秀明記(syuumeiki)

着物デザイナーが日々感じたこと、
全国旅(催事)で出会った人たちとのエピソードなど・・・
つれずれなるままに。

「しぶふだ」

2009年07月01日 14時24分54秒 | 着物話
この「渋札」も業界関係者以外には馴染みがないと思います。

ずっと以前にこのブログで取り上げたことがありましたが、ダレも憶えてないと
思いますから、もう一度復習。(するほどのコトでも無いんですけどね)

「蒸し屋」や「湯のし屋」には色んな工房の反物が集まりますから、これをしっかり
付けておかないと、大事な反物が迷子になってしまいます。

反物の一番端っこに錐で小さな穴を開けて、先の細い部分を捻って結ぶんですが、
これは店頭に並ぶときには、外されて、代わりに店の値札や問屋の札が付けられます。

紙質も「渋紙」では無く、もう少し上質な紙になります。問屋の札には符号で
値段が表記されますが、一般客には何が書かれているのかは分かりません。

今回ワタクシが言いたいのは(そんなに気張っていう事ではありませんが)、
この商品札のつけ方がヒジョウに甘い問屋が増えてきた気がします。

恐らく、ベテランや中堅の社員がリストラなどで退社したため、新人が付けているのだ
と思われますが、展示会などで、アチコチでこの商品札が落ちているのを見かけます。

この前お話した「しんぎ」に反物を巻きつける作業や、商品札を付ける仕事は
先輩がしっかり後輩に教え込んでいくことなんですけどね。

そんな先輩たちがどんどん退社させられ、基礎的な作業が疎かになっていると
したら、いくら販売だけに力を注いでも先行きはどうなんだろう・・・。

てなコト考えるより自分の先行きを心配しなさい!って?