風になれたら

SUZUKI Bandit1250Sに乗って風になり
中島みゆきや渡辺美里を聴いて風になり
山を歩いて風になる

大雪山・十勝岳連峰縦走 2020 5日目 (最終日)

2021-03-24 | 徒歩の旅

7/9 (木) 晴れ

昨日は丸々一日寝ていたので大分疲労が取れた。そして、一日降っていた雨が上がって今日は良い天気になりそうだ。

テントから出るとオプタテシケの山塊が温かく優しい朝陽に包まれていた。太陽の光はいつも安らぎを与えてくれる。

雨の中二泊してぐちゃぐちゃに濡れてしまったテントを畳む。雨を吸って重くなったテントを丸めてバックパックに詰め込んだ。

テント場から暫くは雪渓を登っていく。昨年ここを通った時に登山道を見つけるに手こずったり、スリップしたりしたことを思い出した。

雪渓を登り切って振り返れば山の緑に雪渓の白が映え、真っ白な雲が浮かんでいた。

オプタテシケ山頂前のピークを過ぎて振り返る、昨年霧の中でこのピークを山頂と勘違いしたな。

山頂直前の急登を登って登頂。ここは富良野側の登山口から日帰り圏内、少しホッとする。

肩の皮や足の皮が剥けてしまい歩くたびに痛いが先に進むのみだ。静寂の中、ベベツ岳、石垣山と一山一山超えていく、そして美瑛富士避難小屋の分岐まで辿り着いた。

今日は美瑛富士避難小屋でテントを張るか、それとも先に行くか。時刻はまだ11時過ぎ、十分先にいける時間はある。問題はどこまで先に進むかだ。傷んだ足を引きずって十勝岳を越えて上ホロカメットク避難小屋まで行ってもう一泊できるだろうか。でも踵や肩の皮が剥けた状態で歩くのは辛いし、何より破傷風が心配だ。吹上温泉登山口に今日中に下山しよう、そうしよう。美瑛富士避難小屋の分岐から進むと昨年折り返した雪渓の先に美瑛岳が見えた。昨年はここで折り返して望岳台に一度下山したのだった。

のろのろと次の美瑛富士の分岐に着くと一人の登山者が美瑛富士に向かうところだった。彼は走っていた。。。

そこから暫く行った美瑛岳の分岐からはハイマツの藪や急な下りの連続で、時折雪渓や川が現れると言う盛り沢山な内容で足は悲鳴をあげていた。

そして下りてきた山道を振り返る。もう少しだ。

よくやった、と言いたいところだけれど、ここから下山口まで2時間ほどあり、最終バスの時刻が迫っているので常に距離と時間を確認しつつ歩いた。まぁ遅れたら下山口のキャンプ場に泊まると言う手もある。何度か入ったことがあるが、ここには大きな露天の温泉もあるのだ。

そして下山口の銀水荘に到着、最終バスの20分前であった。よくやった。

バスで上富良野に着き、そこから富良野線で旭川に向かった。列車に揺られながら畑の丘の向こうに見える十勝や大雪の山々、そこを歩いた充足感が景色をさらに美しい記憶に変えてくれた。

旭川の駅ビルで夕飯を食べた。生ビールに味噌チャーシュー麺、美味い、美味い、美味い、と思ったに違いない。下山してやりたいことはいつもビールとご飯なのだ。

おしまい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする