9/29(月) 晴れ
早い者で北海道を発つ日となった。最後の日に何をやろうかと考えたとき、やっぱり釣りだな、と思った。
フェリーに乗る苫小牧まで襟裳岬を経由して海岸沿いを行くので、その途中にある川に寄ってみることにする。
まず、近場の道道987号に向かった。森の中をダートが続く。
途中後ろから車が来るのが見えたので道路脇に寄ったところ、運転するおじさんがこんな山の中で何してるのと聞いた。寄り道です、と答えたがおじさんはどこに向かうのだろう。
走っているとなぜか獣臭がした。臭い、臭すぎる。川の見える分岐点でバイクを停めた。
まだ臭い。こんなに臭いことがあるのだろうか。
河原に向かうと臭いはなくなった。この前の大雨で川は荒れていた。ザラ瀬が続き、釣れそうにない。
しばらく行くと大きな淵があってルアーを追いかける魚影が見えた。が釣れなかった。
すると、大きな魚が現れた。サクラマスだろうか。この魚を見られただけでよしとしよう。
バイクをおいた場所に戻るとまた獣の臭いがした。道路には多くの足跡もある。熊かもしれない。
ここはやばそうだ。早いところ立ち去ろう。
しかし、走ってもまだ臭い。そしてようやく悟ったのであった。
臭いはバイクから出ているのだ。牛糞がべったりと車体に付いているに違いない。
臭いよりも早く走ることによって臭いから逃れた。
それにしても道道978号は大型オンロードバイクで走るような道ではない。
泥濘で前輪が急に方向を変えた。目の前に2メートル程の崖が見えた。落ちたら今日帰ることができないな、と思って逆にハンドルを取ったら見事に転んでしまった。
転んだ際に右足がパニアケースの下に引きずり込まれ、足がおかしな方向に曲げられてしまった。
やってしまったか、と思ったが大丈夫そうだ。ブーツを履いていて良かったが、すり減ったタイヤは北海道に渡る前に替えておくべきであった。
舗装道路はなんと走りやすいことか。襟裳岬まで一気に走った。襟裳岬は風が強く波も高かった。
お昼時だったので、襟裳岬の食堂 むてき でえりもラーメンとつぶ丼を食べた。冷えた身体にラーメンのスープが染み込んだ。つぶ丼の甘く煮込んだツブ貝がビールを呼んでいる。
時間があるので朝露に濡れたテントをパーキングで乾かしたり、コンビニでお茶など飲みながら苫小牧に向かった。
フェリーに乗る前に回転寿しの海天丸でにぎり寿司、セイコーマートで酒とつまみを調達した。毎年思うのだが、北海道の回転寿しのレベルは高い。
日が暮れて仙台行きのフェリーに乗り込んだ。
フェリーでは生バンドでジャズを聴いたり、ちょっと古い映画を見たりした。このダラダラ感が船旅なのだ。