あるニヒリストの思考

日々の思いを綴る

日本、滅びの国へ(その4)「日本は積極的に戦争をする国になる」

2017-10-09 17:07:31 | 思想
衆議院選挙を前にしてのマスコミの比例投票の政党の世論調査を見ると、自民党30%代前半、希望の党は10%代後半を占め、両党を合わせると、優に、50%を越えている。マスコミは、来たる衆議院選挙において自民党が勝つか希望の党が勝つかを話題にしているが、両党の内政についての考えに多少の違いはあるが、外交政策に関しては一致しているのである。自民党と希望の党は同じ穴の狢なのである。希望の党は自民党の補完勢力であると批判している人もいるが、その指摘は全く正しいのである。自民党が勝とうが、希望の党が勝とうが、両党が協力して、日本を積極的に戦争をする国にすることは確実なのである。自民党は、これまで、秘密保護法、集団的自衛権、共謀罪を強行採決で突破してきた。後は、日本国憲法を変え、自衛隊を公然たる軍隊にし、天皇を元首としていただき、私(個人の権利)よりも公(国家(時の政府)の意向)を優先し、個人よりも家を重んじることを国民の基本の思想とするような憲法にするだけでる。これらは、皆、自民党の憲法草案に盛られていることである。確かに、まだ、希望の党には憲法草案は存在しない。しかし、希望の党の候補者の面々が、公に、自民党の安保法制に賛成すると言っているのを見れば、希望の党が自民党の憲法草案にすり寄っていくのは間違いないのである。自民党・希望の党による(そして国民投票による)憲法改正が成功した後、待っているのは、徴兵制の導入である。右翼思想の人たちは、若者が減っていくから徴兵制にしないと自衛隊員が足りなくなる、徴兵制にしないと良い人材を得られない、徴兵制にして訓練して全若者を心身共に強くする、徴兵制にして訓練して全若者に愛国心を植え付けるなどと主張し、徴兵制導入を勧める。このような風潮の中で、一般国民の多くもはそのような考えに引きずられているのである。一般国民の多くは、自民党・希望の党の国会議員が、国家(政治家)が国民を統制し、国民が自由に発言し、行動できない国にしようとしているのに気付いていないのである。自民党、希望の党、似非右翼の人たちは、アメリカを後ろ盾にして、中国、北朝鮮、そして韓国と対峙しようと考えている。そして、これらの国との戦争も辞さない思いでいる。ちなみに、似非右翼と言ったのは、真の右翼はどの国をも後ろ盾にしないからである。そして、一般国民の中にも、これらの人々に同調する考えの人は多い。しかし、一般国民に、戦争を辞さない覚悟まであるのだろうか。戦争になったら、真っ先に死ぬのは自衛隊員であり、次に、一般国民である。自民党にしろ、希望の党にしろ、国会議員は最後に死ぬか、生き残るのである。理不尽なことに、戦争を起こした総理大臣が、勝つにしろ負けるにしろ、生き残るのである。さて、自民党、希望の党、似非右翼、一般国民の多くが頼りにしているアメリカは、本当に頼ることができ、信用できるのだろうか。太平洋戦争を見ればわかる。戦前、欧米諸国と日本は、中国を、それぞれの国の支配地域を、それぞれの国のやり方で、植民地化していた。言わば、棲み分けしていたのである。しかし、日本が、満州国という傀儡国家を作ってから、状況は一変した。一般に、太平洋戦争の原因は、日本政府が、アメリカ政府にハルノートを突きつけられ、拒否したことだとされている。ハルノートには、日本軍の中国・インドシナからの完全な撤退、中華民国国民政府以外の中国における政府・政権の否認などが主張されていたが、重要なことは、満州国の放棄である。それを日本の軍国主義政府が、愛国心という欲望の故に、拒否して、戦争に突入したのである。そもそも、アメリカに限らず、日本が、本当に頼ることができ、信用できる国は存在しないのである。日本人に愛国心があるように、アメリカ人にも、中国人にも、北朝鮮人にも、韓国人にも愛国心はあり、それに沿って行動するからである。それらの国民は、日本ファースト、アメリカファースト、中国ファースト、北朝鮮ファースト、韓国ファーストの考えを持っているのである。それが愛国心の正体である。それゆえに、一国の総理大臣や大統領が、強引に、国民に愛国心を煽り、鼓舞して、自らの愛国心を発揮したならばどうなるか。言うまでもなく、他国と戦争するはめに陥ってしまうのである。だから、賢い総理大臣や大統領は、他国の総理大臣や大統領の愛国心、他国民の愛国心に配慮して、妥協しながら、外交政策を行うのである。しかし、賢い総理大臣や大統領が存在するならば、必ず、愛国心に駆られた、暴走する総理大臣や大統領が存在する。そのような者たちは、戦争を辞さない、無理強いの外交政策を展開する。そして、戦争に突入することが往々にして起こる。彼らは、戦争に負けても、総理大臣や大統領をやめさせられても、殺されることはなく、戦争に勝てば、英雄になれるのだから、欲望に駆られて戦争を起こすのである。愛国心とは欲望なのである。だから、愛国心に駆られた、暴走する総理大臣や大統領が、戦争を辞さない、無理強いの外交政策を展開しようとしていた場合、野党と国民の強い反対が必要なのである。野党勢力が弱く、国民の大半が愛国心に扇動され、冷静な判断を失っている時は、必然的に戦争に突き進んでしまうのである。今、まさに、日本は、そのような状況にある。もちろん、アメリカを後ろ盾にしてのことである。しかし、日本がいずれの国と戦争になってもアメリカ軍は動かない。アメリカに、何のメリットがないからである。アメリカファーストの愛国心からは、当然の帰結である。中国は、アメリカの経済支援国である。特に、国債の最大の購入国である。また、中国とアメリカが戦争になると、両国が核の被害国になり、共倒れになる可能性が十分に考えられるからである。日本と北朝鮮は戦争になっても、アメリカ軍は動かない。北朝鮮は、何をして来るかわからない国だからである。韓国にいるアメリカ軍兵士が襲撃され、日本にあるアメリカ軍基地が攻撃され、アメリカ本土に核が打ち込まれる可能性があるからである。日本が韓国と戦争になっても、アメリカ軍は動かない。韓国にアメリカ軍基地があるからである。日本が韓国と戦争になると、恐らく、アメリカ軍は自衛隊を抑え、戦争に行かせないようにするだろう。現在でも、アメリカ軍は自衛隊を実質的に統制しているのだから、それを、形式的にも統制するだけのことである。このように、日本がいずれの国と戦争になってもアメリカ軍は動かないのである。アメリカ軍は動かないばかりでなく、アメリカ政府は、中立国を宣言する可能性が十分にある。そうなれば、アメリカの後ろ盾を失った日本は、自国だけで戦わなければならなくなる。第二次世界大戦での遺恨を持っているこの三国は、容易に講和に応じず、徹底的に日本を攻め、完膚なきまでに叩きのめそうとするだろう。中国や北朝鮮は日本に核を落とすだろう。韓国は、日本軍に自国の若い女性を慰安婦にされたことにいまだに恨んでいるから、日本に攻め入った韓国軍は日本の若い女性を見境なく凌辱する可能性が十分にある。この三国共に、第二次世界大戦中、男性たちが日本で劣悪の環境の中で強制労働させられたから、日本に攻め入った軍は日本人男性を自国に連行し、劣悪の環境の中で強制労働させる可能性は十分にある。しかし、ニーチェの言うように、「大衆は馬鹿だ」から、今回の衆議院選挙では、自民党・希望の党の圧勝に終わるだろう。国民は、気付いていないのである。自国の愛国心に踊らされ、他国民にも愛国心があることを。また、日本国民は忘れやすい民族であるから、第二次世界大戦(太平洋戦争)中のアメリカ軍による、無法で残酷な広島・長崎の原爆投下を、恨み骨髄と言えるほど非難していないが、現在でも、中国・韓国・北朝鮮を中心にして、アジア各国の人々が、第二次世界大戦(太平洋戦争)中の日本軍による、無法で残酷な侵略を、恨み骨髄と言えるほど恨んでいることを。現在の高い就職率は、非正規雇用者の圧倒的な増加、簡単な首切り、低賃金、無休の残業、国の借金によって成されていることを。だから、現在は好況ではないのである。自民党が勝とうが、希望の党が勝とうが、それは問題ではない。問題は、どちらが勝とうと、絶対的な勢力を誇る両党が協力して、憲法を変えて、ひたすら、戦争の道に突き進むことである。しかし、ニーチェの言うように、「大衆は馬鹿だ」から、今回の衆議院選挙では、多くの国民は、自民党や希望の党を選ぶだろう。そして、遠くない将来、日本は戦争を起こすだろう。そして、悲惨な目に遭って、生き残った国民は後悔するだろう。しかし、その時、日本という国は、残っているのだろうか。マルクスは、「歴史は二度繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として。」と言った。確かに、一度目の悲劇は、第二次世界大戦(太平洋戦争)であった。そして、自民党・希望の党・似非右翼は、二度目の喜劇としての戦争を、中国、北朝鮮、韓国に対して起こす方向に突き進んでいる。しかし、その後、日本は、存続しているのだろうか。その後も、日本は歴史を紡ぐことができるのだろうか。