眠れないときは本を読むに限る。本は時には睡眠剤でもある(笑)
重松清氏の【見張り塔からずっと】は、3つの小品が入っていて、3組の家族、夫婦を
描いた作品だった。
解説で篠田節子氏も書いているが、重松氏は人間の精神の極めて深い部分を描き出して
いくことがホントに上手い作家だと思う。
盛り上がりそうな大事件が起きるわけでも、興味を引きそうな関係が発展するのでもなく、
重荷としての日常をあくまでも追い、淡々と描いている。
特別に作りあげられた物語というよりは、もっと身近な、日々の生活でも見え隠れする感情、
自分にも心当たりがある断片や、あるいはいつか自分も陥るかもしれない暗闇だったり。
つい覗いてみたくなる話が多い。
でも、焼肉を食べたら、あっさりした果物が食べたくなる。
それで、腹ごなしの意味で広げた本が【日曜日の夕刊】だった。
これは12組の家族のお話が詰まっているのだが、最初の「チマ男とガサ子」には笑った。
同じ作家が描いたのかと疑いたくなるほど軽快で面白い。
チマ男=神経質でマメな几帳面な男。チマチマした性格。
ガサ子=掃除片づけまるで駄目。ドジで不器用でガサツでいい加減。
チマ男、ガサ子がいるならチマ子、ガサ男がいるはず。
私はどっち、ややチマ子か?ガサ子か?いやいや、標準範囲内だべさ(笑)
チマ男とチマ子じゃ成り立たないわけだ。自分にないものを人は求めるものだし。
それにしても、この間ラジオで言っていた。
女子大生の寮の凄まじさを。その方は、耐えかねてアパートに引っ越したそうだ。
自立していない女は、生活面では男よりだらしがないそうだゾ!
微笑ましい、チマ男とガサ子の話、機会があったら是非読んでみてくだされ。