紘一郎雑記帳

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変る!大阪の町  関西経済復活の条件 竹田 徹氏講演会より

2010-10-25 05:18:40 | Weblog
「変る!大阪の町」

【竹田 徹氏】産経新聞社経済部担当部長
 【第4部】講演 関西経済復活の条件

「2011年」問題は百貨店問題だけではない。
JR西日本と日本郵政会社は「大阪中央郵便局跡地」の
再開発を計画しており、オフイスや劇場や
商業施設の入る40階建てのビルを建設して12年に
開業する予定でしたが「延期」を発表しました。

その理由は大阪市内のオフイス事業の悪化である。

不動産業者の調査によると、この1年間で大阪市内に
建設された新築ビルの「空室率」は4月で58,9%と
過去最悪の状況との事である。

それにも関わらず、今後もオフイスビルの供給は続き
梅田北ヤードに55万㎡、阪急梅田本店上階にに25万㎡
さらに近鉄阿倍野本店に21万㎡と広大なスペースが
次々とつくり出されていきます、

テナント企業の奪い合いが激化することは間違いなく
関西経済に悪影響を及ぼす懸念が大いにあるのです。

これらを踏まえた上で関西経済をどう復活させるかは
まず「グリーンベイ」については「電池産業」と関連する
「産業」との連携が不可欠でしょう

例えば一般住宅用の太陽光発電設備の生産に力をいれ
家庭で発電した電力を「リチウムイオン電池」と
「ハイブリット・電気自動車」には補完性があるので
あまり中の良くなかった両方が手を組んで
連携する事が必要ではないでしょうか。

百貨店については「外国観光客」の誘致、ことに
最近日本への観光ビザの取得条件が緩和された
中国人を引き寄せる事が重要でしょう

日本政策投資銀行は16年には年間300万人の
「中国人観光客」が日本を訪問し、その消費額は
現在の380億円から1900億円になると予測している。

この数字は、大阪府の人口が16年には28万人減少し
3300億円ほどの消費が減る事になるが、その6割を
「中国人観光客」の消費で補える数字となります。

関西経済生き残り作戦にもう一つのヒントがあります。

守口市の金属加工業者が、自分達の手で電気自動車を
つくろうと思い立ち、09年3月に「刃物製造会社」や
「設計事務所」の知人らと、スタートさせました。

それは「あっぱれEVプロジェクト」といいます。

わずか半年で「3輪」の「3人乗り電気自動車」を完成させ
今年4月に地元で披露会を開催しました

「牛車」をイメージしたデザインの、この車は
「リチウムイオン電池」を搭載し、1年間の充電で
約40㌔を走行でき、今後は市販を目指して
さらなる改良を模索しています。

守口市のある京阪沿線は「パナソニック」や
「三洋電機」などの企業城下町である

リーマンショック後、周辺の町工場が仕事を減らす中
何とか不況を脱しようと電気自動車の製造にチャレンジしました

まだ試作車の段階で、すぐに事業化は出来ない
「電気自動車」の心臓部にあたる「リチウムイオン電池」を
製造する企業が関西には多くあり、この立地を活かした
ベンチャー企業の立ち上がりが盛んになるべきでしょう

アメリカのベンチャー企業の「テスラモーターズ」は
歴史の浅い会社であるが、高性能の
「スポーツカー型電気自動車」を売り出し好評で
5月にはトヨタ自動車との間で業務・資本提携が
合意し発表されました。

中国にも「テスラモーターズ」より規模は小さいが
技術的にも劣りがちながら「電気自動車」の製造に
乗り出すメーカーが沢山現れている

こうした「チャレンジ精神」こそが
「関西経済復活」の最優先の条件と感じます

ご聴講有難う御座いました