長尾たかしの・・・未来へのメッセージ

自民党衆議院議員長尾たかしのブログ。平成11年からネット上で情報発信を継続。サラリーマン生活を経て政界へ。

2万人のユダヤ人を救ったハルピン特務機関長と関東軍参謀長

2006-06-25 10:50:08 | 歴史・伝統・文化
東條由布子氏の講演を聞くのは3回目だった。各回共通するのは、祖父東條英機氏の功罪の「功」の部分や、戦後の東條家のことには、自ら決して触れないことである。だから、以下記すことは昨日の講演では触れられなかったことであり、私が由布子氏の講演を聞いて、今、戦後について思うことを記すことを前置きさせて頂く。

東條由布子氏はNPO法人「環境保全機構」理事長を務めている。環境保全機構というと環境問題に取組んでいるかと思うが、違う。東南アジアに残された、260万柱といわれる大戦での犠牲者の遺骨収集を行っていらっしゃる。パラオのジャングルで、命を落とした50数年間放置された兵隊さん達の亡骸を見たときに、祖国に帰してあげたいと活動を始めた。

私の友人にもこの運動に参加している同士がいる。彼等は純粋な思いでまったくのボランティア。初めて遺骨収集をしたときなどは、厚生省が「日本人の遺骨かどうかわからぬものを、千鳥が淵においれするわけにはいかない」と、引受を拒んだという。それでいて、中国には20兆円ものODA。お金の使い方を間違っていると怒っていたことを思い出す。

東條英機氏の責任とは何か。私の理解では「首相として日本を敗戦国にしてしまったこと」である。その為、全ての責務を負って絞首刑に処せられたのである。その後東條家は国賊のレッテルを貼られた。由布子氏の弟さんは、昭和25年小学校に入学したが、入学式の際生徒全員の前で立たされ「この子のお祖父さんは、泥棒よりも悪いことをした人だ」と紹介されたそうであることを、何かの文章で読んだことがある。時恰も、戦後教育の導入段階にあり、人権・平和が叫ばれる中、東條家というだけで、いたいけのない子供に対し、人権を無視することを平気で行う。それでいて、人権・平和を唱える。彼等にそんな資格があるだろうか。

私も反戦平和主義者である。しかし、他国から不当な仕打ちを受けて黙っているほど柔ではない。少なくとも当時の日本は自存自衛の為に戦争に突入せざるを得なかったという歴史的認識は、世界の常識。中国と韓国、そして日本国内の反日運動家だけが、歴史的事実、日本国の偉業に目をつぶっている。

杉原千畝氏のことは多くの日本人が知っている。しかし、昭和13年2万人のユダヤ人を救ったハルピン特務機関長・樋口少将のことを多くの人は知らない。そして、彼に説得され当時の関東軍参謀長東條英機がこれを許したことも誰も知らない。だから、「東條の全てが素晴しい」と言うつもりは毛頭ない。

「事実を学ぼう」と申し上げている。

大東亜戦争について平成に生きる大人達が事実を学ぶこと。世界には日本の先代達がなした偉業から多くのことを学んでいる国家が多い。日本人自身が何故学ばない?歴史に目をつぶった国家は必ず滅びる。歴史を消された国家も必ず滅びる。善悪の区別すら付かない日本を、先代達はどんな思いで見守っているのだろうか。
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1 コメント

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長年の疑問が解けました。 (若林豊治)
2006-07-20 00:27:30
ユダヤ人を救ったことで樋口少将の功績が長年称えられています。しかし、私は特務機関長という任務と権限を考慮すれば、実際そのようなことは困難ではなかったかという疑問をもって参りました。今回、貴記事を拝読して、当時強大な権力を握っていた関東軍司令部の実力者である東条参謀長が理解ある処置をしたことを知り、疑問が解けました。軍隊という巨大官僚組織では、大きな決断を要する行動は(戦闘の真っ最中でなければ)一出先機関の指揮官でできるものでは有りません。私は以前から、東条英機大将は他の軍人にはない広い視野に立った判断をしていると思ったことが何回かあります。今回も、新たな事実を確認できたことに感謝申し上げます。
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