9/26(金) 晴れ 走行距離 170km 歩行距離 7km
目覚めると快晴であった。濡れたり湿った持ち物が多くなり荷造りに思いのほか時間がかかってしまった。
紅葉の時季、大雪高原へのマイカーの乗り入れは制限されている。国道近くの駐車場にバイクを停めてそこからはバスだ。
7時のシャトルバスが出る直前であったので、7時半のバスに乗ることにしてゆっくりと着替えて濡れたグローブや小物をバイクに干した。
昨日買ったおにぎりを食べてバスに乗り込むとやる気スタイルの登山客が多数を占めていた。僕はと言えば渓流釣りの時とほぼ一緒だ。
雨具、地図、コンパス、GPS、エマージェンシーシート、使い捨てカイロ、笛、サンドイッチにお菓子多数とこれもほぼ一緒だ。
ダートの道をシャトルバスに揺られること25分、大雪高原温泉に着いた。
入山名簿に名前を書いて、ヒグマ情報センターで講義を聞いてから出発だ。
ここはヒグマの有名な生息地なのだ。講義を聞いているとき、後ろのおじさんが窓の外にテレビクルーを見つけて誰?誰?と騒いでいた。
こういうときは静かに聞くものなのだ。説明が終わってセンターの人が南野陽子さんだと教えてくれた。
さて、行くぞ。歩いてすぐ南野陽子さん一行の横を抜けた。綺麗なお姉さんであった。
前を横切るとき、デラマガ時代にファンでしたとココロの中で呟いた。
思わず声を上げるような黄葉の中を歩いてゆく。いいね。
どちらを向いても絶景が続く。そしていくつもの沼が目の前に現れていく。
滝見沼
緑の沼
緑の沼から少し行くと沢があり、岩魚が泳いでいた。
式部沼
大学沼
突然つむじ風が巻き起こり、笹の葉が舞い上げられた。
高原沼、向こうに見える山は緑岳だ。
ほとんどの人はこの辺りから来た道を引き返す。
引き返さず先に進む。歩いた者だけが見ることのできる景色だ。
空沼
そこから先は沼は無く、山道と沢が続く。アイヌの人々は沢を伝って熊を追いかけたり魚を釣ったりしていたそうだ。
高原温泉に戻った、思ったよりも早く帰れたので温泉で汗を流した。青空の下、紅葉した山を眺めながら入る露天風呂、冷たい風が心地良い。
シャトルバスで駐車場に戻った。そして屈斜路湖畔のキャンプ場を目指す。
美幌峠から屈斜路湖を見下ろす。日本最大のカルデラだ。
屈斜路湖畔のキャンプ場に着いた。19年ぶりだ。
爽やか風が吹いていた。その風で濡れたテントを乾かすことができた。
弟子屈まで買い出しにでかけて夕食を調達した。湖と星を眺めながら酒を飲む、足りないのは焚き火だけだ。
明日の予定はたてていない。
午後10時をまわり、酔いがさめてから和琴半島にある共同湯に向かった。
共同湯に19年前は電灯が点いていたが今は電気が通っていないようだ。
ヘッドランプを消すと湯船は真っ暗になった。
熱いお湯で身体を温めてテントに戻り、満点の星空を久しぶりに眺めた。