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雪国の農業 ~雪下野菜篇~

2023年02月27日 | やさいの生産者

▼山形県の北の最上地方、南の置賜地方は特別豪雪地帯にあたり、積雪量は天童の2倍をはるかに超えます。北と南の中間にありながら天童の積雪量は例年50cmほどと「少ない」のです。これは稲作だよりの写真でよく利用している田園風景に映る、右の葉山、左の月山、朝日連峰により、日本海から吹き込む厚い雪雲をブロックしていることが大きな要因です。
▼天童周辺の「雪が少ない」気候風土を活かして野菜の雪中貯蔵方法が確立されてきました。しかし、わたしたちにとって当たり前だと思っていた雪下野菜は、その重労働とリスクの大きさから、今では、ほんのわずかな人たちで続けられています。作り続けられるているのは全有連の会員のみなさんの存在。もし全有連がなければ雪下野菜は過去のものとなていった可能性も高いのです。
▼あきらかに非効率で重労働の冬の農業。生産者には感謝しつつ「会員さんが楽しみにしている、安心で抜群においしいものものを届けて喜んでもらおう」といつも声掛けしています。同時に、雪下野菜の生き字引的なベテランを師として、積雪の予想と越冬対策の技術を検証し、その情報を伝えて秀品率を高める努力をしています。

▼雪室貯蔵を祖父から伝授された大根の武田さん。一人仕事となりながら「会員様に美味しい物を届けるためにも頑張っていこうと思います」と続けてくれています。今年は大根の凍傷が多く、現場の状況の画像をLINEでやりとりしながら、ここまで大量のロスを出しながらも出荷中です。
▼白菜の岩月さんは「今年は雪が少なく、150個を掘り起こすのに、3人で90分のところ2人で60分ほど、助かりました。それでも寒くて寒くて。足だけは冷たくなり毎年しもやけです」と。「今年は後半から傷みが多くなり申し訳なかったです。畑を作り直して再チャレンジします」と前向きな声も聞かせてくれます。
▼キャベツの大沼さんは、農業資材会社を経営しつつ、当会の要請に応えて3年目。「彩音」という品種を米糠やフルボ鉄、海藻エキスを使い旨味を高めています。「最初は手の感覚がなくなるほど冷たいのですが、おいしいものを食べてもらおう、注文分は絶対掘り起こそうと、もう責任感のみで乗り越えています」と笑顔で答えます。
▼全有連の雪下野菜、来年もがんばってお届けします。

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