New York Scene / Art Blakey and The Jazz Messengers
アート・ブレイキーの晩年のアルバムを見るとライブレコーディングが多い。というのは必然的に彼が率いるジャズメッセンジャーズはライブ活動を積極的に行っていたということに他ならない。
50年代、60年代前半までは有名プレーヤーを次々に生み出す名門バンとしてジャズ界を引っ張ってきた。70年代にかけてブレイキーの低迷期と言われているが、これはブレイキ―だけではなく多くの大物ジャズミュージシャン達の共通の置かれた状況であった。そのような状況でも昔と変わらず、若手の鍛錬の場としてジャズメッセンジャーズを率いてツアーを続けていた。そして、その中から次世代のヒーローが確実に生まれていった。
そのメッセンジャーズがコンコルドレーベルに登場したのは1978年。このアルバムはコンコルドの地元サンフランシスコの名門クラブキーストンコーナーズに、メッセンジャーズが訪れていた時のライブ録音であった。
このアルバムにはボビーワトソンがいた。更にはピアノのジェイムスウイリアムスの加入もあった。若手が多いせいかライブ録音独特の活気が一層力強く伝わってくる。メッセンジャーズは健在であった。
その後も、サンフランシスコに来る度に、そのライブアルバムは続いたが、次のアルバムの目玉はその頃言われ始めていた「新伝承派」のホープウイントンマルサリスの加入であった。
1983年に、オーレックスジャズフェスティバルでこのジャズメッセンジャーズが来日した。この時のメンバーにはカーチスフラーやベニーゴルソンなどOBメンバーも加わったオールスターメンバーであったが、トランペットだけはマルサリスに加えてテレンスブランチャードも加わる豪華版であった。ちょうどこの2人が交代した時期でもあった。
そして、このアルバムは翌年1984年5月の録音。ブランチャードに加えてピアノのマルグリューミラーも加わり、メンバーが一新されている。そして、以前と同様ライブ録音だがこのアルバムのタイトルからも分かるように今回の場所はニューヨークである。やはり本拠地でのライブとなると気合の入り方が違う。
今回、前年のオーレックスの演奏も聴き直してみた。2人のOBが加わったこともあるが、日本で演奏された曲は、モーニン、ウイスパーノット、アロングカムベティーなどいずれも昔のヒット曲ばかり。懐メロのステージを聴いている感じだ。マルサリスとブランチャードのアイリメンバークリフォードの共演は楽しめたものの、残念ながら普段の若手のメッセンジャーズの演奏とは程遠いものであった。
よく、日本のステージでは手抜きをしているのではという話を良く聴いたが、懐メロ好みのファン向けのステージを要求する日本側の責任もあったと思う。
このアルバムでは、若手メンバー達のオリジナル曲が並び、演奏だけでなくバンドカラーも若手の影響力が及ぶ。一方で、バラードメドレーでは各人の技も披露している。御大のブレイキーも安心して任せているといった感じでのびのびしたプレーぶりだ。
そして、このアルバムは1985年のグラミー賞のBest Jazz Instrumental Performance - Groupにノミネートされ、めでたくウィナーとなっている。
他にノミネートされた他のアルバムを見ても、当時多くのミュージシャンが来日していたがそこで聴けるような演奏ではなかった。バブルの真最中の日本では大手のスポンサーがついてジャズフェスティバルも数多く行われていたが、今考えると単なるお祭り騒ぎであった、そこでの演奏は彼らの普段の真剣勝負の演奏とは違ったものが多かったように思う。
前回のジョージルイスの日本のライブアルバムで感じたのと同じような印象を持った。
1. Oh, By the Way Terence Blanchard 10:06
2. Ballad Medley 7;23
My One and Only Love Robert Mellin
It's Easy to Remember R.Rogers / L.Heart
Who Cares George & Ira Gershwin
3. Controversy Donald Harrison 5:24
4. Tenderly Walter Gross / Jack Lawrence 11:12
5. Falafel Mulgrew Miller 9:54
Art Blakey & The Jazz Messengers
Art Blakey (ds)
Terence Blanchard (tp)
Donald Harrison (as)
Jean Toussaint (ts)
Mulgrew Miller (p)
Lonnie Plaxico (b)
Produced by Frank Dorritie
Engineer : Ed Trabanco
Remote Recording : Malcolm Addey
Recorded live st Mikell's, New York, May 1984
Concord CJ-256 (所有盤は日本版のCD)
アート・ブレイキーの晩年のアルバムを見るとライブレコーディングが多い。というのは必然的に彼が率いるジャズメッセンジャーズはライブ活動を積極的に行っていたということに他ならない。
50年代、60年代前半までは有名プレーヤーを次々に生み出す名門バンとしてジャズ界を引っ張ってきた。70年代にかけてブレイキーの低迷期と言われているが、これはブレイキ―だけではなく多くの大物ジャズミュージシャン達の共通の置かれた状況であった。そのような状況でも昔と変わらず、若手の鍛錬の場としてジャズメッセンジャーズを率いてツアーを続けていた。そして、その中から次世代のヒーローが確実に生まれていった。
そのメッセンジャーズがコンコルドレーベルに登場したのは1978年。このアルバムはコンコルドの地元サンフランシスコの名門クラブキーストンコーナーズに、メッセンジャーズが訪れていた時のライブ録音であった。
このアルバムにはボビーワトソンがいた。更にはピアノのジェイムスウイリアムスの加入もあった。若手が多いせいかライブ録音独特の活気が一層力強く伝わってくる。メッセンジャーズは健在であった。
その後も、サンフランシスコに来る度に、そのライブアルバムは続いたが、次のアルバムの目玉はその頃言われ始めていた「新伝承派」のホープウイントンマルサリスの加入であった。
1983年に、オーレックスジャズフェスティバルでこのジャズメッセンジャーズが来日した。この時のメンバーにはカーチスフラーやベニーゴルソンなどOBメンバーも加わったオールスターメンバーであったが、トランペットだけはマルサリスに加えてテレンスブランチャードも加わる豪華版であった。ちょうどこの2人が交代した時期でもあった。
そして、このアルバムは翌年1984年5月の録音。ブランチャードに加えてピアノのマルグリューミラーも加わり、メンバーが一新されている。そして、以前と同様ライブ録音だがこのアルバムのタイトルからも分かるように今回の場所はニューヨークである。やはり本拠地でのライブとなると気合の入り方が違う。
今回、前年のオーレックスの演奏も聴き直してみた。2人のOBが加わったこともあるが、日本で演奏された曲は、モーニン、ウイスパーノット、アロングカムベティーなどいずれも昔のヒット曲ばかり。懐メロのステージを聴いている感じだ。マルサリスとブランチャードのアイリメンバークリフォードの共演は楽しめたものの、残念ながら普段の若手のメッセンジャーズの演奏とは程遠いものであった。
よく、日本のステージでは手抜きをしているのではという話を良く聴いたが、懐メロ好みのファン向けのステージを要求する日本側の責任もあったと思う。
このアルバムでは、若手メンバー達のオリジナル曲が並び、演奏だけでなくバンドカラーも若手の影響力が及ぶ。一方で、バラードメドレーでは各人の技も披露している。御大のブレイキーも安心して任せているといった感じでのびのびしたプレーぶりだ。
そして、このアルバムは1985年のグラミー賞のBest Jazz Instrumental Performance - Groupにノミネートされ、めでたくウィナーとなっている。
他にノミネートされた他のアルバムを見ても、当時多くのミュージシャンが来日していたがそこで聴けるような演奏ではなかった。バブルの真最中の日本では大手のスポンサーがついてジャズフェスティバルも数多く行われていたが、今考えると単なるお祭り騒ぎであった、そこでの演奏は彼らの普段の真剣勝負の演奏とは違ったものが多かったように思う。
前回のジョージルイスの日本のライブアルバムで感じたのと同じような印象を持った。
1. Oh, By the Way Terence Blanchard 10:06
2. Ballad Medley 7;23
My One and Only Love Robert Mellin
It's Easy to Remember R.Rogers / L.Heart
Who Cares George & Ira Gershwin
3. Controversy Donald Harrison 5:24
4. Tenderly Walter Gross / Jack Lawrence 11:12
5. Falafel Mulgrew Miller 9:54
Art Blakey & The Jazz Messengers
Art Blakey (ds)
Terence Blanchard (tp)
Donald Harrison (as)
Jean Toussaint (ts)
Mulgrew Miller (p)
Lonnie Plaxico (b)
Produced by Frank Dorritie
Engineer : Ed Trabanco
Remote Recording : Malcolm Addey
Recorded live st Mikell's, New York, May 1984
Concord CJ-256 (所有盤は日本版のCD)
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