大潟村の屋敷さん夫妻が今年も全有連を訪ねてくれました。妹さんが仙台に住んでいるのでお母さんを伴い挨拶かたがたの訪問でした。今年81歳を迎えた母のチタ子さん、膝が少々悪いほかはお元気です。 3年前、父健吉さんが亡くなってからは、次女の恵さんが夫の寛明さんと一緒に大農場の後継ぎとなり、今年も厳しい有機農業を一緒に頑張っています。有機大豆も有機米もすでに完売しました。「有機というとすぐに売り先が決 . . . 本文を読む
88歳の今も現役で米作りに励む熊谷さん。一級建築士として山形市で事務所を開いていた熊谷さんが、高血圧の影響で眼底出血を起こし「このままでは失明する」と医者に宣告されたのが28年前。なんとか治したい一心でたどり着いたのが玄米食でした。 それも発芽玄米が良さそうだと知り、「自分で無農薬米を作ろう」と決意。天童市に五反分の田んぼを借りて有機農業を始めました。 幸い米作りは、田植え、稲刈りと大まか . . . 本文を読む
6月5日、快晴。山形県酒田の堀さんの田圃に鴨が放たれました。田圃を一枚ずつぐるりとネットで囲み、鴨の寝床を作り、カラス除けの釣り糸を細かく張り巡らせています。そこに入るのは、生まれてから2週間ほどの鴨。2匹ずつ入れるたびに、最初に入れた鴨へ合流するためにピヨピヨと鳴きながら泳いでいきます。2時間前までは孵化してから籾殻の上で餌と水を与えられ、水浴びなど一度もしたことがありません。毎年ながらそ . . . 本文を読む
見渡す限り圃場が広がっています。ここは大潟村です。かつて戦後の米増産の悲願をかけて干拓された八郎潟、20年の歳月をかけて1万7203ヘクタールという大干拓地が誕生しました。日本の農業を担う若者たちが厳しい国の選抜を勝ち抜いて入植しました。高野さんはその一世世代でした。しかし時はすでにコメ余りの時代に差し掛かっていました。増産の願いとは逆に減反政策が始まり彼らははその政策に分断されます。 高野 . . . 本文を読む
今年は猛暑の中で心配したお米も豊作となりました。昨年も、前半の生育がよく籾数が多く今年は豊作か、と期待したものでした。しかし干ばつ・水不足に加えて、後半には曇天が続き未熟米が多かったのです。 全有連稲作連合会では、昨年の減収を受け、山形県の水稲研究者を招き、基本から学びなおし、悪天候でもしっかり稔らせるべく、苗をしっかり育て、光合成能力の高い稲にすることを目標にしてきました。植付本数や株間、水管 . . . 本文を読む
9月19日、秋田県の内陸部の雄勝郡羽後町。田んぼの奥からまっすぐこちらに向かってくる稲刈り機。操るのは農業歴65年で長年合鴨米を作る米山さん。カーブして目の前を横切るコンバインは新品のようにぴかぴかに輝いています。 中古を購入したのかと思い、隣にいた奥さんに聞いてみると「この人は、本当にものを大切にするのよ、使い終わったら何日もかけて分解して、清掃して、ワックスかけて」しっかりと手入れをして機械 . . . 本文を読む
暑い暑い。お米が稔る登熟期間の気温のレッドゾーンは、最高気温34度以上、最低気温24度以上を越えた日が続きました。先週は台風10号の通過後のフェーン現象によって、日本海側の福井、新潟や新潟の県境の山形は40度超え。昨年は、この台風後の高温によって、稲穂が焼けてしまう「白穂」が多発しました。今週はレッドゾーンも下回り、登熟を続けてくれています。 全有連稲作連合会では、安定供給を目的に、気象のリスク . . . 本文を読む
毎年、合鴨農法に使用する鴨を供給してくれているのは鴨肉生産の第一農場の庄司さん。山形はもちろん近県で合鴨農法をしているものにとっては欠かせない存在です。今年も秋田の米山さん、酒田の堀さんがお世話になっています。
田圃には生後二週間程度の鴨を放ちます。同じ日に孵化し、同じ環境で育ったにも関わらず、つかんだときの骨の太さや筋肉の量とその動きに違いを感じます。田圃に入れても、先頭に立つ者、後から追 . . . 本文を読む
山形もようやく桜の開花がはじまり、米作りでは、いよいよ種まき直前となりました。その種籾は、塩水に入れて、比重の重たい充実した種だけを選別し、その後は殺菌をします。それは、いもち病や苗立枯病、「イネばか苗病」が付着しているからです。この菌にかかった苗は、背丈がひょろひょろと長くなってしまう異常が起きてしまうのです。この菌の殺菌のために、日本中で殺菌剤入りの水を大量に使用しています。農協の指導では「 . . . 本文を読む
熊谷さんのところでは、稔りの秋を迎えて米の調整作業や出荷が終わると、米作りがはじまる。 それは肥料づくり。20年以上前に失明勧告を受けながらも自分で作った無農薬米で克服し、さらに「健康になるための栄養を米一粒一粒にぎゅっと詰め込むのが大命題」と健康成分を合成する栄養素(SODなどの酵素、アミノ酸、ミネラルなど)に着目し、自家製の発酵肥料を作っている。秋になると、もみがら、玄米、米ぬか、昆布、カニ . . . 本文を読む