風になれたら

SUZUKI Bandit1250Sに乗って風になり
中島みゆきや渡辺美里を聴いて風になり
山を歩いて風になる

南八ヶ岳を行く 1日目

2018-01-28 | 徒歩の旅

10/8 晴れ

今回の山旅は南八ヶ岳を2泊3日で縦走する。観音平から上り始め編笠山直下の青年小屋で1泊、権現岳、赤岳、横岳、硫黄岳を経てオーレン小屋で1泊、最終日は天狗岳、麦草峠、茶臼山を経てロープウェイ山頂駅に下山の予定だ。

午前9時、小淵沢の駅に降り立った。多くの人はここから予約したタクシーで登山口に向かう。タクシー乗り場には予約していない人が列を作っていたがタクシーは止まっていない。予約なしでタクシーに乗れたらタクシー、乗れなかったら歩きと決めていたので、登山口の観音平を目指して歩き出した。

民家や別荘地の間の道を抜けておおよそのルートを網笠山に向けて登って行く。登山口まで7割ほどのあたりでハイキングコースに入った。このあたりは乗馬のコースになっていて何回か馬を見かけた。それにしても暑い今回の装備は16kgと北アルプス表銀座縦走に比べれば少し軽めだが大汗をかくには十分な重さだ。今度来るときはタクシーを予約しようと思うのであった。

観音平から鬱蒼と茂った森の中を歩き青年小屋に到着した。ここまで駅からの標高差は1500mを超えている。オーバースペックだな。網笠山の頂上まで往復で1時間ぐらいだが登らずに山だけ見ておこう。テント場にはカラフルなテントが立ち並んでいる。

暗くなる前に水を汲みに行く。乙女の水と呼ばれている水場で、冷たく綺麗な水がジャンジャン湧き出している。

ビールとワインを飲みながら隣のテントの人たちと話をする。一人のおじさんは細切れではあるものの東海道をずっと歩いたことがあるそうだ。

今日の夕飯はカレーうどん、小松菜にシメジと生野菜が入っているのが嬉しい。ご飯を炊いてこれをおかずにする。オーバーカロリーだな。

富士山が見えるとのことだったので富士山を見に行く。富士山は存在していることだけで素晴らしい山だと思う。富士山の麓で生まれ育ったので心の故郷であることは間違いないだろう。

振り返れば左手前にノロシバ、正面に西ぎぼしと東ぎぼしぎぼしと呼ばれる頂が見える。ノロシバはその名の通り狼煙を上げた場所だ。

青年小屋は遠い飲み屋と書かれた赤提灯が有名なので記念撮影だ。小屋の宿泊者は夜談話室でお酒が飲めるのでお酒を飲みたい人は小屋に泊まりましょう。テン泊でもビールは買えます。

陽が沈むと気温は一気に下がって一桁に突入したようでとても寒かった。

早目に寝たら夜中にトイレに起きてしまったが外に出ると夜空の雲が妖しく流れていた。

 

 

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北アルプス表銀座を行く 最終日

2018-01-27 | 徒歩の旅

9/23 晴れ

雨は明け方まで降っていた。今日は最終日で、帰るだけだと少しさびしいので上高地を一回りしてから帰ることにする。

梓川沿いを歩く。日本の山々を世界に知らせた日本アルプスの父と言われるウエストンのレリーフがある。

今ではみんな北アルプス、中央アルプス、南アルプスと呼んでいるが子供の頃は飛騨山脈、木曽山脈、赤石山脈と覚えていた。北、中央、南の方が感覚的に覚えやすいな。

雨上がりの散策路はとても静かだ。バスまで時間があるのでおやつを食べよう。トワ・サンクと言う店でアップルパイをいただく。林檎の甘酸っぱさが効いている。

バスの時刻となり上高地を後にする。右へ左へ曲がる道をバスに揺られながらいい山旅だったなと思う。

特急に乗り換える松本駅で何を食べようかとレストラン街に行くと松本からあげセンターなる店があったので入ってみよう。

結構人気店でしばらく待った。通されたカウンターの前に並ぶ数々の調味料、これを付けて食べるのだな。

山賊焼に唐揚げを追加する。ビールも忘れずに。

料理が運ばれてきた。明らかにカロリーオーバーな感じだが良しとしよう。おなかいっぱいだ。

これに乗ってしまえばあとは新宿までゆっくりとできる。北アルプスデビューはいい経験であった。次はどこへ行こうかと考えられるのは幸せなことだ。

家に帰って体重を測るといく前と後で変わっていなかった。普通は山を歩けば体重が減るのだけれど栄養補給がうまくいったと言うことにしよう。

 

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北アルプス表銀座を行く 5日目

2018-01-27 | 徒歩の旅

9/22 晴れのち雨

朝日に照らされて山々が光る。今日も天気に恵まれた。今度は槍の肩に泊まってみよう。

最初の予定では今日蝶ヶ岳へ向かう予定であったが、ここまで歩いてかなり満足したのと疲れが溜まってきたので横尾に着いてどうするか決めることにした。

時々振り返りながら黙々と山を降りていく。登山道脇に槍ヶ岳を開山した播隆上人が籠っていたと言われる播隆窟がある。

槍ヶ岳が見えなくなり空気の密度が濃くなると呼吸が楽になり走るように下ることができた。でも油断大敵、膝を痛めないようスピードをセーブしよう。

槍沢で表銀座を同じ日程で歩いていた人が休んでいた。彼と一緒にいた人は1泊目を大天井岳にして2泊で歩いたと言う。ふたりに別れを告げていい調子で降りていく。

横尾に着いて山小屋でカレーを食べた。こうして楽に食べられるのもいいな。ここからは平坦な道で梓川を眺めながら歩く。

徳沢に着いてソフトクリームを買って食堂を出ようとしたら先ほどのふたりと再会した。ふたりはここで昼食を取っていた。

話をするとふたりとも同世代で登山歴4、5年、山登りの前はよくバイクに乗っていたそうでバックグラウンドが似ていた。

せっかくなので徳沢から上高地まで山登りの話をしながら歩いた。おかげで楽しいひと時となった。上高地に着きふたりはそのまま下山した。

ふたりを見送って小梨平のキャンプ場まで戻った。小学生の時ここを歩いたことがあっていつかここに泊まりたいなと思っていたのだ。

穂高の山々を眺められる場所は人気があって混んでいたのでちょっと離れたテーブルとベンチがある場所にテントを張る。

4日ぶりに風呂に入って生ビールをジョッキで一気に飲んだ。どちらも気持ちいい!

雲行きが少し怪しかったが夜になって雨が本降りとなった。布一枚で外と隔たれた空間でじっとしている時間が流れる。この何もしていない感じ。

 

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北アルプス表銀座を行く 4日目

2018-01-21 | 徒歩の旅

9/21 晴れ

嵐のような夜が明けた。雨は止んだが風は少し強いようだ。今日はいよいよ槍ヶ岳を目指す。風が止んだら出発しよう。

トイレに行った帰りに上のテント場を覗いてみた。驚くことに昨夜そこに泊まった人がいて話を聞くと台風みたかったとのことだった。

そこから見える穂高の山々に朝日が当たる。あの稜線もいつか歩いてみたいな。

下の狭いテント場は風を避けるためのテントで満杯であった。そこから望む常念岳は整った形だ。

西岳から槍ヶ岳を目指して東鎌尾根を行く。ハシゴとクサリの場所が続く、荷物が軽ければそれほど難所ではないだろう。

長いハシゴを下ってヤセ尾根を渡る。つまずいて転ばないよう気を引き締めて歩く。

水俣乗越を超えて槍ヶ岳が近付いてくる。いつまでも眺めていられる均整のとれたその山容は本当に美しい。おお、あれが北鎌尾根か、素晴らしい稜線だ。

槍ヶ岳の頂のすぐ下にある槍ヶ岳山荘に着いた。テント場を見せてもらうとまだ誰もいない、11時前だから当たり前か。今日は殺生ヒュッテで泊まる予定なのでパスしたがここに泊まってもよかったかも。

山荘でラーメンを食べて頂を目指す。山荘に物資を運ぶヘリが飛んできた。

日陰には氷が貼り付いていた。もうすぐ山頂だ。ヤッホー!と心の中で叫んでみる。

山頂には先客が二人いた。どちらもソロでやってきたようだ。そのうちの一人が写真を撮ってくれた。ここではこの看板を持って写真を撮るのがお約束のようだ。

快晴で360度見渡せるので何度もぐるぐる回ってしまった。少しすると下から大勢の人が登ってくるようだったので混雑を避けて山頂を後にする。

殺生ヒュッテまで下ってテントを張った。殺生ヒュッテは東鎌尾根を通した小林喜作が猟師として獲物を解体していた場所だったのでその名が付いたとのことだ。

気温は5度ぐらいなので缶ビールは常温で置かれている。気温5度で飲む温度5度のビールはなかなかイケるので2本飲んでおいた。

ここのテント場は登山ルートから少しだけ外れていて槍ヶ岳山荘が人気なのでかなり空いている。

今日の夕飯はパスタ。アラビアータにミートボール、これに赤ワイン、目の前には槍ヶ岳、涙が出てきた。

寝る頃は少しガスっていたが深夜目を覚まして外を見ると星明りに槍ヶ岳が浮き上がっていた。

写真を撮って再び寝袋に潜り込んだ。

 

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北アルプス表銀座を行く 3日目

2018-01-13 | 徒歩の旅

9/20 晴れのち雨

まだ暗い中お湯を沸かしてフリーズドライのおこわとスープで身体を温める。気温は一桁だろう。テントをたたんで常念山脈を南に向かう。

右側は深い谷に繋がっている。そして右前方にはいつも槍ヶ岳の勇姿が聳えている。そんな稜線の白い道を進んでいく。谷から吹きあげる風が思いのほか強い。ときおり身体を押されてバランスが崩れるほどだ。

樹林帯に入り秋の気配を感じながら今日の中間地点の大天井岳を目指す。

樹林帯を抜けて歩いていると前方でクークーと声がした。なんかいるのかなと思ったら大きな鳥が2匹歩いていた。雷鳥だ。急いで写真を撮ったがピンボケだ。

少しずつ岩場が現れてきた。ここの切り通しには小林喜作のレリーフがある。槍ヶ岳の東鎌尾根に喜作新道と呼ばれる道を作った人だ。

風が強くレリーフの先の痩せ尾根をビビリながら素早く通過した。今回初めてのドッキリ場所だ。

風はますます強くなり大天井岳の山頂近くまで身を低くして歩いた。ときおり身体があおられて転びそうになり生きた心地がしない。みんなよく歩いているなと思った。後で聞いた話だがみんな恐ろしかったそうで転んだ人もいたらしい。

大天井岳の頂上も風が強く和める雰囲気ではないので先に向かった。

大天井ヒュッテまで降ると稜線から少し外れて樹林帯となりホッとする。この辺りの岳樺(ダケカンバ)は根元から横に生えている。雪による影響だろう。

小米草(コゴメグサ)

穏やかな道を歩き西岳のテン場に着いた。テントを張っていると急に空が暗くなり風が強くなってペグを打っていないテントが飛びそうになった。テントが飛ばされないよう咄嗟にポールを掴んだらポールがグニャリとしたので急いでフックを外した。セーフ、ポールが折れるのを避けることができた。周りの人たちも四苦八苦してテントを設営していた。テントを張り終わって中に潜り込んで一息つく。身体も冷えて疲れてしまったのでそのまま3時間ほど横になる。その内雨も降ってきてテントがしなり喚起口から水飛沫がたまに入ってくる。日本の山岳テント買うか?と思う。

ワインを飲みながら米に水が浸透するのを待った。水が浸透したのを確認しご飯を炊いてカレーを食べた。テントの中でご飯を炊くのは初めてだな。その間も風は吹き荒れていた。お腹も満たされたので体力を回復すべく風の音を聞きながら眠りについた。明日は晴れるだろうか。

 

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北アルプス表銀座を行く 2日目

2018-01-08 | 徒歩の旅

9/19 晴れ

良い天気に恵まれた。お世話になった有明荘を後にする。

燕岳登山口までの数百メートルの車道を歩いていると大腿部の付け根に痛みを感じて少し不安になった。これから3泊4日、18kgの荷物を背負って40km近くを歩けるのだろうか。

登山口に着く頃痛みはなくなってホッとする。最初は身体が温まるまでゆっくりと歩いた。しばらくきつい上り坂が続き余計な荷物を持ってきたことを少し悔いる。余計なものとはフライパンや食品だ。

スイカで有名な合戦小屋に着いた。スイカはパスしてうどんを食べた。盛夏にここでスイカを食べたら美味そうだ。

しばらく行くと槍ヶ岳の頭が見えた。このあたりは紅葉が始まったようだ。

そのまま登って行くと稜線に燕山荘が見えた、目的地が見えると足取りが軽くなるから不思議だ。

燕山荘のテント場にテントを張って燕岳を目指した。燕山荘からは往復1時間ほどだ。身軽になってサクサクと歩いて行く。

有名なイルカ岩、山の波の中を泳いでいるようだ。

そして燕岳、花崗岩に覆われた白い山体が近づいてくる。

近くに寄ると真っ白だ。

削られた花崗岩の道を踏みしめて登頂した。

 これが燕山荘。昨日泊まった有明荘も途中にあった合戦小屋も燕山荘のグループだ。

ここでは生ビールが飲める。燕岳とテン場を眺めながら乾杯、こんな写真を撮っていたら隣にいた女性が笑っていた。

余計な荷物フライパンはパスタを作るために持ってきたのだ。そして分離式ガスバーナーにレトルト食品。どれも軽量化に逆らう行為だ。

ミートソースパスタにセブンのハンバーグを投入した。

さらにワイン4パックとおつまみ4日分、これらのお陰で楽しい山旅が演出されるので、何が余計な荷物かわからなくなってきた。

夕陽が沈む頃、美しい稜線を眺めながらもう一杯ビールを飲んだ。目指す槍ヶ岳が見える。

いい気分で早々と寝袋に潜り込んで深い眠りに落ちた。最近寝付けない日が増えているのだけれど体を動かすとよく眠れるのだ。

深夜に目が覚めた。空気は冷たい。テントのジッパーを少し開けて顔を外に出すと控えめな星空と遥か下に見える街の灯りが揺れていた。

 

 

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北アルプス表銀座を行く 1日目

2018-01-06 | 徒歩の旅

9/18 晴れ

週末に上陸した台風が過ぎ去って青空が広がった。山登りを始めて4年目、テン泊1年目の今年(2017)憧れの北アルプスにデビューすることができた。選んだのは表銀座、燕岳から槍ヶ岳まで縦走する。

9:35に新宿を発つ高速バスで穂高駅に向かう。穂高駅には13:31に到着なので途中休憩したPAでサンドウィッチ買ってお昼ご飯にした。軽い昼食で夕飯に備える。

新宿から4時間、ようやく穂高駅に到着した。高速バスの停留所は駅から少し離れているので駅まで歩いて中房温泉行きのバス停を確認し穂高神社に向かった。穂高駅から今日の宿である有明荘へのバスは14:45発なので待ち時間は1時間以上あるので散策だ。

穂高神社で今回の山旅の安全を祈願して街を少し歩いた。再び駅に戻って中房温泉行きのバスを待った。

バスがやって来たので乗り込むと席は半分ほど空いていた。そんなに来ないのかなぁと思っていたら電車が到着したようで次々と人がやって来た。皆大きなザックを背負っている。

バスはマイクロバスで二人掛けに座っていたのだけれど満員だなと思い後ろの一人掛けに移った。移った席は後輪の上で足を曲げなければならず体育座りのような格好で山道を1時間揺られたのだった。

体育座りは腰にこたえた。次回このバスに乗る事があったらこの席だけは乗るまいと思う。

登山口である中房温泉の手前にある有明荘に前泊し明日への鋭気を養うと言うと聞こえはいいが、温泉に浸かって食べて飲んで寝てしまおうと言う魂胆なのだ。

夕飯まで時間があるので登山口を見に行った。ここは標高1400mぐらいで夕暮れともなると肌寒いほどで片道700m弱ほどの坂道を歩いても身体は温まらなかった。

そんなときは温泉だ。宿に戻ってすぐに風呂に向かった。明日は平日なので宿泊客は少なめと思われ内湯も露天風呂もほとんど貸切状態であった。

部屋に戻って明日からの山旅の準備を済ませて食堂に向かった。

栄養満点の夕食、馬刺しを追加でお願いした。

甘めの穂高地ビールを2杯味わい大雪渓大吟醸美山錦と言う立派な名前の日本酒を飲んだ。料理はどれも美味しくスタッフも気持ちのいい接客をしてくれる。

このような幸せで静かな時間を過ごすときに想うのは家族や友人のことだが、それはひとりであるから想うんだな、きっと。

 

 

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