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道聴塗説 その八 8

(散歩道のヒメオドリコソウ)

ようやく春らしくなった。昨日、土手にヒメオドリコソウの群落を見つけた。このブログに載せるのは、多分初めてである。

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「道聴塗説 その八」の解読を続ける。

今、この流義に、龍樹、天親(世親)に、菩薩を列して、黒谷(法然)大師に至るまで、七祖の伝来、委しくは浄土の章疏に載するが如し。開山(親鸞)聖人、正(まさ)しく黒谷より選択集を伝授し、附法相承には西方指南抄などの黒谷(法然)親口説あり。
※ 章疏(しょうしょ)- 章と疏。仏典の注釈書。
※ 選択集(せんちゃくしゅう)- 「選択本願念仏集」。関白九条兼実の要請によって、法然が撰述した2巻16章の論文。指南抄などの黒谷の親口説あり。
※ 附法相承(ふほうそうじょう)- 宗祖からその弟子に、宗旨の根幹を成すものを授けられ、託されて行くこと。
※ 西方指南抄(れい)- 法然の法語・伝記・書簡などを編集したもの。三巻。親鸞編との説もあるが未詳。
※ 親口説(しんこうせつ)- 口伝とする説。


かくの如く念仏往生の宗流を伝えて、瀉瓶相承する人は、本山の御代々の善知識なり。委しく列名を載(さい)する下の文の如し。然れば、錠光仏、世自在王仏より、弥陀、釈迦二尊に伝わり、龍樹、天親より、黒谷(法然)大師、開山(親鸞)聖人まで、次第相承の念仏三昧なれば、この法を尊信するに付いて、相承の恩を報ず。これ皆な念仏往生の大善知識なり。大経に「見敬得大慶即我善親友」と説き給うは、この法を行する人を善知識と称する証(あかし)なり。
※ 瀉瓶相承(しゃびょうしょうじょう)- 仏教の奥義を師から弟子にもれなく伝えること。(「瀉瓶」は、瓶びんの水を他の瓶にうつしかえる意)
※ 次第(しだい)- 順序を追ってすること。順序よく並べること。
※ 見敬得大慶即我善親友 -「見て敬い得て、大きに慶(よろこ)べば、すなはち、わが善き親友なり」と読む。「法を求めるものは皆んな良き友」という位の意味。


和賛に、「三朝浄土の大師等 哀愍摂取し給いて 真実信心勧めしめ 定聚の位に入れしめよ」「他力の信心得る人を 敬い大きに慶べば 即ち我が親友ぞと 教主世尊は誉め給う」「如来大悲の恩徳は 身を粉にしても報ずべし 師王知識の恩徳も 骨を砕きても謝すべし」と、この三首の讃にて、聖人(親鸞)の師主知識の恩を謝し給うを知るべし。
※ 和賛(わさん)- 和讃。仏・菩薩、祖師・先人の徳、経典・教義などに対して和語を用いてほめ たたえる讃歌である。仏教歌謡の一種。
※ 三朝浄土の大師等(さんちょうじょうどのだいしとう)- インド・中国・日本の三国に現れた浄土教の祖師たち。七高僧のこと。
※ 哀愍摂受(あいみんしょうじゅ)- 慈悲の心をもって、本願の教えを説き広めること。
※ 定聚(じょうしゅ)- 正定聚。真宗では,浄土往生が決定している他力念仏の行者をいう。
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