長尾たかしの・・・未来へのメッセージ

自民党衆議院議員長尾たかしのブログ。平成11年からネット上で情報発信を継続。サラリーマン生活を経て政界へ。

「被害者支援」にとどまらず、「生活再建」に着目した大胆な支援策が必要

2011-03-23 12:33:32 | 社会
 18日、同僚議員と連絡を取り合い、「被災者の生命を守るために、災害対策基本法第28条に基づく本部長の権限を行使し、強制権を持って被災者全員の一時的避難をさせるべきである」と提言を官邸に提出した。「その際、全国の各市町村に受け入れを要請し、十分な受け入れ態勢を確保する。また、国は十分な財源措置を講じ、各自治体に交付金として配分する。尚、避難に当たっては、高齢者、病人、妊婦、子供等及び緊急性の高い地域の被災者を優先する。また、安否確認については、政府が責任をもって継続して行っていく。」

以下、理由。1.生命維持に必要な物資を継続的に被災地に搬送することは厳しい。一方で一旦避難をすれば、被災者に対する安全の確保並びに避難地での十分な物的支援が可能になる。2.今後仮設住宅を設営するにもかなりの時間を要すると考えられる。現在の避難状況が続けば、寒さと衛生状況により健康面での悪化が予想され、また医療面においても十分な支援ができない可能性が高い3.全国の自治体からの被災者の受け入れを要望する声が強くあり、国難に対し、各地域の力を総動員することで国家全体に活力を取り戻すことでできる。4.被災者を被災地から避難させることにより、政府は被災地の本格的な復興に取り組むことができる。

些か、強権的であると異論もあったが、今政府や民間などこの方向性で動いていると理解している。別に我々が提言するまでもなく、この方向となったであろうと思う。

さて、復興に向けた法案審議、法案の通過が次々と成されている。立法府の出番、役割である。現地の方からの情報だが、被災地へ霞ヶ関の役人、国会議員が来て物資を届け、激励に来て頂いても、別に何もして頂くことはないとのこと。有り難いとは思うが、「そこは国会議員の出番なのでしょうか?」と、参加していない私が叱責を頂いた。

現地では、自衛隊、海上保安庁、警察、消防関係者という瓦礫の山に対する有事のプロ集団、そして県職員と市町村職員が大変な活躍をして下さっている。震災発生直後、72時間は人命救助が第一。次のステージでは、現場状況の把握。次に、被災者の避難場所確保と、物資、人材の投入。ライフラインの復興・・・・。全国知事会の動きは速かったと思う。人材の投入、つまり壊滅的打撃を受けた行政の立て直しは、行政を、それも現場の行政が分かった者にしか出来ない。都道府県と市町村の行政事務には違いがあるので、このまま合併を想定した対応も必要なのではないかという提案もあるようだ。被災地行政がある程度機能しなければ、物資の搬入、ライフラインの確保もスムーズにいかない。物資は相当集まり、現地近くまで運ばれている。ガソリンも震災前の供給量を上回る精製体制で臨んでいる。それでも、物資、ガソリン、燃料が届かぬところもあるというのは、この震災が想定を超えた地震の大きさであったということに尽きると思う。

よって、これまでの概念を大きく超えた立法措置が必要と確信する。

阪神淡路大震災と異なる点は、「被災地の孤立化」「原子力発電所の被災」「被災県を越えた避難の大量発生」「長期化」「新たな財源スキームの必要性」である。また、街全体が壊滅状態となった最大の理由が「リアス式」という特殊性にある。そして、今後同じような災害が発生する可能性はあるわけで、単なる現状の復旧というよりは、土地利用方法の再検討を踏まえた街づくりが必要と思う。知事会から提案があったのは、一番低いところに港、次に低いところに商店街、一番高いところに住居といった作業の必要性。さらに、原発被災に関わって周辺住民が移住を余儀なくされる場合も想定しなければならない。

そして、財源。住宅損壊の程度に着目した被災者支援制度から、被災した世帯がどのように生活再建をしていくのかに着目した大胆な支援策が望まれると思う。細かな中身の議論は現場である地方に任せる。国はその責任を取る。地域再生に関わる全ての整備について基金を作る。国に使い道は決めさせない。財源が不足するであろうが、日銀の国債引き受けにより確実に確保する。

いろいろ記したいことがあるがここまで。財務金融委員会、国土交通部門会議、外交安全保障調査会、農林水産部門会議と出席予定。・・・・・・あぁ、厚生労働委員会は立っていない。変な鍔迫り合いをしていなければよいが・・・・・・・

同僚議員に苦言を一言。これから現地へボランティアとして現地視察に入ることも大切な議員活動だと思うが、我々は与党である。野党ならまだしも、今は「与党である義務を果たすこと」に全力を注いでいくべきと思う。先程記したように、現地ではいろいろな見られ方をしていることを理解しつつ、慎重に対応して欲しい。
コメント (11)
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