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我が家の飼い犬まる、台湾生まれの日本育ち、性は淡白で人にも犬仲間にもいたって穏やかな6歳の柴犬である。彼なりの省エネのつもりなのか、ついぞ身内に対し振られたためしのない尻尾をみるたびに、人間にも尻尾があったならと考えることがある。ふんぞりかえった主を裏切って巻き込んだ尻尾が股の間で震えている、おまえなど歯牙にもかけないぜという風のドヤ顔を尻目に尻尾がぴんぴんと愛想よく振られている等々、さぞかし彼方此方で個人情報漏洩の滑稽な状況が展開することだろう。いや簡単に見える様な形でないだけであって、人間にも確かに尻尾(尾骨ではなく)があるのだ。人間の尻尾は誰が見ても解りやすい御大層なものばかりとはかぎらない。何処にあるのか目を凝らしても在り処が一向に解らない尻尾もある。そのような場合はうっかり踏んでも不可抗力と言いたいところだが、えてしてこの様な尻尾に限って持主の思い入れがまた強いものである。しゃれたリボンが結んである粋な尻尾、毛が抜け落ちたお疲れの尻尾、先日までの右巻きを何時の間にか左巻きに鞍替えした尻尾もある。そういえば私にもかつてささやかな尻尾があった筈だが、立派に進化を遂げたのか、単に擦り切れただけなのか、何時の間にかなくなってしまった。
尻尾は経絡ならば陽経の海、督脈に繋がるところである。督脈に属するツボ、百会は、多くの経絡が会合するという意味の経穴で、人間では頭頂部にあるが、犬、猫では尻尾の付け根に存在している。写真は中医学の基礎からお教え下さった高教授、御夫君の陶教授から頂戴した人間の経穴モデルと、北京中医薬大学、第一臨床医学院の売店で購入してきた犬の経穴モデルである。
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