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日本の農業事情 「米作りの30年問題」

2017年11月27日 | その他の生産者

 長年日本農業の大黒柱だった稲作が大転換を強いられます。国はこれまで長きにわたって続けてきた減反政策を廃止し、新たな農業政策を打ち出しました。これまで減反した面積に応じて支給していた補助金を来年度から廃止することしたのです。
 農家は自由に米を作ってよい、ただし市場に米が溢れても自由、数年前から転換をすすめてきた飼料米づくりにはさらに大きな補償をするというものです。大規模農家への配慮と言われています。
 農家に大きな衝撃が走っています。飼料米を作れば生産費に近い補助金が入ってきてさらに売上金も入るという甘い誘いです。
 丹精込めておいしい米を作るため技術を磨き、肥料を工夫し、品種改良を重ねてきた日本の米。甘言に乗れば日本の米作りはさらに衰退していくと思われます。
 食用米作りから一転して飼料米に転換した大規模産地も多いと聞きます。生きるため、生活を守るため、米産地は飼料米につかの間の希望を託しているようです。
 この制度転換により新たな問題も生じています。一時的なうまみで飼料米が増え、食用米が大幅に減る、畜産の飼料は潤沢になっても人の食べる米は不足し輸入米で補填する。こんな構図が見えるようです。一度作りっぱなしにした美田が元に戻るのでしょうか。
 アメとムチを巧妙に使い分ける国の政策により日本農業の衰退が加速していきます。
 今年の天候異常もあり、食用米は品不足で市場は値上がりしています。
 本格的な「30年問題」があらわになる来春どのような影響が出るのか、心配です。


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