紘一郎雑記帳
朴槿恵大統領の政治生命の終焉につながる可能性がある
記者に検事がしつこく聞いてきたことの一つが崔太敏(チェ・テミン)、
順実(スンシル)親子に関することだった。
朴氏の抱える最大の急所なのだと、間もなく気づいた。
これは朴氏の政治生命の終焉につながる可能性がある。
崔親子との交友こそ、朴氏が隠さなければならなかった事柄であり、
政権最大級のタブーなのだ。
演説草稿や閣議資料を事前に崔順実氏に渡していたことが明らかになった日、
朴氏は崔氏についてそう説明し、謝罪した。
言い換えれば、他に助けてくれる人がいなかったことを意味する。
朴氏は孤独なのだ。
それは朴氏の人生と、政治家としての成長過程に起因する。
幼少期の母が
「どんなに小さい間違いでも心から反省しなければ厳しく叱った」
と記し、両親は他者への礼儀や配慮に厳しかったと述懐している。
学業でも小中高から名門、西江大を卒業するまで学年首席で通した。
自著には、朴氏が「完全無欠」を志向する過程が描かれている。
ハンナラ党代表当時の報道官、田麗玉氏は著書で、
朴氏は「私が原則」という思考回路の持ち主だと批判した。
朴氏は父の死後、父の側近や親友とされる多くの人々が
よそよそしくなったと感じていたという。
崔太敏氏は朴元大統領に大きな影響力を持つ相談相手だったとされる。
「つらかったときに助けてくれた」関係は親子二代に及ぶ深いものだ。
朴氏は国会議員当時、崔順実氏の夫の鄭允会氏を側近として受け入れてもいた。
訪米中にわいせつ事件を起こした大統領府報道官までいる。
当初、崔順実氏に頼っていたという朴氏は、
これらの人事をだれにも相談せず実施したと指摘されたが、
背景に崔氏がいたとすれば話は別だ。
崔氏をめぐるスキャンダルは、朴氏の「孤独」と深くつながっている。