【全国有機農法連絡会 フォトニュース ブログ版】

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ほろ苦さは健康を整える

2013年04月29日 | 月刊「土の声」より

全国有機農法連絡会フォトニュース 土の声 2013年5月 第87号 より 

深い雪に覆われた山形山も4月半ばには雪も消え、昨年より1週間も早い春が訪れた。

フキノトウは花茎を伸ばし食べごろにまで生長している。茎に付いた葉をはずしアク抜きしたものを油揚げと一緒に炊いた料理は春らしいほろ苦さとふくいくたる香りも存分に楽しめる。花茎の根元には小さな傘を広げたヤマブキも芽吹いた。5月に訪れる会員さんたちは、このヤマブキで作るキャラブキは軟らかくて美味しいと摘み取って持ち帰る。そんな姿を見ると山形山があって良かった、と嬉しくなる。

隣の畑も秋に蒔いたニンニクが負けずと茎を伸ばし追肥のアミノ酸を吸っているようだ。この分なら7月までには大きく育ち収穫が楽しみになる。その隣でもニラの新芽が地面を押し上げ春の温もりを受け背を伸ばす。

この季節のニラは春野菜を代表するおいしさを持っており、さっと茹でるか、しゃぶしゃぶ風に湯に通し薄醤油か酢醤油だけでも十分に美味しさを味わえる。もっと深い感動を楽しみたい人なら手の込んだ料理法もあるが、さくさくと繊維の砕ける音を聞き、細胞から漏れ出たほんのり甘いエキスを一緒に噛みしめると春野菜の味の濃さを堪能させられる。春ならではのこのニラも今月半にはみなさんにお届けできます。楽しみにしてください。

ニラ畑の横ではアマドコロが食べごろを主張しツンとしていた。この山菜の持つ甘味とほろ苦さは多くの人たちの舌を魅了し、おいしい!とうならせている。

太い地下茎に蓄えられたデンプンやアミノ酸などを地上の生長点に引き上げて、味の構成を担っているのがカリウムとマグネシウム、このミネラルがアマドコロの味を決めている。しかもカリウムもマグネシウムも私たちの健康には欠かせない大事なミネラル、冬の間に淀みかけた血行を整えてくれると云うから春の山菜は健康面からもありがたい食べ物である。

今年は種蒔きから育苗を一人でこなした松田には、今月から定植する苗管理をまかせ、私は一足先に山形山で暗渠排水路の工事、堆肥撒き、耕起、畝たてをやり、連休明けのジャガイモの植付けやキャベツ、ブロッコリーなどの定植準備を進めている。ジャガイモは料理に合わせ3種類、男爵とメークイン、とうや、キャベツはシャキシャキ感の高い「YR青春」と「とんがりみさき」、どちらもサワー系で夏料理に向いている。みなさんにお届けできるのは7月です。

ブロッコリーは花蕾をたくさん持つ「緑嶺」を選んだ。蕾には様々な栄養素があり、栄養価の優れた野菜として評価が高い、しかも抗がん効果、花粉症にも効くというので健康面から食べる人も増えたようだ。確かにブロッコリーの生長点は花芽分化が盛んで蕾は栄養の集積庫となっており、多く食べた人ほど免疫力が上がり、健康野菜としてのエリートに入るのかもしれない。特に涙やくしゃみで苦戦している人たちにブロッコリーパワーが効いて欲しい。

 

 
全国有機農法連絡会 代表 米山 正
 


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