広瀬隆著『原子炉時限爆弾』ダイヤモンド社を読んだ。
本の帯には、「日本に住むすべての人に いま一番伝えたいこと」とあり、この本は、2010年8月に出版されている。
著者は、近い将来かなりの高い確率で起こるとされる東海大地震と予期される浜岡の原発震災、さらに日本中の原発震災を危惧され書かれた本である。
出版からわずか半年で、その胸騒ぎが的中してしまったことになる。
文中には、「誰でも、気づくまでは、無知の塊である。」とある。
本当に、この本を読むまで私は、何も知らない全くの無知の塊であった。
日本という国丸ごとが、アメリカやヨーロッパと、同じ条件で比較してはならない超危険地震地帯であったこと。
さらに、地球は、日々変化している「生き物」であり、日本は地震の活動期に入ったということ。
そして、本当に重大な情報が、電力会社や国、報道機関等により、真実を知らされないままきているということ。
火災事故以来14年以上も運転をストップしていた、ボロボロの高速増殖炉”もんじゅ”の運転再開。
プルトニウムを大量に混合した燃料を使う危険なプルサーマル原子炉。
未だに行き場のない、使用済み核燃料に含まれる膨大な量の高レベル廃棄物。
その高レベル廃棄物の放射能は、100万年もの監視を要するとのこと。
私の拙い言葉では書きつくせない、もっともっと多くの事・・。
図やグラフ、写真等の資料も多く、分かりやすい説明で読みやすい。
昨日、菅首相が浜岡原発の一時全面停止を中部電力に要請した。
このニュースは、被災地東北からみたら当然であり、その決断は評価に値するものであると私は思う。
反面、その反応も様々であるという。
何故だろう。。。
原発が、どれほど危険なものであるか、浜岡が震災すれば最悪、日本が無くなるかもしれないのである。
地震後、市内の大きな書店でもまだ原発や地震関係のコーナーは出来てはいなかった。
しかし今は、そのコーナーが出来ている。
この本は、Amazonに注文した時には2週間待ちでの発送であったが、今は書店のコーナーに平積みされている。
もう大事な事は、テレビや新聞だけに頼らず、一人ひとりが考え行動するしかないのかもしれない。
是非、多くの方に読んでもらいたいと願う。(貸し出しOK)
最後に、著者広瀬氏は、こんな言葉で締めくくっている。
為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり (江戸時代の名君、上杉鷹山の言葉)
4月14日に、私も鷹山公に会いに行ったのを思い出した。