熊澤良尊の将棋駒三昧

只今、生涯2冊目の本「駒と歩む」。配本中。
ご注文方法、住所、電話番号はコメントでお問い合わせください。

お答え

2015-09-05 01:28:41 | 文章
9月5日(土)、天候不明。

朝晩は虫の声が聞こえるようになりました。
コロコロ、チリチリチ、ジージ―。
どうやらコオロギ。
松虫、そして・・。

ーーーー
昨日の長文は、夜中に書きました。
あれだけで2時間近く。
よって、朝方はチョッと寝不足。
しかし、いつものように朝ごはん。
そのあとは寝不足を忘れ、まだまだ元気。

ーーーー
今日は、その続き。
昨日いただいたコメント。

  熊澤先生
  お返事ありがとうございます。
  大変ご丁寧な解説で何度も読み直しております。
  私自身は対局や棋譜並べなどの実用にと考えております。
  また、熊澤先生のおっしゃるようにこの駒を優しく使って成長させていきたいとも思っております。
  私はまだ二十代半ばの若造で棋具に関する知識があまりありません。
  駒箱に保管しておいて、平箱に保管している以上にキズがつくことはあるのではないか。
  はたして、それが駒にとって良い  ことなのか。私自身とても決めかねています。
  私は熊澤先生の駒をこうして見ていると作者の魂がこもっていて、駒も生きているのだなぁと考えさせられます。
  だからこそ、作者である熊澤先生にアドバイスいただけないかと思っております。

駒の保管方法ですが、結論を言えば、平箱の方が、傷はつきにくいと言えます。
駒どうしがぶつからないからです。
駒袋に入れると、駒の表面と隣の駒の角が、ランダムに接触します。
面取りがシッカリしてある駒でも、それで多少の小傷が付く訳です。

ソレを気にするかどうかと言うことになります。
ですから、商品としての駒は瑕がつかないように平箱に入れます。
一方、愛用の駒は、西陣織正絹の袋に入れて、四角い箱に入れています。
この間も、ある方とその駒を使って愛用の盤で手合わせ願いました。
もう20年くらい前に作った駒ですが、タイトル戦会場での控室で皆さんにも使っていただいたり。
余談ですが、今日、その駒を写真にしてアップしますので、ご覧ください。

ところで、平箱は安心かと言うと、注意も必要です。
普通、表を上にして並べて入れる訳ですね。
長い間そうしておくと、表だけが光が当たって裏が白っぽいまま、と言うことにもなりかねません。
勿論、普段は蓋を閉じておくわけでしょうが、やっぱり一番いいのは、時々箱から出して、盤に並べることですね。

もう一つ、平箱で注意しなければいけないのは、内側に貼ってある布の材料。
青や紫が駒に色移りしないかと言うことです。
駒に油を付けたりしていると、その脂分で色移りする危険があります。
これは、駒袋も同様で、裏地が悪いと駒に色移りがする恐れがあります。
色移りは、最悪です。

昔、駒をお買い上げになった九州の方の話です。
駒に、裏地も高級な色落ちしない正絹で作った西陣織の駒袋を、一緒に渡しました。
何か月が経った時。
「駒が紫色に染まった」という連絡がありました。
おかしいなと思って、取りあえず駒を送ってもらうと、何枚かの駒の角(かど)が紫色になっていました。

で、「小生がお渡しした駒袋はどうしたんですか」と訊ねました。
すると、その方は「別の紫色の布で駒を包んでから、入れていた」とのことです。
「アーあ」と思いました。
紫色の布は、安い駒をかった時に使ってあったモノです。

結局、何枚かところどころ紫に染まった駒は、残念ながら全部は元通りにはなりません。
完全には取りきれないのが残りました。
安い駒についている紫の布、あれはスフとか言う、いわゆる安い人絹が多いと思います。
色移りするので、すぐに捨て他方が良い。それが賢明です。

と言うことで、駒をダメにするのは箱の形の違いではなく、別の要因。

因みに、小生が箱屋さんに特別注文する平箱の内張りは、一つ一つ自分で行います。
勿論、色落ちする危険な青や紫は使いません。
小生が京都の縫製屋さんに発注しているの駒袋も同様の考えで、、表は正絹の西陣織。
裏も色落ちしない先染めの正絹での縫製。
なお、先染めとは、織った後で染めるのではなく、織る前の糸の段階で染めた布のことです。

とにかく、駒は箱に入れっ放しにせず、時々盤に並べてみる。
それが一番。だんだん育ってゆく。
度々使うことで、カビの予防にもなります。
これは平たい箱でも四角い箱でも一緒。
とにかく、箱に入れっ放しにしないことですね。

今日はこれで終わります。
質問に、お答えできましたか。
まだまだ聞きたいことがあれば、コメントでどうぞ。
ほかの方もウエルカムです。






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