紘一郎雑記帳

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阪急・阪神・大丸・近鉄・高島屋・三越・・百貨店戦争  竹田 徹氏講演より

2010-10-07 04:54:11 | Weblog
「大阪の百貨店戦争」

【竹田 徹氏】産経新聞社経済部担当部長
 2010年6月21日講演 【第3部】



大阪百貨店戦争

関西経済界復活のカギを握るもう一つの焦点は
大阪への百貨店の進出や既存店舗の増床による
「2011年問題」である。

現在、国内最大の百貨店街は「伊勢丹」「小田急」
「京王」「高島屋」が集まる、東京の新宿ですが(21万㎡)
11年ごろには大阪市内の百貨店の売り場面積が
これを抜いて「25万㎡」を超えることになり日本最大となる。

主な百貨店の開店・増床等の予定は

●高島屋大阪店 7,8万㎡ 10年春増床
●大丸心斎橋店 7,8万㎡ 10年春増床
●JR大阪三越店 5,0万㎡ 11年春新規
●大丸梅田店  6,4万㎡ 11年春増床
●阪急梅田店  8,4万㎡ 12年春建替
●近鉄阿倍野店 10,0㎡  11年春建替

このように競争のきっかけとなったのは「北浜」に
あった「三越」の旧館が阪神、淡路震災で被災して
閉店に追い込まれ「大阪駅前」に狙いを定めたからである

危機感を抱いた、他の店が相次いで設備拡充を進める中
その「三越」が「伊勢丹」と経営統合し、JR大阪駅に
開店を発表した事に始まりました

ファッションに強い「伊勢丹」が進出してくるのは
大阪の既存店に競争を激化させ、加えて「梅田ヤード」
「阿倍野ヤード」に巨大ショッピングセンターの
建設も予定されたからでした。

商圏の拡がりが関西経済の活性化につながると期待されるが
一方では異常な事態と思われている面もあるのです。

大丸松阪屋の奥田会長は百貨店の数は最終的に
人口100万人に1店に絞られるとみており
大阪に存在する百貨店の店舗数は今ある20店舗が
半分の9店補しか生き残れないといっています

百貨店による経済効果は大きいはずだが、
00年に名古屋駅に開業した「高島屋」は、
名古屋の百貨店全体の売り場面積が「34%」も拡大したが
売上高は「6%」しか増えず、近隣地区の岐阜や四日市の
百貨店の売り上げを低下させてしまいました。

大阪商工会議所は3大ターミナル「キタ、ミナミ、阿倍野」
周辺の買い物客は、現在年間870万人ですが
20年には950万人に伸びると予測しています

これは新しい百貨店の集客効果によるものだが、
買い物客は増加しても売り場面積はそれを上回って
拡大するため、売り場面積の販売効率は「30%」ほど減少するとみている。

かくして、大阪の百貨店競争は「壮大なチキンレース」と呼ぶ向きもあり
この競争は「近鉄阿倍野店」の開店する「14年」以降となろう

そしてこの競争に負けた10店ほどが閉店になる時代がくる。

新聞記事より
増床後の大阪の百貨店

阪急 期待度トップ
 増床や建て替えが相次ぐ大阪の百貨店で、最も期待度が高いのは? 
三菱総合研究所は16日、西日本のターミナルに関する意識調査で、
建て替え後に「利用したい」との回答が、
阪急百貨店うめだ本店で唯一、5割を超えたとの調査結果を発表した。

次点のJR大阪三越伊勢丹も48・7%が利用したいと答え、
期待の高さをつかがわせた。

平成24年に建て替えを終える阪急うめだ本店については
「何度も利用する」との回答が15・6%、
「一度は利用する」が38・9%と、
回答者の54・5%が利用する意向を示した。

 来年5月に開業するJR大阪三越伊勢丹は「一度は利用する」が
42・0%と大阪市内の百貨店では最も多く、
関西人の〝物見高さ〟がかいま見えた。

一方で「何度も利用する」は6・7%と下から2番目にとどまり、
固定客の獲得にはハードルがありそうだ。

平成26年に売り場面積約10万平方㍍と国内最大の百貨店となる
近鉄百貨店阿倍野本店については、「何度も利用する」 (8・6%)が、
大阪市内で2位につけた半面、3割以上が「計画を知らない」と回答。

面白い結果となっている

皆様はどこの百貨店に行きますか?