気の中行われた昨日の句会。
兼題は「手」。さまざまな手を詠んだ、あるいは手を織り込んだ手の込んだ句が勢揃い。
あの手、この手、さらにはその手まであり、まさにお手並み拝見の句会となりました。

ではお休みだった方のためにひとこと講評です。何卒、お手柔らかに。

1,白木蓮は手のひらのようにもみえますね。白木蓮はさよならの形という俳句もあるそうです。春は別れの季節で もあります。
2,手術までは詠めても手術痕はなかなか出てこない。花冷えとよく合います。
3,京都伏見の川沿いの景。幸せな春の一句。花見船に乗ってみたいものです。
4,手撚りは陶器でしょうか?ふるさとの味は味噌が違うのでしょう。
5,京都の名刹に捧げたい一句。手水鉢が花衣をまとうなんて。美しすぎる。そして静かなり。
6,幼子もどこか夜桜の闇や不安を感じるのでしょうか?
7,玉手箱が出てきました。ここにも手があり。はじめはおもちゃ箱から手が伸びるだったとか!?
8,受け止めきれない落花。毎年ながら美しい。
9,手を打って音を表現したのはこの一句のみ。真鯉もびっくり。
10,桜蘂の悲しみ。作者の優しさも見えます。
11,お孫さんのかわいい手でしょうか?もみじ手がちょっと季節にそぐわない?との声がありました。
12,ダントツのトップ賞!手櫛で髪を整えあわただしく朝の準備をするフレッシュマン。ネクタイにとまどり大慌ての息子さんの様子を、すみさんが見事に詠まれました。
13,ソフトバンクに捧げる一句。ホワイト家族の北大路欣也さんのせりふにしてほしいですね。
14,痛む手はご自身の手でしょうか?朝から手が痛いとき私もあります。行く末も気になります。
15,まだ春の夜は寒い日も。指先を冷やして恋人に会いに行く恋の歌。本当は飲み会に遅れそうになったとか!


晴代さんが私がラジオで紹介した東大寺のふすま絵を見に行ってくださったことがわかり、思わず手と手をとりあって喜んで始まった昨日の句会。
小保方さんの話題あり、マスコミの行く末と話は尽きずあっという間の2時間でした。
来月はもう夏かも。お題はサングラスです。色眼鏡をかけて作りましょう。麗
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4月句会の投句が集まりました。   遅足

2014年04月16日 | Weblog
今回の宿題は「手」を詠みこむことでした。
なかなか面白い句がそろいました。

題詠「手」

①振り終えた手に痛みあり白木蓮
②花冷えやうすくなりゆく手術痕
③手を振れば岸の子も振り花見船
④青饅(あおぬた)は故郷(ふるさと)の味手捻りに
⑤手水鉢花衣着て静かなり
⑥夜桜や結ぶ手さぐる幼かな
⑦春昼のおのずとひらく玉手箱
⑧手のひらに受けとめきれぬ落花かな
⑨手を打てば花筏揺る真鯉かな
⑩桜蘂(さくらしべ)哀しみふわり手の中に
⑪もみじ手の我に似ており菫咲く
⑫手櫛してネクタイ締める四月かな
⑬喋る犬足ではなくてこれは手だ
⑭痛む手を擦り行く末思う朝
⑮手を冷やし息を切らして春の闇  


自由題

①頬撫でし色濃き枝垂れ桜かな
②花の下(もと)句碑の文字(もんじ)の読み解けず
③まなうらにしかと今年の飛花落花
④内濠に枝を映して花月夜
⑤風信子(ヒヤシンス)知つてゐる妻知らぬ妻
⑥潦(にわたずみ)花びらとどめ春惜しむ
⑦指先で春の音色を確かめる
⑧花の御所幾世花絶ゆ都小路
⑨瀬戸電の桜花道窓笑ふ
⑩A案が密かに通る春の闇
⑪過去を燃す煙たなびき鳥帰る
⑫木の芽味噌すべてのものは緑なり
⑬蝌蚪(かと)の紐すこしゆるみてゆれてをり
⑭賑々し桃なり梅なり問う車窓
⑮葉桜のトンネルを行く仮設トイレ

この地方の桜は終わり葉桜の季節に。
今日は初夏のような気候だそうです。
春も終わりですね。
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湖北路に花   鳥野 

2014年04月15日 | Weblog
この地方では「サクラ散り果て」。そのあと、開花前
線は順調に北上を続けています。
春の訪れの遅い湖北でも、湖畔の花が満開とニュース
が伝えていました。

湖北は敬虔な観音信仰の里。数多い仏像は国宝、或は
重文の指定を受け、村人たちに大切に継承されていま
す。
取り分けて戦国時代には幾多の合戦の場となり、観音
さまも受難の時。それぞれの村の人は、背負って火を
潜り、土に埋め、水に沈めて守り通してきました。
中には赤後寺の千手観音様のように手指も腕も、頭上
の飾りまでも、焼け失った像もそのまま伝えられてい
ます。

受難の観音路。里人の想いを偲びながら、花を愛でなが
ら歩いてみたいものです。

 ・ 背負われて或いは埋められ戦乱を逃れ来し像に
   湖北の春             鳥野
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春風の置き忘れたる翁かな   小澤克己

2014年04月14日 | Weblog
神社の境内にある樹齢何百年の老木。
強い生命力を感じます。
長寿を保った人にも特別の力を感じます。
昔の人は、神に近い存在と考えていたようです。
こうした老人を「翁」と呼んで尊敬していました。

能に西行桜という曲があります。
桜を詠った西行と桜の精のお話。
ワキが西行、桜の精がシテです。
シテは翁(尉)の面をつけます。

春風とともにやってきた翁。
風が行ってしまった後に、ぽつんと残されて・・・
神に近い翁は、春風の忘れものなんでしょうね。

現代社会は価値観が正反対。
若さこそ最高の価値とされています。
老いにはマイナスのイメージが強くあります。

春風とともに消える・・・。
これこそ現代の理想的な老いの姿ではないでしょうか。

                        遅足

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豆の花小さな風のぬけてゆく     遅足

2014年04月13日 | Weblog
春のはじめに、豌豆と蚕豆の種を蒔きました。
芽が出て、蔓がのびてゆきます。
支柱を添え、豌豆には網を張ってやります。
なかなか網の方へ蔓をのばさずに・・・

やっと花が咲いたのに気温が低くて、虫の姿がありません。
実は出来るのだろうか?
風が強い日には支柱が倒れないかと心配・・・
小さな菜園でも心配はつきません。

暖かくなって蜂や小さな虫が花にやってきます。
これなら期待できそうです。

写真を撮ってみようと近づいたついでに、
どんな香りか?と鼻を。
かすかな甘い香がしたような・・・・

その時、ふっと小さな風が通っていきました。



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落ち栗の座を定めるや窪溜り   井月

2014年04月12日 | Weblog
時代が江戸から明治と変わりました。
明治は、井月にとって暮らしにくい時代となったようです。
法律によって、井月のような放浪者は取り締まりの対象に。
また、神仏分離令によって、雨露をしのいでいた堂が壊されて行きました。

明治20年、田んぼの中に倒れているのを発見されます。
野垂れ死に同然の最後。66歳でした。
30年の間に、1800近い句を残しています。

お墓は木曽駒など中央アルプスの見渡せるところに。

窮屈な世間から離脱したいという男の願望は
井月のような生きかたに憧れを感じさせるようです。
芥川龍之介は「井月」という短編を書いています。

また、放浪の俳人、山頭火は死ぬ直前に伊那へ。
念願のお墓参りを果たします。その時、残した句です。

  お墓したしくお酒をそそぐ

  駒ケ根をまへにいつもひとりでしたね

平成になって伊那の人々の手によって
「ほかいびと・伊那の井月」という映画も制作されています。

(参考文献・井上井月と伊那路をあるく)    遅足



   

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旅人の我も数なり花ざかり    井月

2014年04月11日 | Weblog
伊那谷の桜。高遠の桜など、これからが満開です。

作者は井上井月(せいげつ)。
幕末から明治にかけて、伊那谷を放浪した俳人。
越後・長岡の出身で武士だったとも言われますが、本人は沈黙。
祝い事にある家、死者の出た家などを訪れて句を詠み、一宿一飯に。

 
 朝毎のみどりも深し春の草(子供の誕生)

  
 餅配る老の祝や冬牡丹(老いの祝い)

 けふの日や泪を包む汗拭ひ(挽歌)

当時の伊那谷は、養蚕が盛んで経済的にも余裕がありました。
人の顔さえ見れば、酒を勧める土地柄であったので、
金銭を持たず蓄えも無かった井月にとって、
酒食の相伴にあずかることの出来る魅力的な土地でした。

 咲き急ぐ花や散る日のなきやうに

 命ぞと云うては掬う清水かな

 朝顔の命は其の日其の日かな

 山までは幾度も来て雪おそし

虱だらけで、泥酔しては寝小便をたれるという井月。
女性や子供たちはからは嫌われていましたが、
俳句を趣味とする富裕層の男性たちは井月を優遇。
伊那谷での生活は30年にのぼりました。
 
                続く

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落語   麗

2014年04月10日 | Weblog
昨日、桂雀々さんの落語を聞いてきました。
おなじみの「代書屋」に大笑い。枝雀師匠を彷彿とさせる全身を使ってのテンポのよいしゃべりは何度聞いても楽しめます。
今、雀々さんは拠点を東京に移して活動されているそうです。大阪のテレビ・ラジオのレギュラーも整理し、持ち家も処分して心機一転リセットして芸の幅を広げるための選択だったようです。
前日は議員会館で政治家の先生方の前で落語を披露したそうです。

てぬぐいと扇子だけであれだけの奥行きを感じさせられる落語は国の宝ですね。
生の舞台はやはりすばらしい。大笑いしてすっきりして春の夜の街をあとにしました。
水谷ミミさんのぎんさんの四姉妹の講談もとてもよかったです。
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4月句会近づく     遅足

2014年04月09日 | Weblog


桜も終わって春本番。
庭の花も椿からチューリップ、ヒヤシンスへ。
道端にはスミレ、ホトケノザ。
躑躅が咲き、牡丹が蕾を膨らませています。

今回の題詠は季語ではありません。
「手」です。
形や機能をなどから類推されて「取っ手」「火の手」、
手で人をあらわす「騎手」。人の行為を示す「奇手」。
また「手紙」「切手」などなど、実に幅広く使われています。
日本人はこうして語彙を増やしてきたのか!と。

人という字。足、胴、頭はありますが、手は書かれていません。
自由に動くので書きようがないのでしょうか。
書かないことで、自由な手を表現しているのかも、と
高校の先生が教えてくれたことを思い出しました。

どんな「手」でもOKです。
春の季語を使って、一句をお願いします。 

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花は咲けども   鳥野

2014年04月08日 | Weblog
サクラ満開の宣言があって、丁度見ごろの週末
でした。
ところが、気象情報では、「花見には防寒対策
をお忘れなく。ダウンのコートなどを用意して」
と注意していました。

なんという気ままな天気、このところ、汗ばむ
程の気温。サクラも咲き急いだというのに。

知り合いからのメールには、「庭のコブシが咲
くには咲いたけど、散り際の悪さ。あの魅力的
な散り方を見せてはくれません」と。

花に嵐の例えどこころか、咲いた花に雪。人間の
御都合によるのかこの異変。温暖化が原因とすれ
ばなんと罪深いことか。
それでもサクラは散華の準備ができました。

   ・ 咲き充ちて飛翔のかたち夕桜  鳥野
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菜の花やいつもどおりのかえりみち   童子

2014年04月07日 | Weblog
葉の花の咲く道を帰ってゆく。いつものとおり・・・。

思い出のなかの帰り道でしょうか。
もうあの道を通ることもない。
帰っていくのも、あの懐かしい家ではない。
異郷に住んでいる作者が思い出すふるさとの道・・・

「いつもどおり」という言葉が、
「いつもどおりでない帰り道」を呼び込んできます。
明るいイメージを持つ黄色にすこし淋しさが感じられます。

黄色が好きな人は、性格的にかわいい人。
頭が良くて、口調さわやか。
しかし、突然、子供のような笑顔をみせてはしゃいだり、
おなかがへったとか、眠いといったりとわがままも。

色彩によるこんな精神分析もあるそうです。

この色が好きな人は、先生や記者、芸人さん、カウンセラー、
弁護士といった職業に向いているとか。
私は子供の頃、黄色が好きでした。
大人になるにつれて好きでも嫌いでもなくなって・・・

                     遅足




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一面の菜の花畑立ちくらみ    静荷

2014年04月06日 | Weblog
作者は菜の花畑の真ん中に。視野には黄色一色。
その黄色が太陽の光を浴びて輝いています。
思わず、ふらっと立ち眩みが・・・

黄色の持つイメージは、希望を表し、明るい前向きな印象。
集中力が高まる色でもあるので、交通標識などにも。
しかし、何事も過ぎたるは及ばざるが・・・
立ちくらむような黄色。ちょっと怖い感じもします。

一方、黄色に青を対比させると美しさが際立つようです。

   菜の花のそろって澄んだ空ささえ   郁子

真っ青な空、そして一面の菜の花。
その花一つ一つが咲きそろって、空を支えていると詠みました。
青い空を菜の花の黄が引き立てています。
また青が黄を引き立てています。
お互いに補いあう補色の関係。
色ばかりでなく人間の関係にも言えそう・・・   遅足


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菜の花のひろがりバスをつつむごと   晴代

2014年04月05日 | Weblog
原田泰治さんの絵のような風景です。
もちろんバスはボンネット型。

戦後まもなく、木炭バスがありました。
ガソリンがないので、木炭でバスを走らせていました。
馬力不足は否めず、坂では息を切らせていました。

この句のバスはガソリン車。車体は何色かな?
青空の下、赤い色のバスが、菜の花に包まれるように・・・

最初のバスは19世紀のフランスに登場した乗合馬車。
バスの語源は、ラテン語で「すべての人のために」という意味の
オムニブスから来ているそうです。

             

今朝の中日新聞を読んでいたら、消費税の収入は5兆円。
一方、社会保障費は5000億円。
みな社会保障にすると明言している安倍さん。
世の中、どうなっているんでしょうね?




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お花見に開く人間図鑑かな       遅足

2014年04月04日 | Weblog
名古屋の桜も今日の雨で散り始めています。
一昨日は平和公園、昨日、名城公園にお花見のハシゴ。
花の下、ブルーシートの上にはお酒も入って歌うグループも。
バスからは、お弁当を持った年配のグループが。
思い思いの場所で花見を楽しんでいました。

名城公園での花見も終わって車に乗ろうとしたら・・・
フロントガラスに見慣れぬ紙が貼ってあります。
駐車違反!
罰金15000円。高い花見でした。

写真は名古屋城です。


  
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菜の花のうねりに沿ふて子等の群れ   結宇

2014年04月04日 | Weblog
   菜の花の波立つ畑隠れん坊    亜子

一面の菜の花畑。子供たちが遊んでいます。
風が来ました。一面の黄色が波立ち、うねります。
子供の姿が見え隠れに・・・
そんな童話のような景をお二人が詠みました。

風によって引き起こされる波。
かすかに吹く時はさざ波。
風速が数メートル程度になると、波頭が白く砕けます。
この状態を「兎が跳ぶ」というそうです。

風によって起こされた波が伝わってきたのが、うねり。
遠くまで伝わって、日本近海で発生したうねりが
ハワイにまで到達するそうです。

うねりと言ったほうがより広い菜の花畑が見えてきそうです。
迷子になった子も・・・

  菜花咲くその真ん中で泣いている   二ッ谷寿枝

泣いているのは作者かも・・・   遅足




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