3月1日(土)
昨日、文楽の重要無形文化財保持者竹本住大夫さんが引退の会見を
行った。
私が文楽に嵌りだしたのはたかだか2年半前ぐらいからだ。
丁度そのころ住大夫さんは病を得て休演された。
そして復活されてからの公演を一度だけ聴いたが、やはり少し痛々しかった。
ご本人はさぞや葛藤があるだろうなと思わされた。
無論、至芸の持ち主だから語りには何とも言えない微妙なもの、色気と言うの
かもしれないものがある。
それだけに、尚更ご本人には耐えられないだろう。滑舌の問題は・・・
私は潔い引き際だなあと感心した。本当にご苦労さまでした!
ところで、二月の文楽を観たのに書き忘れた。
私が観た第二部には住大夫さんは出演せず、第一部に出演されていた。
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2月12日(水)
文楽二月公演 第二部
演目 染模様妹背門松
油店の段 生玉の段 質店の段 蔵前の段
かの有名なお染久松の物語。
やはり文楽は面白い。無茶苦茶なお話しだ!
油店のお嬢さんのお染は親の決めた結婚相手がいるのだが、丁稚の久松
と相思相愛の仲。
しかも、事もあろうに番頭の善六に横恋慕される。
この善六がひどいのだ、恩ある主の家のなかでやたらとお嬢さんを口説き、
下女に怒られる始末。
他にもいろいろ悪さの限りを尽くし、結局久松に殺される。
その善六の人形遣いが桐竹勘十郎。
素晴らしい気持ちの入った善六だった!
細かい動きに研ぎ澄まされた感覚が如実でしかも軽妙な動き。
凄いのだ!観た甲斐があった。