そとさま雑記

自然と平凡な日々の暮らしを記録します。 

新国立劇場 舞台「雨」を観る!

2011-06-22 19:54:31 | Weblog

6月21日(火)

井上ひさし原作の舞台「雨」を観た。

演出  栗山民也
主演  市川亀次郎
     永作博美

江戸の両国は大橋のたもと。雨宿りをしていた金物拾いの徳。
その徳に「喜左衛門さま?」と声をかける年寄りの浮浪者。
「違う、俺は徳だ!」と言っても羽前平畠藩の紅花問屋「紅屋」の主人に違いないと主張する浮浪者。

そして、徳は結局欲にからんで江戸から東北へ。

喜左衛門になりすまし、美しい妻と財産を得る為にはどうしたらいいか?
はじめのうち、徳は顔かたちは似せても中味までは似せられないと自信がなかったのだが、天狗隠しに遭ったんだという茶屋の娘の言葉に天啓を得て、辻褄が合わなくなったら脳の半分を天狗にさらわれた事にするのを思いつく。

順調に大店のお店に馴染んでいく徳。
特に女房のおたかは、信じて徳のピンチを救ってくれる。

しかし、徳もえらい!
難解な平畠言葉を密かに、しかも早く身につける。
そして家業のベニバナの勉強も怠らず、喜左衛門により近づけようと努力するのだ。

いい事ばかりではない、江戸から追ってきた強請りの釜六や正体を知られてしまった土地の芸者を殺す羽目にもなる。
この辺から徳の身辺は一変する!実に怖い話しだ。

大どんでん返し!!! 結末は明かせない。

全編、方言で語られる。
なので、江戸以外の場面では始めの内何を喋っているのかさっぱり分からない。
勝手に想像する。そのうち何だか主人公と同じで段々分かってくる。

井上ひさしは方言を駆使して物語を紡ぐ。
そう、方言が第二の主役なのかもしれない。

主役二人も頑張った。
亀次郎は時に歌舞伎役者だなあと思わせられるが、違和感なく演技。
今とても売れている永作博美が、テレビよりずっと美しく方言も巧みで感心した。
映画でも活躍してるが、舞台も度胸がいいのでは?出色でした!

友人が言うとおりの素晴らしい芝居だった。観てよかった!