関西企業・三輪山本 第2部
紘一郎雑記帳
昨日より佐藤氏はこれまでの仕事に傷がつくこともあるので、仕事は厳選する。
しかし、同社のリニューアルを佐藤氏は快く引き受けてくれたのである。
さらに、商品だけでなく社名についても「三輪山本」に変更することを
相談すると、佐藤氏はリブランディングに賛成し、
社名のロゴの作成も引き受けてくれたのだ。
同社と佐藤氏は昨年1年間、タッグを組んで「白龍」のパッケージや紙袋、
包装紙などのデザイン、および社名ロゴの刷新に取り組み、
今年1月1日に社名変更と共に新しいロゴが世に出た。
「白龍」のパッケージは白を基調にした繊細なものに変わり、
佐藤氏が新しく考案した字体が使われている。
1把ずつ四角い箱に入り、漢字で「白龍」、縦書きのローマ字で
「HAKURYU」と書かれ、その下には社名の新ロゴが入っている。
箱を眺めるだけでも心が満たされるようである。
そして、そうめん業界は筆文字を使ったロゴを使っていることが
多かったのだが、佐藤氏はモノ作りへの情熱と新しい食文化を
創造していこうというチャレンジ精神、そして古都奈良の歴史と
同社300年の歩みと伝統を総合的に勘案してデザインした。
その結果、独創的だが安定感のあるオリジナル書体で
落款のような赤色の社名ロゴが誕生したのである。
妻の伯子さんが副社長として大活躍
さらに、もう一つ大きな変化が同社であった。
それは、たまに意見を言う程度だった社長の妻である伯子(のりこ)氏が、
2年前から本格的に社業に参画し、昨年から副社長として
経営陣に加わったのである。元々は大学時代にピアノを専攻し、
太治氏と結婚したというものの会社経営とは無縁だった伯子氏だが、
4人の子育てを終えていたこともあり、男性目線では
気付かない社内の細かいことに対処したり、
社員とのコミュニケーションを担当することになった。
すると、素晴らしい経営感覚を発揮し、同社にとって
無くてはならない存在になったのだと言う。
それ以来、社長は大きな経営判断と営業面を、
副社長は社内行政を担当するようになり、佐藤氏とのブ
ランディング戦略の推進や社名変更、ロゴの刷新などについては
伯子副社長が主に担当し大きな成果を上げたのである。社
長に言わせると、「副社長には勝てませんし、頭が上がりません!」
とのことだ。
変革、挑戦はまだ始まったばかり
社名もロゴも商品デザインも変わった老舗企業「三輪山本」だが、
山本社長は「まだまだ会社を発展させていきたいし、
男女ともに全ての年代で受け入れられる商品を世に出したい。」と語る。
また、伯子副社長は
「古くからあるものを続けるにはイノベーションが必要です。」と話す。
同社の変革、挑戦はまだ始まったばかりで、これからも続いていくのである。
数十年の後にどのような会社になっているのか、
是非とも見届けたいものである
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