575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

菜の花や大人の味覚内に秘め   すみ

2014年04月02日 | Weblog
蕗の薹など、春を告げる味覚には苦さが潜んでいます。
果実のように積極的に食べて種を運んでほしい時とは違い、
新しい芽を食べられないように、との植物の工夫でしょうか。

人間の味覚も、苦みは毒になるものが含まれている、という
メッセージを伝えているようです。

子供は甘いものは大好きですが、苦みを苦手としているのも
理にかなったことのようです。
菜の花を食べて美味しくないという顔を見せたのでしょうね。

危険な物を飲み込まないために、他の味に比べ、
苦味はほんの少量でも「苦い」と感じるようになっているそうです。

人間の貪欲な味覚は、そんな苦さをも楽しんでいるようです。
私もゴーヤなどは、苦くて好きではありませんでしたが、
歳を重ねて、美味しいと感ずるようになっていました。

その苦みを大人の味と言いとめた句です。 遅足



コメント
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