そとさま雑記

自然と平凡な日々の暮らしを記録します。 

映画「スラムドッグ$ミリオネア」

2009-05-11 09:46:44 | Weblog
先週又映画をみてしまった。

 今回は近くのTさんと約束して、当日雨だったので歩いてコルトンプラザの中の
 TOHOシネマへ「スラムドッグ$ミリオネア」を観に行ってきた。

 この映画の原作は、ヴィカス・スワラップの著書「ぼくと1ルピーの神様」で、
 それを元に映画化したもの。

 この本が出版された時すぐに読んだので、映画はアカデミー賞の作品賞を獲得し
 たが、どんなものかと見る気になった。

  監督  ダニー・ボイル
  キャスト  デヴ・バテル(新人)

 インドの映画であるが、製作はイギリスとアメリカになってる。
 
 インドのムンバイに住む青年ジャマールが、テレビのクイズ番組に出て、次々
 と難問をクリアし、ついには全問正解し賞金を獲得する。しかし、スラム街出身
 のジャマールにこんな難問を答えられる訳がないと疑惑を持たれ、警察に逮捕さ
 れる。
 
 現代の日本では考えられないような拷問をうけるが、身に覚えのない事は言えな
 いと頑張る。その内に取り調べの警官が、彼に興味を持ち、或いはと彼にいろい
 ろ質問を始めるのだ。
 クイズの設問ごとに何故彼が答えられたかを、過去に遡って解き明かしていく。
 こういう所は原作の手法どおりだ。斬新なやり方。

 映画は、クイズと平行して幼馴染で生き別れたラティカとの恋愛を軸にして進行
 して行く。ラティカもまた数奇な運命を辿っている。
 原作と決定的に違うのはここの所。
 本では淡い恋で終わるし、主題ではない。

 親もなく、家もない教育もない兄弟が過酷な人生の中で学んできた事、知った事
 がたまたま設問されたのだ。
 辛酸をなめた彼の人生が彼を救ったのである。

 本と映画は別物と思えば、なんら不都合はない作りになっていた。
 インド映画の面白さが実に出ていて、最後のプラットホームでの群舞には呆れを
 通り越して笑ってしまった。普通こういう主題で最後にこれはないだろう!

 原作は外交官の書いた処女作で去年話題になった。
 この原作者も映画のよさを認めているようだ。
 映画も面白かったが、原作は久々に引き込まれた本でした!