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再生力野菜

2013年02月04日 | 月刊「土の声」より

全国有機農法連絡会フォトニュース 土の声 2013年2月 第84号 より 

再生力野菜

 あらゆる生き物の命を支えている植物は誰もが凄いと納得するところです。有機農業を進めていると、ことさら野菜はじめ植物のメカニズムはとてつもなく高度で精密につくられており、人智でも未だ解明できないところをたくさん持っています。  

 一枚の木の葉が光合成で生成する澱粉やブドウ糖などの有機物も、産学連携で人工光合成に挑戦しているが複雑すぎて研究の域を脱していないほどです。植物免疫反応においても活性酸素の防御シグナルもどのような仕組みで発信されているのか全く不明です。  

 害虫に襲われた野菜が近隣の仲間に緊急警報を発信するとキャッチした仲間は急ぎ防御体制をとることも長い年月をかけた大きな進化です。植物とは私たちの考えでは及ばない高性能な設計図を持つ生物であったことに感動させられます。

 だからこそ、不滅の生命力を持ち、ズタズタにバラバラになっても発根や発芽を繰りかえし間もなく元の体に復元する凄い力も持っています。強烈な紫外線からも、病害虫からも、猛暑や干ばつからも、多雨酷寒からも、万能的に対応する天が創った傑作です。

 野菜は生長する過程で物理的な力や生理的な負荷が加わるとビタミンやポリフェノールなどの数々の成分を大量に合成し身の防御に備えると言います。それらの成分はみな私たちの健康にも直接働き切っても切れない大事な微量栄養素や必須栄養素となるありがたいものばかりで、このような成分をより多く合成した野菜を食べたいものです。

 今年も山形山農場では再生力の強いニラやキャベツにそのような成分をいっぱい貯めこんだ野菜作りを目標にしており、ニラは各種栄養素がびっしり含まれた優等生野菜なので頻繁に食べていただけるよう地力を高めひと月に数回はお届けする予定です。  

 またキャベツは食感の良いサワー系の品種を選び3月に播種、7月は第一回目の収穫でお届けします。二回目は収穫後の根から再発芽させ、結球したものを秋に送る予定です。

 おそらく皆さんの中には再生キャベツを食べた経験を持つ人は少ないでしょう。挑戦する自分もドラマチックで今からうきうきで、どれくらいの確率で再発芽があるものかも未知ですが、3年前小面積で実験した結果では半数ほどが結球しました。ただ玉伸びが抑制され小玉に育ったこと、サワー系のサクサクした食感から甘味のしっかりした食味に変った事などが気がかりですが、挑戦は元気が出るのでやってみます。

 再発芽を成功させるには地力増進と清潔な土質の畑でなければ病害虫に侵される可能性もあり、土壌管理を少し厳しくする必要があります。良い土で育った野菜は再生力や生長点に勢いがあり、食べると体が反応するので私も楽しみにしています。

 
 
全国有機農法連絡会 代表 米山 正
 
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