長尾たかしの・・・未来へのメッセージ

自民党衆議院議員長尾たかしのブログ。平成11年からネット上で情報発信を継続。サラリーマン生活を経て政界へ。

財源捻出提案、事実上のゼロ回答

2011-08-10 18:58:12 | 行財政・金融
瓦礫の次は、三次補正の財源問題。ひとつひとつ目の前のことに対処していくことが職責。

二次補正予算については、原子力損害賠償法等関係費で、2754億円。被災者支援関係経費で、3774億円、うち774億円は二重債務問題対策関係費。他、予備費で8000億円、地方交付税交付金で、5455億円。合計約2兆円。財源は決算上預金等から計上し、追加の国債は発行していない。問題は、三次補正予算である。

揉めに揉めた先日の議論の途中経過。復興期間とは10年、当初の5年間を集中復興期間とした。復旧復興対策の規模の推計の考え方としては、5年間の予算規模は、少なくとも合計19兆円程度を見込む。内訳は、救助復旧事業に係る規模として、10兆円程度(更なる内訳、災害救助、生活再建等で、4兆円程度、瓦礫、インフラ復旧で6兆円程度)と、復興に向けた事業に係る規模て、9兆円程度(更なる内訳、地域づくり等のインフラ投資等で8兆円程度、全国的な緊急防災・減災事業で1兆円程度)、因に、原子力災害に係る予算は含まれていない。そして、10年間の復旧復興対策の規模は23兆円程度を想定している。

問題はまず集中復興期間である5年間の財源19兆円をどこから捻出するか。これまでに、一次二次と補正予算合計6兆円を実行。子ども手当等の歳出削減と税外収入で3兆円程度。で、残り、10兆円程度をどうするか? ここで、基幹税(所得税・法人税・消費税)を中心として確保する等を許してはならないのだ。臨時増税措置の前に成すべきことはある筈だ。財源の基本方針では、一次、二次補正の財源に加えて、歳出の削減、国有財産売却の他、特別会計、公務員人件費等の見直しや、更なる税外収入の確保および時限的な租税措置により13兆円程度を確保することとしている。それでも足りぬ場合は、租税措置として基幹税等を多角的に検討するという順序。先週金曜日から、財源検証小委員会・財源チーム総会で激しい議論をしており、まさに今週のメイン事項。

また、与野党間の協議において、平成23年度税制改正事項について合意が得られる際には、改正事項による増収分を復旧復興に充てることも検討することとし、先攻する復旧復興需要を賄う一時的なつなぎとして発行する復興債については、その発行のあり方について、十分検討するとともに、従来の国債とは区分して管理する。その償還期間は、集中復興期間及び復興期間を踏まえ、今後検討し、時限的な租税措置は、償還期間中に行い、その税収は、全て復興際の召還を含む復旧復興費用に充て、他の経費には充てないことを明確化するため、他の歳入とは区分として管理することとする。

今後の進め方としては、平成23年度第三次補正予算の編成にあわせ、復興債の発行及び、税制措置の法案を策定し国会に提出することとする。また、租税措置の具体的な内容については、8月以降、本基本方針を踏まえ、税制調査会において検討し、具体的な税目、年度ごとの規模等を組み合わせた複数の選択肢を対策本部に報告した上で、政府・与党において改めて検討を行い、同本部で決定する。この本部における決定にあたっては、平成23年度税制改正と併せて与野党間の協議を呼びかけ、合意を目指すなど、相当理屈っぽく、軽々に増税議論にならぬようあちらこちらに箍をはめてきた。実に地味な、ねちっこい作業を繰り返している。

今議論しているのは、歳出の削減、国有財産売却の他、特別会計、公務員人件費等の見直しや、更なる税外収入の確保の部分。我々としてこれまでに政府へたくさんの提案をしてきた。具体的には、国有財産・政府保有株式(JR・日本たばこ・NTT)の売却、国債整理基金特別会計、外国為替資金特別会計、年金特別会計、エネルギー特別会計等の積立金の活用、公務員人件費カット、備品購入に係る入札制度改革、独立行政法人の不要資産の活用、公共事業5%執行留保の解除、建設国債の充当、国債の日銀引き受け、復興祈念貨幣の発行、電波オークションなどを提案してきた。ところが、今朝の政府からの回答は、事実上の「ゼロ回答」。あんぐりと口を開けてしまった。要はやる気がない。質問にも答えず、出来ぬ理由についても述べられていない。執行部は黙っていたが、我々と同じ感情を持ったに違いないと信じたい。この期に及んでも、霞ヶ関は、「我が国は有事の状態にある」という認識を持っておらず、あくまでも、予算を守ろうとしている。瓦礫法案は可決したが、こうして私にとって新たな戦いが始まった。

事業仕分けに象徴される財源の捻出にはある程度の限界があることはご承知の通り。その多くは、ストックの吐き出しにすぎず、一過性のもの。政権交代直後、確かに4ヶ月で来年度予算を構築することは物理的に不可能で前政権の予算要求をベースに行わざるを得ず、現実には予算の組み替えを行うことが出来なかったことで、政治主導の出足を挫かれたと認識している。私が役員を仰せつかっている政治改革推進本部で扱っている旧衆議院宿舎等の売却が昨日の常任幹事会で決定された。これもストック。中長期的な財源を考えるならば、無駄なフローに着目するも、なかなか適当なものが見つからなかった。ところが、震災を機にひとつ見つかった。河野太郎衆議院議員、玉木雄一郎衆議院議員が同じ主張をしている。原子力環境整備促進・資金管理センターのフロー資金である。もう、これしかないと強く主張していこうと思っている。

中身の詳細は、後日。あしからず。

※午後8時40分、加筆・・・政府保有株式については、当然のことながら外資系金融機関への売却については、郵政株と同様に法律で適正に対処することが前提。当たり前。
コメント (18)
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