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575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

落ち栗の座を定めるや窪溜り   井月

2014年04月12日 | Weblog
時代が江戸から明治と変わりました。
明治は、井月にとって暮らしにくい時代となったようです。
法律によって、井月のような放浪者は取り締まりの対象に。
また、神仏分離令によって、雨露をしのいでいた堂が壊されて行きました。

明治20年、田んぼの中に倒れているのを発見されます。
野垂れ死に同然の最後。66歳でした。
30年の間に、1800近い句を残しています。

お墓は木曽駒など中央アルプスの見渡せるところに。

窮屈な世間から離脱したいという男の願望は
井月のような生きかたに憧れを感じさせるようです。
芥川龍之介は「井月」という短編を書いています。

また、放浪の俳人、山頭火は死ぬ直前に伊那へ。
念願のお墓参りを果たします。その時、残した句です。

  お墓したしくお酒をそそぐ

  駒ケ根をまへにいつもひとりでしたね

平成になって伊那の人々の手によって
「ほかいびと・伊那の井月」という映画も制作されています。

(参考文献・井上井月と伊那路をあるく)    遅足



   

コメント
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