【全国有機農法連絡会 フォトニュース ブログ版】

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苗のタイムマシン

2013年04月09日 | 月刊「土の声」より

全国有機農法連絡会フォトニュース 土の声 2013年4月 第86号 より 

 

 とても美しいスーパーセルポット用の育苗台が完成しました。

 スーパーセルポットで育苗すると苗はタイムマシンに出会ったような育ち方もします。生長を早めたり、緩めたり、また生長を止めることも出来ます。えっ!と驚かれる人もいると思いますが、そうなのです。

 これまでの苗づくりは定植日から逆算して播種日を決めて蒔いていました。これだと天候が順調な年であれば全く問題がないのですが、天気が乱れ定植予定日に植えることが出来ない年などは苗が伸び過ぎたり、軟弱に育ってしまうことも多々あります。ところがスーパーセルポット苗は一週間のスパンで生長を調整することが出来るのです。天気予報に注意を払いながら管理するだけで定植時には最適の苗に仕上げることができます。

 苗半作という農事語がありますが、この方法なら育苗管理に失敗しガッカリすることもなく、いつでも健苗を移植することができます。しかも茎や葉のリグニン形成を優先させる育苗法も併せているので病害虫の攻撃も受けにくい特徴があります。また水と酸素を交互に供給する方式で根毛を見事に繁茂させ、水や酸素を蓄える能力を高めているので移植後の活着もスムーズに運び姿かたちの良い野菜に育ってくれます。

 みなさんに昨年7月中旬にお届けしたキャベツやカリフラワー、ニラ、小ネギ等は、このスーパーセルポットで育苗した野菜でした。今年は一度に8000株の苗を育てる育苗台を造ったので。これをフル回転させながら美しい野菜をお届けしたいと思っています。

 まだ、残雪の多い山形山農場ですが、5月にはニラやアマドコロをお届けし6月は小カブとキュウリ、7月はサラダキャベツとニンニク、8月にナス、トマト、9月はカボチャや夕顔などを計画しています。

 山形山農場は粘土質が多すぎて作業性が少し悪い畑ですが、事務方や箱詰めスタッフが農作業を嫌がらず、交代で種蒔きから定植、草取り、収穫まで一連の作業を手伝ってくれるので助かります。本人たちも自分たちが手入れした野菜がみなさんにお届け出来るとあって、ひとしおの喜びを感じているようです。まさに山形山農場の作物は全有連総出の野菜になりました。

 特に野菜づくりが大好きという松田には育苗台づくりに参加させたり、発芽後の苗管理から定植後のトマトやキュウリの脇芽掻き、ツルの誘引作業なども数年前から任せています。もともと育てるのが好きなだけあって実践と知識、知識と技術がかみ合うように農業書もよく見ているようなので頼もしさが年々現れてきました。去年より美味しい野菜、ご期待ください。

 
 
全国有機農法連絡会 代表 米山 正
 


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