のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

イノセント・ワールド/1998年日本

2002年08月31日 21時54分13秒 | 映画鑑賞
■イノセントワールド
■出演
 竹内結子、安藤政信、豊原 功輔、伊藤 かずえ
■ストーリ
 17歳の女子高生アミは、知的障害者の兄タクヤと両親の4人暮らし。
 両親はタクヤが生まれた後、より良い子供を求め、人工授精でアミを
 生んだ。アミはそんな家族に嫌気がさし、援助交際でお金をため、
 タクヤと二人で暮らそうと家を出る。
 彼女たちが向かったのはアミの本当の父親の家だった。アミは
 小さい頃から自分を呼ぶ声を聞き続け、その声の主が父親なのでは
 ないかと真相を確かめに向かったのである。
 しかし、その声の主は彼ではなく、小さい頃から彼女を愛し続けていた
 タクヤの声だった。

■感想 ☆☆☆☆
 本日は台風のため、家にこもっておりました。
 いえ、台風好きな私は家の周りをうろついていたのですが
 近くのクリーニングのおばさんに
 「はよ帰りなさい!台風なんだから」とおこられ、帰宅。
  しかたなくテレビをつけたら、なんと以前から見たかった
 映画「イノセントワールド」がちょうど始まったところでした。

 とにかく、竹内結子がかわいい。彼女から目が離せませんでした。
 彼女の愛らしさを見るだけでも充分に楽しめる作品ではないかと。
 また、全編を通して画面が薄いブルーのフィルムで覆われているような
 映像で作品の透明感、登場人物の純粋さ、もろさがよくでていました。

 兄妹であるために、お互いに自分の気持ちにシャットアウトする二人。
 タクヤは妹アミを求めていることを気づかれないように、いもしない
 「白いウサギ」を探し続け、アミは自分の気持ちに気づきたくないがために
 感情というものを捨ててしまう。「嬉しい」も「哀しい」も全て。
 それでも彼女を呼ぶ声は聞こえ続け、彼女もその声の主が
 知りたくてたまらない。

 切ない気持ちになりました。
 人って自分の気持ちにふたをすることができる生き物なのだな、と。
 また、自分が自分の気持ちから目をそらしていることに
 気づかないふりをすることまでできてしまう。
 そんな器用な嘘のつき方をする不器用な人間たち。
 その不器用さがたまらなく愛しくてたまりませんでした。
 結局は自分の気持ちに素直に耳を傾けて生きていくことが
 大切なんだけど。
 求めている「白いウサギ」を手に入れるためには
 「ウサギがほしい。」と声に出すだけではなく、
 どのウサギがほしいのかを指で指す必要があるのです。

 でも、結局、最後にもっとも心に残ったのは竹内結子ちゃんの
 愛らしさだったんですが。
 見終わった後の幸せ感といい、お勧めです。