あるニヒリストの思考

日々の思いを綴る

精神疾患は深層心理のストレス回避法である(自我その50)

2019-03-05 15:21:36 | 思想
人間は、職場や学校、そして家庭などの生活環境の中で、自分の精神が堪えきれないまでにストレスになることが連続した場合や自分の精神が堪えきれないほどに大きなストレスになることが起こった場合に、精神疾患に陥る。ストレスは、自分で考えても容易に解決が見出せないこと、自分では何も考えないくらい大きなショックを受けたことによって引き起こされる。ストレスになることは、職場では、いつも上司に悪口雑言を浴びせられること、降格させられたこと、左遷させられたこと、学校では、毎日いじめられること、一生懸命に勉強しているのに成績が上がらないこと、希望大学の受験で不合格だったこと、家庭では、夫の浮気が何年も続いていること、妻から離婚を切り出されたこと、一人息子を交通事故で失ったことなどである。しかし、確かに、連続したストレスや大きなストレスが精神疾患の原因であるが、それらが直接的に精神疾患を引き起こしたのではない。深層心理(無意識、我々の心の奥底にある思考と感情)が、連続したストレスや大きなストレスに堪えることができないので、これ以降はストレスを感じることが無いようにするために、自ら、精神疾患になったのである。つまり、精神疾患に罹っている人は、その人の深層心理が自ら精神疾患になることを選び、ストレスを避けようとしているのである。深層心理が呼び入れたものだから、その精神疾患が連続した頭の疼痛を引き起こしていても、表層心理(意志、我々が意識している思考)の力でその精神疾患もその疼痛も治すことができないのである。深層心理は、表層真理が力の及ばない領域に存在するのである。例えば、そもそも、頭に原因のわからない疼痛があるから、我々はその原因が毎日の上司の叱責であることなどを探り当ててストレス回避のために会社を休むことを考え、頭に連続した疼痛があるから会社に行けない状態になり上司の叱責というストレスを回避できるのである。つまり、深層心理が表層心理に頭の連続した疼痛の原因を考えさせるとともに、会社に行けなくさせているのである。いずれも、ストレス回避のためである。それは、身体疾患と同様の現象である。例えば、身体疾患の一つに風邪がある。我々は、風邪を引くと、発熱したり、咳が出たりする。深層心理が表層心理に発熱や咳の苦痛の原因を考えさせ、熱でウィルスを弱らせたり殺ししたりし、咳でウィルスを体外に放出したりするためである。また、精神疾患に罹っている人に「頑張れ。」と声を掛けるのは良くないのは、逆効果だからである。「頑張る」の語源は「我を張る」である。今まで会社員という自我を張って、周囲の期待を背負い込んで、上司の叱責に堪えてきたから、ストレスがたまって精神疾患になったのである。だから、これ以上、周囲の期待を背負わせてはいけないのである。自我を張らせてはいけないのである。むしろ、心を解放させることが必要なのである。本人が表層心理(意志、本人が意識している思考)で精神疾患から逃れようとしても、深層心理がもたらしたものだから、それは不可能である。また、ストレスの原因であった上司の叱責が収まっても、精神疾患とは現実を見ないようにするような状態であるから、精神疾患に罹っている間は、ほとんど効果はないのである。むしろ、上司に恐怖を懐いているから、会わせないようにした方が良いのである。精神疾患に罹ったならば、会社を休ませ、薬物療法を取り入れることが大切である。薬物療法で頭の疼痛が収まっても、会社の職場環境が改善されていなければ、転職を考えるべきである。さて、さまざまな精神疾患がある。しかし、目的は一致している。それは、ストレス回避である。例えば、精神疾患の一つに鬱病がある。鬱病になると、気分が沈んで何事にも意欲を失い、思考力・判断力が抑制された状態になる。それは、深層心理が、本人を鬱病に罹らせ、何事にも意欲を失わせ、上司の叱責が待っている会社に行かせないようにしているのである。精神疾患の一つに離人症がある。離人症になると、自己・他人・外部世界の具体的な存在感・生命感が失われ、対象は完全に知覚しながらも、それらと自己との有機的な繋がりを実感し得ない精神状態になる。それは、深層心理が、本人を離人症に罹らせ、会社・上司の地位・自分の地位の存在を軽んじさせ、上司の叱責を他人事のようにどうでも良いように思わせるのである。精神疾患の一つに、統合失調症がある。統合失調症になると、妄想や幻覚などの症状を呈し、人格の自律性が妨げられ、周囲との自然な交流ができなくなる精神状態になる。それは、深層心理が、本人を統合失調症に罹らせ、会社・上司の地位・自分の地位の存在を夢のように実感の無いものにし、上司の叱責も夢心地で聞かせ、心を傷付かせないようにするのである。このように、深層心理(無意識、我々の心の奥底にある思考と感情)が、連続したストレスや大きなストレスに堪えることができないので、これ以降はストレスを感じることが無いようにするために、本人を精神疾患に陥らせたのである。つまり、深層心理は、自ら、精神疾患になったのである。