長年日本農業の大黒柱だった稲作が大転換を強いられます。国はこれまで長きにわたって続けてきた減反政策を廃止し、新たな農業政策を打ち出しました。これまで減反した面積に応じて支給していた補助金を来年度から廃止することしたのです。
農家は自由に米を作ってよい、ただし市場に米が溢れても自由、数年前から転換をすすめてきた飼料米づくりにはさらに大きな補償をするというものです。大規模農家への配慮と言われています。
農家に大きな衝撃が走っています。飼料米を作れば生産費に近い補助金が入ってきてさらに売上金も入るという甘い誘いです。
丹精込めておいしい米を作るため技術を磨き、肥料を工夫し、品種改良を重ねてきた日本の米。甘言に乗れば日本の米作りはさらに衰退していくと思われます。
食用米作りから一転して飼料米に転換した大規模産地も多いと聞きます。生きるため、生活を守るため、米産地は飼料米につかの間の希望を託しているようです。
この制度転換により新たな問題も生じています。一時的なうまみで飼料米が増え、食用米が大幅に減る、畜産の飼料は潤沢になっても人の食べる米は不足し輸入米で補填する。こんな構図が見えるようです。一度作りっぱなしにした美田が元に戻るのでしょうか。
アメとムチを巧妙に使い分ける国の政策により日本農業の衰退が加速していきます。
今年の天候異常もあり、食用米は品不足で市場は値上がりしています。
本格的な「30年問題」があらわになる来春どのような影響が出るのか、心配です。
最新の画像[もっと見る]
- ひたすら手作業の果樹栽培 さくらんぼは凍霜害にあいながらも順調に生育中 1年前
- 「学生食糧支援」の活動家が物資回収に 1年前
- 山形山の農業始まりました 2年前
- さくらんぼの作柄を決める交配時期 2年前
- 一昨年の悪夢が…サクランボが心配に 2年前
- 丸田さんを迎えて初めてのズーム集会 無事終了。 2年前
- 春になりました種まきハウスも準備万端 2年前
- 東日本大震災12年「追悼・復興への祈り」 3/11 2年前
- 雪国の農業 ~雪下野菜篇~ 2年前
- 初めてのズーム集会 「交流会&講演会」 2年前