長尾たかしの・・・未来へのメッセージ

自民党衆議院議員長尾たかしのブログ。平成11年からネット上で情報発信を継続。サラリーマン生活を経て政界へ。

社保税関連法案、衆議院通過

2012-06-30 16:56:17 | 社会保障・税
社保税関連法案。テーマは社会保障が大半で、増税だけではなかった。これは事実である。マスコミの偏向報道には疑問を持たざるを得ない。景気条項についても我々議員の側が国民に対して理解されるよう対応していかなければならない。現在のデフレ状況が続けば、消費税引き上げはないのである。一ヶ月半の間で、129時間10分。日米安保審議136時間に続く史上二番目の長時間審議に委員として関わらせて頂いた事に感謝。でも、これからである。永遠にゴールはない。

社会保障制度に対する論点を整理しながら、今回の法案の位置付けについて整理してみたい。

深刻な円高不況下において、人口動態の変化に起因する避けて通ることのできない社会保障費の急激な増加にどう対処するのか?方法としては、社会保障費を削る手法が小泉政権の時に取られた。これは、毎年2200億円ずつ削るというもの。国民に痛みを伴う政策として批判を浴びた。麻生政権では新たな税負担を検討した際、増税が検討されたが、円高不況化での増税は自殺行為という認識があり、そのトリガーとして景気条項である「附則104条」が設けられた。その後の総選挙で、社会保障制度の充実を訴え、民主党による政権交代となった訳である。

デフレ円高不況という周辺環境は変わらない。リーマンショックから立ち直る間もなく、東日本大震災が発生。社会保障費の負担増という環境は容赦なく押し寄せてくる。

選択肢は二つ。
・現役世代がこのまま引き受けるか、
・世代間で公平に引き受けるのか。

不況下において現役世代にこれ以上の負担をさせることは出来ない。よって、世代間の公平性という概念を基本とした政策転換が行われた。その手法として消費税率引上げが検討された。附則104条は、消費税率改正案の附則18条として引き継がれ、「税率引き上げの規定に関し、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる」と記された。加えて、名目3%、実質2%の経済成長を目標とする数値も盛り込まれ、景気条項はより具体的になった。

三党協議で加わったこととして、「税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引き上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略や事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する」旨の規定を第2項として設けたこと。所謂、国土強靭化計画である。我が国は内需の国。災害な学ぶならば、今こそ内需の拡大を叫んでいかなければならない。

3党協議では、それぞれの政党の主張をお互いが譲歩することにより、社会保障制度関連法案5本に加え、社会保障推進改革法が新たに加わり、今回法案に盛り込めなかった、新年金制度、高齢者医療制度は、国民会議の中で議論すること、そして国民会議の委員は国会議員であることを妨げない旨が記され、将来の社会保障のあるべき姿の屋台骨となる。

8法案が衆議院を通過する同じ日に、議員定数削減法案が提出され、政倫審での審議が正式に決定。民主党は定数80の削減を一貫して提案したが、野党においてこのが認められず、参議院の捻れを考えれば妥協せざるを得ず、違憲状態解消の為の0増5減案と絡めて、45減と提案された。国会議員歳費は14%、国家公務員給与も7.8%の削減。ただしこれは2年限定であることにより、今も尚、恒久的なものするべきという議論が絶えない。消費税引き上げの前にやるべきことはある。よってこれまでに、実現に向けて「着手しているという現実」も理解されるよう結果を出していかなければならない。

消費税率引き上げばかりが先攻という指摘は当たらない。年金機能強化法では、低所得者対策、非正規労働者への適用拡大、受給資格期間を25年から10年へ短縮すること等が盛り込まれている。厚生年金と共済年金の一元化により年金制度の官民格差が是正され、原案がそのまま三党合意で了承された。社会保障は従来、年金・医療・介護の3分野に限定されていたが、今回新たに「子ども・子育て」も社会保障制度にに加え、4分野と位置付け、7000億円が投入される。これは今回の社保税一体改革の最大の目玉であった。

これら社会保障制度の維持拡充の原資が消費税5%13.5兆円。引上げられた税収はすべて社会保障に充てられる。現役世代だけに社会保障の負担増を期待するのではなく、自営業者も、民間労働者も、公務員も、学生も、年金受給者も、全ての世代間において負担をし、消費税というプラットホームを経て、「自身の年金・医療・介護・子育て」に還元されるのである。消費税については複数税率が検討されているが、低所得者対策として給付付税額控除や、価格転嫁出来ない中小企業対策についても法改正により対応が講じられる。

衆議院は通過したが、今後参議院の審議を経て更にブラッシュアップされるべきと思う。国民の皆さんからの厳しいお声に、この様なときだからこそ積極的に耳を傾けていきたい。
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景気条項について

2012-06-22 11:39:32 | 社会保障・税
以下、FBより貼付け。

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どうも伝わらない部分があるのであらためて。世間では「増税法案」と言われていますが、柱は「消費税法等の改正案」で、増税だけを謳うものではありません。

私は一貫して円高デフレ下で増税を行うべきではないと主張してきましたし、これからも主張し続けます。その私が何故この法案を了としているのかは、「景気条項」であるからです。

過去のブログにも記しましたが、法案には「税率引き上げの規定に関し、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる」とあります。

景気が悪ければ、税率引上げ「施行の停止」を規定しています。これは動かぬ事実です。

確かに、大玉である、年金、高齢者医療制度が法案として提出されていないことで、一体改革にはならないというご指摘は当たっています。確かに、歯抜けですね。同時に、今回は、消費税法改正だけでなく、社会保障制度改革推進法案、被用者年金一元化などの各年金法案、総合子ども園法案等が同時に提出されています。

3%引き上げの時期である2014年4月までに1年10ヶ月あります。それまでに、社会保障制度充実の為の施策を完了し、景気回復(どうやって?は後述)の状況を確認する。「其の時の政権が判断する」ことも3党協議合意文章に記されていますので、景気が回復していなければ、税率の引き上げは出来ません。言い訳ではなく、事実です。

法律に則って、引き上げも、引上げ停止も決まります。

では、景気が悪く引上げ停止になったとしましょう。其の場合でも、社会保障費負担増は待ってはくれません。人口動態の波を避けることは出来ません。これは我が国の宿命です。

これら国難に立ち向かうには、もはや景気回復しか残された道はないのです。繰り返します。日銀法を改正し、インフレターゲットを引く。紙幣を60兆程市場に流す、この出口は災害対策を大儀にした公共事業です。

想像を遥かに超えて景気が良くなり、税収が増え、場合によっては、消費税引き上げをする必要もなくなる可能性も見出すべきです。

増税だけを決めると云うイメージが、王道を進むという核心部分推進の障壁になっている気がします。
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長尾たかしの責任の果たし方・・・社保税関連法案

2012-06-20 12:36:36 | 政治信条
三党修正合意は重い。実務者から見ればギリギリの攻防であったとしても、与野党それぞれに持ち帰れば、納得出来るものでもない。共に内部で揉めている。ただ、与野党共に、この合意は党内事情を超えて重いものであるということを理解しなければならない。

理念だけで生きられればこんなに楽なことはない。理念を求め続け住まいを変えていくことも一つの道であろう。ただ私の場合、理念は掲げつつ、現実との狭間にもがき苦しみ、現実に近づけるべくその職責を全うする生き様を選びたい。

私は自助を第一義的に、共助、公助が存在しているという理念を持っている。社会保障に限らず、必ずしも、いや、相当理念が違うにもかかわらず、民主党の候補者として、民主党の看板をお借りし当選させて頂いたという現実がある。理念を押し通し、その場から逃れるのは簡単である。しかし、私の「生い立ち」上、理念と現実の狭間にもがき苦しむことは、私の十字架なのである。政権交代選挙で「長尾たかしを知らないけれど、民主党だから投票した」という方々への責任からは逃れられないからである。捻れも現実。与党実務者協議の担当者各位におかれては、掲げ続けたい理念についても降ろさざるを得なかった局面もあったであろう。社保税関連以外の法案もこれ以上吊るしの状態は脱しなければならない。

厚生労働委員会理事、社保税特委員として、社会保障は充実させたい。税収は一切他に流用されることなく、すべて社会保障に使われる。つまりは、消費税は国民に必ず還元される。これは強調したい。しかしデフレ円高下における増税は自殺行為である。税率引き上げをするならば、税収は増えなければ意味がない。タイミングを間違えることは絶対に避けたい。この時期ではない。これは一貫して主張してきたし、これからも変わらない。

今回仮に造反者が50名出たとしても、法案は成立する。これは、現実である。ならば、成立した後も、「施行されるまでにやるべきこと」に心血を注ぎたい。勝負は今ではない。

もはや残された道は限られている。法案に盛り込まれている「景気条項」をしっかりと実行させ、判断させること。景気が回復しなければ税率引上げ停止をさせること。歳入庁を設置すること。先んじて、日銀法の改正を行い、インフレターゲットを引き景気回復への道筋を作ること。同時に、耐震化を旗印とした公共事業で内需を拡大させること。当然、政治・行政改革という身を切る施策は大前提である。

流れを変えることが出来なかった私に課せられた職責はまさにこのことであると理解している。皆さんにはどうかこれを一緒に考えて欲しい。戦って欲しい。消費税率引き上げまでには時間があるのだ。

もし、私が逃げればこれは叶わない。そして、外部からでは何も変わらない、変えられない。

私は代表選挙で野田候補に投票し、野田政権を誕生させた一人である。動かぬ事実である。私の周辺では、野田さんは増税派ではあるが、この人なら説得出来ると思っていた。そして、残念ながら流れを変えることは出来なかった。この判断に対しての批判は積極的にお受けしたい。だからといって、沈みそうな船から自分だけ脱出することは許されない。

今後私は、たとえ少数派であっても、景気回復が望めなければ税率引上げは断じてさせてはならないと内部から主張し続ける。景気回復に全力を傾ける。野田政権を支える為ではない。国民生活を守る為に、間違った方向に進まぬよう、自分とは違った理念の決して居心地の良くない政党の内部で、現実に近づけていくことが私の責任であると戒めている。

国民の代表である与野党の国会議員による三党修正協議は重い。そして、「本当の勝負は引き上げ判断の時」であると思っている。ただその前に、必ず選挙がある。皆さんが長尾たかしをどう判断するかは、其の時であると思っている。
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国会内、本当の実態

2012-06-13 17:42:13 | 国会
以下、FBより

社保税、消費税は国内問題。安全保障についての議論が国会内で成されていないことが誠に遺憾。与野党共にこの二つは両輪と云いながら社会保障と政局に没頭。例えば、海上保安庁法改正関連を急げと党内で訴えるも、虚しい反応。野党も政局に没頭。

双方共に、「やらなきゃいけないこと」を放置して、「やりたいこと」をやっているという状態です。これでも、意を決して流れに逆らうも、あぁ、全く効果なし。10年間騒げば変わるかなぁ。

今日の公述人意見陳述は本当に参考になりました。主張は皆さん違うのですが、我々議員が判断をする為の参考としては最高レベルの意見陳述でした。

しかし、与野党協議に関わる当事者たる議員や理事各位が、これを聞いていないのです。委員会と同時平行させて協議を行っているので、椅子に座っていない。一体何の為の公述人意見陳述なのでしょう。

公聴会、意見陳述が行われるということは、審議も終盤戦という暗黙の了解。これが慣例。これが国会。・・・虚しい。この状況は放置出来ませんっ!!!!!
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生活保護問題・7法案セットで党議である

2012-06-05 19:15:29 | 社会保障・税
久し振りのエントリーとなってしまった。

社会問題となっている生活保護制度のあり方について、政府も世論の盛り上がりを受けて、ようやく動きつつあるのだが、参加する議論の場が非常に居心地が悪い。正直言って、根っこが違うのか、そもそもの前提が違うのか?自分のいるべき場所ではないのではないか?・・・とも考えてしまう。

弱者は救済されるべきであるが、弱者の振りをした怠け者が横行しこれを見逃すどころか、見て見ぬ振りすることで、真の弱者の救済がなされなくなっていることに大変な危機を感じる。特に地方公共団体からは悲鳴を頂いているものの、国は情けない程に鈍感なので、現場の悲鳴をバックボーンにこれでも戦っていく決意。

生活保護問題についての政府の認識は、経済的困窮と社会的孤立の深刻化、受給者過去最高更新、高齢化と若年層の急増、生活保護受給予備軍の存在が上げられているが、この項目に、なんと不正受給についての言及がない。この期に及んでその程度の認識なのである。今後の基準目標は、困窮と孤立からの脱却と貧困裏連鎖の防止、参加と自立(よくわからない)、各人の多様な能力開発向上による社会経済の活性化、「必要な人には支給する」、「給付の適正化」などである。が、必要な人には給付する?・・・んなことは、当たり前である。不正受給に対して認識がない割には、敢えてこんなフレーズを入れている。ということは、不正受給の存在は認識しているが適正化という言葉で逃げている。愕然とするのは、議論の視点。主体性と多様性を尊重し、本人の主体性や自己決定を重視せよという文言が並ぶ。何をかいわんやである。

本人の主体性と多様性を尊重し、主体性や自己決定を重視してしまったことで、おかしな制度になっているのである。

今後の見直しについても、従来からあるレセプトによるチェック強化、就労自立支援プログラムの強化にとどまり、以下、検討事項として、生活保護「脱却インセンティブの強化」、地方自治体の権限、医療機関に対する権限の強化など。某芸人の記者会見で特出しされた、扶養可能なものには扶養義務を果たしてもらうことについても、今後の検討。罰則の強化も検討事項という危機感の欠片もない惨憺たる内容なのである。上記はこれまでに提案された中身の概要なので、部門会議等を通じて必要な概念を盛り込むよう主張する。

生活保護制度は自立が前提。しかし、自立の為には、本人の意識とその受け皿が必要である。本人に意識がなければ自立には繋がらず、受け皿がなければ自立とは言えない。また、仮の話し、70歳以上の自立とは?これはもはや生活保護制度の中で対応するのではなく、別の枠組みで対応するべきではないかと思う。現実には自立は無理という人が相当割合いる。制度の理念を超えている現実がある。

そして、なによりも、生活保護制度は居心地が良すぎる。以前も記したが、言葉を選ばずに記せば、居心地を悪くすることは必要。生活扶助については、現金で支払うのではなく、クーポン等で対応し逆のインセンティブを持たせる。これを質問すると、個人のプライバシーに関わるという答弁が帰ってくる。クーポンでなくとも、地域通貨等での対応は検討するに値すると思う。自立支援施設あるいは、厚生保護施設といったハコモノを公で作ったほうが予算は圧縮できないか?現金での支給を最初の数カ月に限定して、その後は施設に入ってもらうという方法も柔軟に議論するべきと思う。

関連だが、大阪府下の高専賃の入居者の4割は生活保護受給者。業者は医者・介護士も抱えているので生活費のみならず医療費・介護費も使われている。医療費もせめて精神科だけでも徴収できるようにすればずいぶん圧縮できるのではないかというご指摘も頂いた。いや、甘いかっ。診療科目に関わらず、一律1割程度支払って頂くことは大いに検討するべきであると思うのだ。

生活保護の問題だけでなく、今議論している社会保障と税の一体改革議論は、景気対策議論ではない。円高で触れ不況で、更に萎縮する傾向にある限られた分母の中で、分子を効率よく配分しようというもの。分子をいじっても、分母は減るばかり。パイは分母以上に増えない。分母を増やすことこそ必要であり、これが景気対策である。

我が国は、昨年、東日本大震災を経験した。震災に学ぶならば、全国の公共物の耐震化、特に災害時に危難場所になるであろう公共物の耐震化を出口に、公共事業を行うべきである。民主党はコンクリートから人へを謳ったが、コンクリートも人が作っている。私は土木屋の息子故、その思いが強いのだが、必要な公共事業、誰も反対しない公共事業をやるべきと主張している。

亡くなった父がよく言っていた。西日本のコンクリートは弱いと。要はコストを低くする為に、塩分が完全に抜かれぬままコンクリートに混ぜられた海砂利が、ここ数年で剥がれ落ちてきている。コンクリートだけでなく構造上の問題もあるやに聞く。我が国は輸出大国ではあるが輸出依存はGDP対比16%。84%は内需なのである。新成長戦略は大切である。しかし、新しいものを作り上げるにはタイムラグがある。疲弊した日本経済を活性化させるカンフル剤は、耐震化老朽化を掲げたインフラ公共事業ではないか。因に、厚生労働省所管唯一の公共事業は水道管事業。昭和34年前後に埋められた水道管は地震、歪みに弱く、腐食も進み、特に水道管の内側などは衛生状態が良い筈はない。インフラとしては老朽化しすぎている。これを新しい技術を使い公共事業として国の紙幣をここに流すのだ。自民党からは日本強靭化計画と称し法案提出が予定されているが、私はこれに賛成である。

最後に重要なことを記す。

12日を過ぎれば何時採決が行われるかわからないというような緊迫した状態になるであろう。今回一括して審議されている7法案。7法案でワンセットで一体改革の入り口に立てる。「一体であるということが党議」である。「一体でなければ党議ではない」。

よもや、消費税法案だけを成立させて他は否決などというシナリオはないだろうなぁと思うものの、一抹の不安がある。

党議には従うが、党議と違う結論となるならば、誰しも態度は違ってくる。
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