The Gathering Place / Anthony Zano and Orchestra
ペッパーアダムスはソリストとしても有名だが、サドメルオーケストラの重鎮であったように、色々なビッグバンドでも重要な役割を果たしてきた。ビッグバンドで重宝されるということはいわゆる譜面にも強いミュージシャンであったが、ビッグバンドメンバーとして最初の鍛錬の場はスタンケントンオーケストラ。メルルイスとの出会いもそこであった。その後も、色々なセッションの合間にメイナードファーガソン、ベニーグッドマンのオーケストラなどでレギュラーメンバーに加わった事もある。一方で、クインシージョーンズやジョージラッセルなどレコーディングのためのテンポラリーに編成されたオーケストラに起用されことも多かった。それもスイングからモダンまで幅広く。
ドナルドバードとの双頭クインテットを組んでいた時もツアーやクラブ出演の無い時はそのようなビッグバンドによく参加していた。このアルバムも、その中の一枚。
1960年3月バード&アダムスのグループはサンフランシスコへの遠征を終えてニューヨークに戻った、そして翌4月テディーチャールスなどと一緒にWarwickへのサンプラー用の録音を済ませ、その後はアダムスとバードとは別行動をする。アダムスはJ.R.Monteroseと一緒にクラブ出演をして、4月27日、28日にこのアルバムの録音に臨んだ。
トミーフラナガンやポールチェンバースといった同郷の仲間達と一緒に、ニューヨークで活躍していたミュージシャンに加えてチャーリーマリアーノなどボストンで活動していたミュージシャンも加わった。というのも、このアルバムの主役は、ボストンを中心に活動していた作編曲家であり、ピアニストのトニー・ザノ。
ボストンといえばジャズの世界ではバークレー音楽大学が有名であるが、このザノは、ボストン音楽大学、ニューイングランド音楽大学で作編曲を学び、テリトリーはジャズだけではなく、シンフォニー、室内楽、コーラスまでカバーする幅広い。そのザノが「コンテンポラリービッグバンドサウンド」と銘打って制作されたのがこのアルバム。
サドメルをはじめとしてモダンビッグバンドが定着するのはまだ10年近く先。この1960年というタイミングではポストベイシー、エリントンとして、ギルエバンス、クインシーやオリバーネルソンなどが台頭し始めた頃。コンテンポラリーサウンドというのはまだまだ少なかった時代。ということを頭に入れてこのアルバムを聴くと確かに斬新さを感じるアレンジだ。
半分はお馴染みのスタンダード曲のアレンジ物、そして後半はオリジナル曲。オリジナル曲はミニ組曲風な構成でリズムやテンポも変えてアレンジャーとしてのアピールが随所にうかがわれる。メンバーも中堅どころを揃えソロも随所に配置されているが、良くも悪くもアレンジャーのアルバムといった感じが色濃い。残念乍らペッパーアダムスのソロは無くセッションプレーのみである。
このザノの作品や演奏を他には聴いた事がないのでその後の活動歴は分からないが、アダムスの活動歴を見ると、このザノと晩年に一緒にプレーをした記録があるので、その後も交友があったようだ。という意味では、この録音セッションもアダムスの一連の活動歴の中で大事な一日であったということだろう。
晩年のピアノプレーの映像があるが、ピアノのプレーもなかなかモダンなタッチだ。
1. I Got Rhythm George Gershwin, Ira Gershwin 4:55
2. Till There Was You Meredith Willson 3:55
3. They Can't Take That Away From Me George Gershwin, Ira Gershwin 3:35
4. To A Certain Miss Tony Zano 3:23
5. Ballad For Dee Tony Zano 4:22
6. Loss Tony Zano 3:30
7. The Gathering Place Tony Zano 9:45
Tony Zano (ldr con,arr),
Vinnie Dean, Charlie Mariano (as),
Dick Hafer, Frank Socolow (ts)
Pepper Adams (bs)
Burt Collins, Augustino 'Chet' Ferretti, Rick Kiefer, Jerry Tyree (tp),
Eddie Bert, William Elton, Curtis Fuller, Frank Rehak ,Mike Zwerin (tb)
Mike Zwerin (vtb)
Bill Barber (tu)
Sal Salvador (g)
Tommy Flanagan (p)
Paul Chambers (b)
Charlie Persip (d)
Jean Purretta (v)
Engineer : Warren Jenkins
Recorded at Plaza Sound Studios, New York City, April 27&28, 1960
ペッパーアダムスはソリストとしても有名だが、サドメルオーケストラの重鎮であったように、色々なビッグバンドでも重要な役割を果たしてきた。ビッグバンドで重宝されるということはいわゆる譜面にも強いミュージシャンであったが、ビッグバンドメンバーとして最初の鍛錬の場はスタンケントンオーケストラ。メルルイスとの出会いもそこであった。その後も、色々なセッションの合間にメイナードファーガソン、ベニーグッドマンのオーケストラなどでレギュラーメンバーに加わった事もある。一方で、クインシージョーンズやジョージラッセルなどレコーディングのためのテンポラリーに編成されたオーケストラに起用されことも多かった。それもスイングからモダンまで幅広く。
ドナルドバードとの双頭クインテットを組んでいた時もツアーやクラブ出演の無い時はそのようなビッグバンドによく参加していた。このアルバムも、その中の一枚。
1960年3月バード&アダムスのグループはサンフランシスコへの遠征を終えてニューヨークに戻った、そして翌4月テディーチャールスなどと一緒にWarwickへのサンプラー用の録音を済ませ、その後はアダムスとバードとは別行動をする。アダムスはJ.R.Monteroseと一緒にクラブ出演をして、4月27日、28日にこのアルバムの録音に臨んだ。
トミーフラナガンやポールチェンバースといった同郷の仲間達と一緒に、ニューヨークで活躍していたミュージシャンに加えてチャーリーマリアーノなどボストンで活動していたミュージシャンも加わった。というのも、このアルバムの主役は、ボストンを中心に活動していた作編曲家であり、ピアニストのトニー・ザノ。
ボストンといえばジャズの世界ではバークレー音楽大学が有名であるが、このザノは、ボストン音楽大学、ニューイングランド音楽大学で作編曲を学び、テリトリーはジャズだけではなく、シンフォニー、室内楽、コーラスまでカバーする幅広い。そのザノが「コンテンポラリービッグバンドサウンド」と銘打って制作されたのがこのアルバム。
サドメルをはじめとしてモダンビッグバンドが定着するのはまだ10年近く先。この1960年というタイミングではポストベイシー、エリントンとして、ギルエバンス、クインシーやオリバーネルソンなどが台頭し始めた頃。コンテンポラリーサウンドというのはまだまだ少なかった時代。ということを頭に入れてこのアルバムを聴くと確かに斬新さを感じるアレンジだ。
半分はお馴染みのスタンダード曲のアレンジ物、そして後半はオリジナル曲。オリジナル曲はミニ組曲風な構成でリズムやテンポも変えてアレンジャーとしてのアピールが随所にうかがわれる。メンバーも中堅どころを揃えソロも随所に配置されているが、良くも悪くもアレンジャーのアルバムといった感じが色濃い。残念乍らペッパーアダムスのソロは無くセッションプレーのみである。
このザノの作品や演奏を他には聴いた事がないのでその後の活動歴は分からないが、アダムスの活動歴を見ると、このザノと晩年に一緒にプレーをした記録があるので、その後も交友があったようだ。という意味では、この録音セッションもアダムスの一連の活動歴の中で大事な一日であったということだろう。
晩年のピアノプレーの映像があるが、ピアノのプレーもなかなかモダンなタッチだ。
1. I Got Rhythm George Gershwin, Ira Gershwin 4:55
2. Till There Was You Meredith Willson 3:55
3. They Can't Take That Away From Me George Gershwin, Ira Gershwin 3:35
4. To A Certain Miss Tony Zano 3:23
5. Ballad For Dee Tony Zano 4:22
6. Loss Tony Zano 3:30
7. The Gathering Place Tony Zano 9:45
Tony Zano (ldr con,arr),
Vinnie Dean, Charlie Mariano (as),
Dick Hafer, Frank Socolow (ts)
Pepper Adams (bs)
Burt Collins, Augustino 'Chet' Ferretti, Rick Kiefer, Jerry Tyree (tp),
Eddie Bert, William Elton, Curtis Fuller, Frank Rehak ,Mike Zwerin (tb)
Mike Zwerin (vtb)
Bill Barber (tu)
Sal Salvador (g)
Tommy Flanagan (p)
Paul Chambers (b)
Charlie Persip (d)
Jean Purretta (v)
Engineer : Warren Jenkins
Recorded at Plaza Sound Studios, New York City, April 27&28, 1960