長尾たかしの・・・未来へのメッセージ

自民党衆議院議員長尾たかしのブログ。平成11年からネット上で情報発信を継続。サラリーマン生活を経て政界へ。

大阪における印象操作のカラクリ

2015-03-30 14:10:12 | 自治
国政においては、「日本維新の会」設立当初も、今の「維新の党」も、野党第二党としてある一定の勢力を持っており、国会運営に関しては無視できぬ存在です。安倍政権最大の悲願は憲法改正です。その為には、国会議員2/3の賛同、国民投票による賛成過半数を実現しなければなりません。一点集中、全面展開という原理原則があるならば、安倍政権としては橋下氏の影響力をこれに利用するため、あらゆる手段を尽くすでしょう。時には、大切な何かを万止む無く切り捨ててでも実現することを選択するのかもしれません。

政府自民党本部としては、身内である自民党大阪府連が、期待する勢力としての橋下維新の党と大戦をしているという現状には複雑な思いがあると思います。

因みに以前記したように、私の選挙区が松井大阪府知事、つまり大阪維新の党幹事長のお膝元ということもあり、長尾がガチンコで松井氏の地元でいつもファイティングポーズを取っているのは如何なものかと、お思いになったかどうかはいざ知らず、一定期間、参議院選挙全国比例も視野に入れて官房長官預かりになり、浪人中の二年間、地元では「一人の党員として活動」していたことは皆さんもご承知の筈です。私を次に生かしながら、維新の党とも距離を保つという、様々な対応や配慮があったと承知しています。正直、私もそれを了解しておりました。そんな経緯と背景もあり、政府自民党が国会運営を政府与党に引き寄せるための「秋波を送っていた」ことは事実だと思います。

そんな中、突然の衆議院解散総選挙。

官邸に呼ばれた私は、「長尾さん、思いっきり戦いなさい」とお墨付きを頂き「大戦」に突入しました。当時は、所謂大阪都構想が、橋下市長の度重なる失言などで頓挫寸前。もはや、一定の勢力として期待できないと判断があったのか、政府与党の維新勢力に対する態度は豹変しました。ところが、衆議院選挙、自民党大勝の直後、連立与党たる公明党が、大阪都構想には反対するが、住民投票の「実施」には賛成するという指針が示され、俄かに息を吹き返し、今日に至っています。

さて、一旦頓挫した大阪都構想が息を吹き返し始めた途端、以前政府与党から送られた秋波を拡大解釈し始め、現在大阪では壮絶な情報戦が繰り広げられています。大阪都構想が「二重行政解消のために最も有効な手段であり、政府自民党、安倍総理、菅官房長官もこれに賛成している」という根も葉もない印象操作です。

「政府は都構想に賛成している」の、嘘ではないカラクリとすり替えを暴きます。少し振り返ります。大阪ダブル選挙で大阪維新の会が大勝し、国会では、都構想を実現したいという政令指定都市があるならばこれを認めようと、大都市地域特別区設置法が成立しました。私も当時大阪府選出の議員として法案作成に関わりました。そして法律が施行されて、今、現存する20の政令指定都市の中で特別区設置の名乗りを上げているのは大阪だけです。つまり仮に今後、横浜市、北九州市、熊本市の各政令指定都市が特別区を設置したいと協議を始めたならば、横浜都構想、北九州都構想、熊本都構想の議論が始まるということをこの法律が認めています。

総理はこの「都構想議論は意義がある」と言っているだけで、大阪都構想に意義があるというとは言っていないのです。官房長官の記者会見も同様であり、政府の国会答弁も同様です。それを、維新勢力は印象操作のために、「大都市地域特別区設置法には賛成」を、「大阪都構想に賛成している」にすり替えているのです。

大都市地域特別区設置法を根拠とする議論は、所謂都構想ではありますが、すべてが大阪都構想ではないのです。

さて、昨日八尾市内で大阪府議会議員選挙対応の公開討論会がありました。とある予定候補者が、大阪都構想に関する質問をパネラーほぼ全員から受けて、「二重行政解消こそが大阪経済の復活につながる、だから大阪都構想をよろしくお願いいたします。」としか答えられない現実を目の当たりにしました。それでも下馬評では、「彼」が当確ラインを大幅に超えている。これが大阪の危機の本質なのです。
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