第2部雷被害対策とは!音羽電機吉田社長に聞く
紘一郎雑記帳
雷の被害と対策は・・昨日より
そして、雷には直接落ちる「直撃雷」と、数キロ先で落ちた雷が電線や
地面などを伝わって建物に流れ込む「誘導雷」があるが、
とてつもなく大きな電気であり、被害は甚大なものになる。
昔の電気製品であれば回路が単純だったためショートした部分を
交換すれば良かったのだが、最近の電子機器は電圧の変化に弱いため、
機械が完全に壊れたりデータが消失したりと、
一度雷の被害に遭うと取り返しがつかなくなるのだ。
しかも、現代は日本中に電子機器のネットワークが張り巡らされているので、
雷のせいで社会的機能が停止しかねないのである。
また、古い建物への落雷は火災につながり、人命や貴重な建造物が
失われてしまうことにつながる。
そこで有効なのが先述の雷対策システムなのである。
また、吉田氏に雷から身を守る方法について尋ねると、
「車の中、建物の中はほぼ大丈夫です。
家の中ではコンセントから離れた部屋の中心部に居ると安全です。
屋外の場合は家の軒先や木の傍は非常に危険ですので、
5メートルは離れてください。」とのことだったので、
これから雷が増える季節を前に覚えておいていただきたい。
同社が国内唯一の雷対策専門メーカーであると言う所以は避雷製品の
素晴らしさやシェアだけでなく、実は同社の雷テクノロジーセンターが
世界最大級の雷実験設備で、開発や評価試験、
また数多くの受託試験も行っている等が高く評価されているからでもある。
専門の棟を設けて飛行機への落雷再現実験もできる(世界で5か所しかない)ため、
MRJ(国産初のジェット旅客機)の耐雷試験を行っている。
ちなみに、同社の設備で自然界の雷電流の99%を再現できるのだとか。
このように実験設備を充実させるのは創業以来の方針で、
結果的にはこの設備があったからこそ
雷対策日本一の会社として君臨しているのである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/f5/88b8a38c37508d9734e31d3f6165888a.jpg)
また、センターには雷ミュージアムも設置して雷や避雷技術について
学べる展示を行い、広く開放している。
また、海外からの視察や研修も受け入れている(見学は要予約、
4月~12月のみ)。さらに、雷について啓発する技術セミナーも
10年以上続けて開催していて、参加希望者はどんどん増えていると言う。
先述の通り、最近は全てのものが電子化、システム化、ネットワーク化、
自動化され、雷の被害から守らなければならない物が増えた。
その一方で、ゲリラ豪雨と同様、雷もゲリラ的に多発し、
雷の脅威は増してきている。また、イベント会場などでの雷事故に対し
主催者への責任を問う最高裁判決も出されている。
雷対策はしなければならないものになっているのだ。
しかし、幸いにも気象予知技術の進歩で、雷予知から避雷までをトータルに
考えられるようになってきている。同社では、今後の方向性として、
積乱雲の研究や雷の予知も行い、雷対策を総合的に提供する企業を目指す。
吉田氏曰く、
「すべての家庭で雷対策をする日が必ず来ます。我が社では雷をコア技術にして、
社会貢献や国際交流もできるような雷対策の会社を目指します。」
と語ってくれた。
これからは、雷の被害を少なくするという考え方からさらに進んだ
「免雷」(同社の登録商標)という、雷の被害をゼロにするという考え方が
主流になると言う。関西から「免雷」で世界をリードする同社に、
さらなる飛躍を望みたい。(詳細は先見経済をご参照ください)