のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

木の葉聖書/阪田寛夫

2011年05月17日 22時41分35秒 | 備忘録
「おなかのへるうた」や「さっちゃん」の童謡が有名な詩人、阪田寛夫さん。
彼のすべての詩が収録された詩集が刊行されたというニュースと共に
「木の葉聖書」という詩が今朝の新聞に掲載されていました。

あまりに素敵な詩だったので、自分用のメモとして記録。
詩集もぜひぜひ本棚に並べたい。

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神さん
なんでおれひとり
いじめられてばっかり
おらんならんのか
と、悲しむ者は
しあわせや
木の葉が一枚
おまえの肩にとまっても
泣くほどうれしく
なるやろが
ほんまにわしは
きみらに告げる
わし一枚が
風に吹かれて落ちるのも
じぶんかってに
ひらひらするのやないわいな
とこ
とんやれな

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読みながらまさしく聖書だな、と思いました。
言葉を大切にする詩人という生き方ってすごい。
こんなにも分かりやすい言葉で聖書の世界観を再構築できるなんて。

読み返すうちに、ドラマ「セクシーボイスアンドロボ」で
浅丘ルリ子さんが演じた謎の夫人の科白を思い出しました。

「そうよ。あなたのせいよ。
 だってあなた一人で生きているんじゃないもの。
 この世界にあなたは関わっているの。
 どうしようもなく関わっているのよ。」