桂 春乃輔師・講演録(2010年11月講演)
上方落語の面白さ 安田紘一郎雑記帳
【第1部】
春乃輔師
1948年 大阪出身 1967年3代目春団治に入門
1968年4代目春乃輔襲名
2003年 上方落語協会副会長 現・幹事長
講演前楽屋で
問い
「師匠、今年の参議院選挙にも落語会から立候補しましたね」
春乃輔師
「今後は落語協会からの出馬は「キンシ」する。
と、話しながら登壇!
春乃輔です、
なぜ、私が清話会の講演会にお呼びがあったのか
考えていました。
噺家を呼ぶのであれば「桂 三枝」にするか
「笑福亭鶴瓶」にするか迷ったところ
「三枝」はギャラが高く「鶴瓶」は忙しいので
おおかた、「安くて、暇な春乃輔あたりにしょうか」と
いうことで、私に話があったのでしょう。
講演といえば、以前「市立大学」で3ケ月で13回という
集中講座を4年間務めた事がありました。
市民の方にも開かれた講座で、毎回350名ほどの
方が聴講されていましたが、中の100人ほどが一般の方でした。
これが、なかなか難しいもので、一般向けの話をすれば
学生が退屈し、学生向けに話せば、一般の方が面白くない顔をする。
落語もやりましたが「若い学生」には通じない噺もありました。
学生には落語で「扇子」を口にくわえててタバコを喫う仕草をしても
何のことか判ってもらえません。 煙管(キセル)を知らないのです。
でも面白い事に「キセル乗車」は知っていましたね。
「酒を燗する」も通じません。
最近は家庭や店でで日本酒を燗する習慣が少なくなり
「酒を燗する」とは言わずに「酒をチンする」と言うそうです。
誰にでも「わかり易い落語」をしようと
「3代目桂米朝師匠」がおはじめになりました。
米朝師匠は兵庫県のご出身であり「大阪色」は、
さほどでもない師匠であったので、
だからこそ全国区になれたのでしょう。
そのお陰で「上方落語」が全国的に受け入れてもらいました。
米朝師匠は大功労者です。
他にも、亡くなった「6代目松鶴師匠」や私の師匠の「3代目春団治」
個性豊かな師匠たちも凄い物でした。
落語は東京、漫才は大阪とよく言われますが、我々にしてみれば
落語も漫才も大阪が本場という事になります。
私自身は東京の落語が嫌いではありません。
特に「5代目志ん生師匠」や「8代目文楽師匠」の大フアンで
テープもいっぱい持っているほどです。
東京の落語で良いのは「人情話」と「怪談」であり
大阪落語は「ナンセンス」な笑いが良いですね。
「今、何どきや!」という「時そば」の噺がありますが
あの噺はもともと大阪の「時うどん」なのです。
東西の違いをお話しましょう。
続きは「春乃輔師講演録第2部」にて投稿致します。
上方落語の面白さ 安田紘一郎雑記帳
【第1部】
春乃輔師
1948年 大阪出身 1967年3代目春団治に入門
1968年4代目春乃輔襲名
2003年 上方落語協会副会長 現・幹事長
講演前楽屋で
問い
「師匠、今年の参議院選挙にも落語会から立候補しましたね」
春乃輔師
「今後は落語協会からの出馬は「キンシ」する。
と、話しながら登壇!
春乃輔です、
なぜ、私が清話会の講演会にお呼びがあったのか
考えていました。
噺家を呼ぶのであれば「桂 三枝」にするか
「笑福亭鶴瓶」にするか迷ったところ
「三枝」はギャラが高く「鶴瓶」は忙しいので
おおかた、「安くて、暇な春乃輔あたりにしょうか」と
いうことで、私に話があったのでしょう。
講演といえば、以前「市立大学」で3ケ月で13回という
集中講座を4年間務めた事がありました。
市民の方にも開かれた講座で、毎回350名ほどの
方が聴講されていましたが、中の100人ほどが一般の方でした。
これが、なかなか難しいもので、一般向けの話をすれば
学生が退屈し、学生向けに話せば、一般の方が面白くない顔をする。
落語もやりましたが「若い学生」には通じない噺もありました。
学生には落語で「扇子」を口にくわえててタバコを喫う仕草をしても
何のことか判ってもらえません。 煙管(キセル)を知らないのです。
でも面白い事に「キセル乗車」は知っていましたね。
「酒を燗する」も通じません。
最近は家庭や店でで日本酒を燗する習慣が少なくなり
「酒を燗する」とは言わずに「酒をチンする」と言うそうです。
誰にでも「わかり易い落語」をしようと
「3代目桂米朝師匠」がおはじめになりました。
米朝師匠は兵庫県のご出身であり「大阪色」は、
さほどでもない師匠であったので、
だからこそ全国区になれたのでしょう。
そのお陰で「上方落語」が全国的に受け入れてもらいました。
米朝師匠は大功労者です。
他にも、亡くなった「6代目松鶴師匠」や私の師匠の「3代目春団治」
個性豊かな師匠たちも凄い物でした。
落語は東京、漫才は大阪とよく言われますが、我々にしてみれば
落語も漫才も大阪が本場という事になります。
私自身は東京の落語が嫌いではありません。
特に「5代目志ん生師匠」や「8代目文楽師匠」の大フアンで
テープもいっぱい持っているほどです。
東京の落語で良いのは「人情話」と「怪談」であり
大阪落語は「ナンセンス」な笑いが良いですね。
「今、何どきや!」という「時そば」の噺がありますが
あの噺はもともと大阪の「時うどん」なのです。
東西の違いをお話しましょう。
続きは「春乃輔師講演録第2部」にて投稿致します。